適正な下水道使用料の検討について

更新日:2025年04月25日

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小牧市下水道事業では、令和5年度から2年間にわたって適切な下水道使用料について検討を重ね、35年ぶりに下水道使用料を改定することを決定しました。

ここでは、小牧市下水道事業の現状と下水道使用料を見直すに至った経緯、検討結果を掲載します。

小牧市公共下水道事業の現状

小牧市公共下水道事業は昭和48年に桃花台ニュータウン事業の一環として開始して以来、市街地を中心に整備を進めてきました。令和4年度末では小牧市民の77.9%の方が公共下水道を使用できる区域にお住まいです。

公共下水道に接続した建物では、トイレや台所、お風呂などから出た汚れた水は、地面に埋められた下水道管を通って、愛知県が管理する五条川左岸浄化センターに集められます。五条川左岸浄化センターでは汚れた水を微生物などできれいにして川に流します。この一連の仕組みを「汚水処理」といいます。

「汚水処理」の仕組み

図1 汚水処理の仕組み

令和5年7月末の公共下水道の区域

図2 令和5年7月末の公共下水道の区域

小牧市下水道事業ガイドブック

市民の皆さんに下水道事業を知っていただくため、「小牧市下水道事業ガイドブック」を作成しました。ぜひ、ご一読ください。

公共下水道事業の財政状況

本来、汚水処理に係る費用は下水道使用料によって賄われるべきものです。しかし、小牧市の下水道使用料は平成2年に改定して以来30年以上も据え置いています。汚水処理に係る費用に対する下水道使用料の割合を「経費回収率」といい、これが100%を下回っている場合は支出に対して収入が不足しているということになります。小牧市の令和3年度決算においては、経費回収率は59.2%と非常に低く、残りの40.8%は一般会計(税金等)から約8億円の赤字補てんを受けているのが現状です

全国的にも経費回収率が100%を下回っている自治体が多いなか、国土交通省からは令和2年3月に国庫補助金の交付要件として、令和6年度末までに「経費回収率向上のためのロードマップ」を策定するよう要請されました。小牧市も、経常収支比率の向上のため経営改善に取り組みます。

経営改善の取り組み

小牧市下水道事業では、これまでも経営改善に向けて様々な取り組みをしてきました。さらに令和4年6月には小牧市下水道事業長期経営計画を策定し、30年規模の経営シミュレーションを行い、下水道整備区域の縮小などの施策を実施しました。

下水道事業経営改善の主な取り組み

・下水道整備区域の縮小
・農業集落排水事業の流域下水道への統合の検討
・汚水管の点検や修繕などの不明水対策
・老朽化施設の更新計画の策定
・近隣四市町でのマンホール目視点検業務の共同化
・上下水道事業窓口業務の委託化

 

 

今後も経営改善には取り組んでいきますが、1立方メートルあたりの下水道使用料及び汚水処理費を示した図3を見ると、汚水処理に係る費用の内訳は、これまで整備してきた汚水管の減価償却費などの資本費と、五条川左岸浄化センター(流域下水道)へ支払う負担金が大きな割合を占めています。これらの経費は、過去に行った投資を費用として計上したり、愛知県が定める金額を支払うものであるため、市では管理できない部分が多く含まれており、経費削減にも限界があります。そのため、経営状況の改善には使用料の見直しが不可避です。

下水道使用料と汚水処理費(令和4年度決算)

図3 1立方メートルあたりの下水道使用料と汚水処理費(令和4年度決算)

小牧市上下水道事業経営審議会

小牧市では水道事業と下水道事業の経営と運営を審議していただくために、令和4年4月に上下水道事業経営審議会を立ち上げました。令和5年度第1回審議会で、適正な下水道使用料について審議していただくよう諮問をし、2年にわたりご審議をいただきました。

 

令和5年度第1回経営審議会

令和5年7月20日に開催して諮問書を渡しました。下水道事業の現況について説明し、理解を深めていただきました。

諮問

配付資料、議事録等は下記のリンク先をご確認ください。

令和5年度第2回経営審議会

令和5年10月23日に開催しました。使用料の改定時期と改定率について、審議していただきました。配布資料、議事録等は下記リンク先をご確認ください。

令和5年度第3回経営審議会

令和6年1月31日に開催しました。使用料の改定時期と改定率について審議していただきました。配布資料、議事録等は下記リンク先をご覧ください。

令和6年度第1回経営審議会

令和6年5月14日に開催しました。使用料の改定時期と改定率について審議していただきました。配布資料、議事録等は下記リンク先をご覧ください。

令和6年度第2回経営審議会

令和6年7月17日に開催しました。使用料体系の改定について審議していただきました。配布資料、議事録等は下記リンク先をご覧ください。

令和6年度第3回経営審議会

令和6年9月4日に開催しました。使用料体系の改定について審議していただきました。配布資料、議事録等は下記リンク先をご覧ください。

令和6年度第4回経営審議会

令和6年10月24日に開催しました。答申をとりまとめ、市長に答申書を提出しました。配布資料、議事録等は下記リンク先をご覧ください。

上下水道事業経営審議会からの答申について

令和6年10月24日(木曜日)の令和6年度第4回審議会において、同会会長の萩原聡央名古屋経済大学教授より山下市長へ、下水道事業の適正な使用料収入について、答申書が手渡されました。

答申の概要

使用料改定スケジュール

・令和7 年1 0 月に下水道使用料収入を約3 0% 増加させる使用料改定を行う。
・ 1 回目の改定から概ね3 年後に、経費回収率が1 0 0% となる使用料改定を行う。

1回目改定の使用料体系(一般用)について

・基本使用料と従量使用料の収入割合は、現行の40%対60%を維持するよう改定する。

・10立方メートル以下の基本水量を廃止する。

・11立方メートル以上の従量使用料は、現行の5区分で同額増加させる定額増とする。

・2つの使用料改定(案)を提示する。

附帯意見

・使用料の改定は、使用者に対して新たな負担を求めるものであるため、経営を担う事業者側としても支出の削減及び合理化・効率化など一層の経営改善に取り組み、経営の安定化に努められたい。

・2 回の使用料改定により経費回収率1 0 0% を達成した後も、安定した事業運営のために適宜必要な審議を行い、定期的に経営計画を見直し、それに合わせて適正な下水道使用料を検討されたい。

・情報提供や広報活動を通じて常に市民とのコミュニケーションをとるよう努められたい。また、情報提供の際は、わかりやすい説明に努められたい。

下水道使用料改定の条例案の提出について

小牧市上下水道事業経営審議会からの答申を受けて、下水道使用料体系を下記の通り改定する条例案を令和7年第1回定例会に提出し、令和7年3月21日に可決しました。改定後の使用料体系は、令和7年10月1日から施行されます。

下水道使用料体系(消費税別、1か月分)

【一般用】

改定前は、10立方メートル以下の使用者は基本使用料のみを支払っていただきましたが、改定後は1立方メートルから使用水量に応じて使用料を支払っていただく体系になります。

区分

改定前

改定後

差額

基本使用料 718円 933円 215円
従量使用料 1立方メートルから
10立方メートルまで

10円 10円
(1立方メートルあたり) 11立方メートルから
20立方メートルまで
72円 93円 21円
  21立方メートルから
40立方メートルまで
87円 108円 21円
  41立方メートルから
100立方メートルまで
106円 127円 21円
  101立方メートルから
500立方メートルまで
131円 152円 21円
  501立方メートルから 160円 182円 21円

 

【公衆浴場用】

地域住民の日常生活の衛生上必要のものとして利用させる施設である普通公衆浴場に適用される体系です。現在、小牧市内に適用する事業者はいません。

区分 改定前 改定後 差額
基本使用料 4,611円 5,994円 1,383円

従量使用料
(1立方メートルあたり)

101立方メートルから 48円 62円 14円

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