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令和3年度一般財団法人こまき市民文化財団財政援助団体等監査結果
更新日:2022年01月31日
小牧市監査公表第1号
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第7項の規定に基づく財政援助団体等監査の結果に関する報告を同条第9項の規定により別紙のとおり公表する。
令和4年1月31日
小牧市監査委員 伊藤 二三
小牧市監査委員 加藤 晶子
小牧市財政援助団体等監査結果報告
第1 監査の概要
1 監査の対象
名称
一般財団法人こまき市民文化財団
(所管部課:健康生きがい支え合い推進部 文化・スポーツ課)
範囲
令和2年4月1日から令和3年3月31日までの事業のうち、次の施設の管理業務及び財政的援助に係る出納その他の事務の執行について
公の施設の指定管理者監査
協定の名称 | 小牧市市民会館及び小牧市公民館の管理及び運営に関する基本協定 | 小牧中部公民館の管理及び運営に関する基本協定 |
令和2年度指定管理料 | 133,396,602円 | 78,808,557円 |
施設名 | 小牧市市民会館及び小牧市公民館 | 小牧中部公民館 |
協定の目的 | 一般財団法人こまき市民文化財団は文化・芸術の振興と生涯学習の推進を図ることを目的として設立された団体であり、当該施設を文化芸術及び生涯学習事業の拠点としてより一層有効活用させ、地域福祉の一層の増進を図るため。 |
財政援助団体監査
補助金の名称 | 一般財団法人こまき市民文化財団運営費補助金 |
補助金額 | 136,604,422円 |
補助の目的 | 一般財団法人こまき市民文化財団の事業に必要な経費を補助することにより、財団の運営の充実並びに文化・芸術の振興及び生涯学習の推進に寄与するため。 |
2 監査の期間
令和3年8月26日から令和3年11月25日まで
3 監査の場所
小牧市公民館視聴覚室
4 監査の方法
監査の実施にあたっては、小牧市監査基準に準拠し、小牧市市民会館及び小牧市公民館の管理及び運営に関する基本協定書、同施設の管理運営に関する年度協定書、小牧中部公民館の管理及び運営に関する基本協定書、同施設の管理運営に関する年度協定書、補助金等交付申請書、事業報告及び収支決算並びに補助金事務の出納に係る書類等の提示を求め、関係職員より説明を聴取し、公の施設の管理及び財政的援助に係る出納その他の事務が、法令等に従い適正かつ効率的に執行されているかに主眼をおいて監査を実施した。
また、所管課に対しては、指定管理者の施設管理業務及び補助金に係る出納に対する指導監督が適切に行われているかどうかに主眼をおいて監査を実施した。
第2 事業の概要
1 監査団体の概要(令和3年3月31日現在)
(1) 設立年月日
平成29年4月3日
(2)目的
小牧市の歴史、文化及び伝統を大切にし、市民がともにつくる文化・ 芸術の振興を図るとともに、豊かな人生を支え、生涯学ぶことができるまちづくりを推進し、新しい時代にふさわしい小牧市の文化を創っていくことを目的とする。
(3)役員数
理事10名(うち理事長1名、副理事長1名、常務理事1名)、評議員10名、監事2名
(4)職員の状況
事務局長(常務理事兼務)1名、事務局次長1名、チーフマネージャー1名、総務グループ6名、事業グループ兼広報営業グループ16名、施設運営グループ29名
(5)主な事業
- 普及事業
- 伝統文化事業
- 舞台公演事業
- 美術事業
- こまなび事業
- 広報事業
- 施設運営事業
2 指定管理事業の実施について
(1) 小牧市及び小牧市教育委員会から指定管理者の指定を受け、次の業務を行っている。
- 小牧市市民会館、小牧市公民館及び小牧中部公民館の利用の許可、又は不許可、許可の取消しその他利用許可に関する業務
- 維持管理に関する業務
- 上記に掲げるもののほか、同施設の管理に関し小牧市及び小牧市教育委員会が必要と認める業務
(2) 指定管理の事務手続
指定管理者の指定根拠法令等 |
・地方自治法第244条の2第3項 |
基本協定締結日 | 平成30年2月13日 |
年度協定締結日 | 令和2年4月1日 |
指定期間 | 平成30年4月1日~令和5年3月31日 |
年度協定期間 | 令和2年4月1日~令和3年3月31日 |
収入日及び収入額 |
1.小牧市市民会館及び小牧市公民館 令和2年4月20日 9,000,000円 2.小牧中部公民館 令和2年4月20日 4,500,000円 |
年度業務実績報告日 | 令和3年3月31日 |
(3) 令和2年度月別利用状況
1. 小牧市市民会館
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
人数 | 0 | 0 | 14 | 68 | 3,301 | 5,136 | 3,374 | 3,205 | 4,751 | 1,010 | 1,384 | 6,235 | 28,478 |
件数 | 0 | 0 | 4 | 28 | 246 | 180 | 211 | 163 | 303 | 91 | 81 | 259 | 1,566 |
※令和2年4月1日から令和2年6月18日までは新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い施設を利用停止した。
※令和3年1月18日から令和3年2月21日までは新型コロナウイルスによる感染症緊急事態宣言のため、施設の利用を一部制限した。
2. 小牧市公民館
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
人数 | 0 | 0 | 5,035 | 6,269 | 5,562 | 5,824 | 6,811 | 5,589 | 4,538 | 2,735 | 11,308 | 11,508 | 65,179 |
件数 | 0 | 0 | 383 | 465 | 513 | 490 | 563 | 460 | 474 | 294 | 419 | 645 | 4.706 |
※令和2年4月1日から令和2年5月31日までは新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い施設を利用停止した。
※令和3年1月18日から令和3年2月21日までは新型コロナウイルスによる感染症緊急事態宣言のため、施設の利用を一部制限した。
3. 小牧中部公民館
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
人数 | 0 | 0 | 1,245 | 1,592 | 1,444 | 1,410 | 2,116 | 1,938 | 2,287 | 818 | 428 | 2,053 | 15,331 |
件数 | 0 | 0 | 135 | 157 | 136 | 151 | 173 | 173 | 155 | 77 | 33 | 169 | 1,359 |
※令和2年4月1日から令和2年5月31日までは新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い施設を利用停止した。
※令和3年1月18日から令和3年2月21日までは新型コロナウイルスによる感染症緊急事態宣言のため、施設の利用を一部制限した。
4. 小牧中部公民館プラネタリウム
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
人数 | 0 | 0 | 378 | 1,014 | 1,174 | 659 | 488 | 632 | 514 | 348 | 84 | 906 | 6,197 |
※令和2年4月1日から令和2年6月18日まで新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い施設を利用停止した。
※令和3年1月18日から令和3年2月21日までは新型コロナウイルスによる感染症緊急事態宣言のため、施設を利用停止した。
(4) 収支状況
令和2年度の指定管理における収支状況は、次表のとおりである。
1. 小牧市市民会館及び小牧市公民館
(単位:円)
収入 | 支出 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
指定管理料 | 133,396,602 | 人件費 | 49,915,862 |
旅費 | 3,440 | ||
需用費 | 27,186,554 | ||
役務費 | 1,107,350 | ||
委託費 | 32,400,219 | ||
使用料及び賃貸料 | 2,574,062 | ||
リース債務返済 | 764,640 | ||
原材料費 | 221,980 | ||
事務局費 | 19,222,495 | ||
支出合計 | 133,396,602 |
2. 小牧中部公民館
(単位:円)
収入 | 支出 | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
指定管理料 | 78,808,557 | 人件費 | 28,982,914 |
報償費 | 15,000 | ||
旅費 | 1,140 | ||
需用費 | 12,735,734 | ||
役務費 | 822,736 | ||
委託費 | 23,095,879 | ||
使用料及び賃貸料 | 1,771,222 | ||
原材料費 | 17,592 | ||
負担金 | 10,000 | ||
事務局費 | 11,356,340 | ||
支出合計 | 78,808,557 |
3 補助事業の実施について
(1) 補助金交付申請等の手続
交付申請日 | 令和2年4月1日 |
交付決定日 | 令和2年4月1日 |
補助金確定額 | 令和2年度 136,604,422円 |
交付日及び交付額 |
令和2年4月20日 11,000,000円 |
実績報告日 | 令和3年3月31日 |
額確定通知日 | 令和3年3月31日 |
(2) 収支状況
1. 収入の部
補助金収入事務について、収支決算書、預金通帳、関係諸帳簿等を調査した結果、こまき市民文化財団運営費補助金136,604,422円が収入されていた。
2. 支出の部
こまき市民文化財団運営費補助金136,604,422円の使途は次のとおりであった。
(単位:円)
科目 | 補助金の使途 | 補助金充当額 |
普及事業 | 印刷製本費、報償費、委託料外 | 7,371,086 |
伝統文化事業 | 委託料、助成金、消耗品費外 | 3,591,327 |
舞台公演事業 | 印刷製本費、委託料、助成金外 | 13,277,619 |
美術事業 | 委託料、報償費、印刷製本費外 | 1,664,826 |
広報事業 | 委託料、使用料及び賃借料外 | 11,647,588 |
事業費一般事業 | 人件費、消耗品費、旅費外 | 76,376,955 |
事務局費 | 委託料、使用料及び賃借料外 | 22,675,021 |
合計 | 136,604,422 |
第3 監査の結果
公の施設の管理及び財政的援助に係る出納その他の事務の執行状況並びに所管課の指導監督状況等について監査を実施した結果、一部の是正・改善を要する事項を除き、適正に執行されていると認められた。
なお、軽微な事務の誤りについては、その都度是正指導を行った。
こまき市民文化財団及び文化・スポーツ課の監査の結果及び意見は次のとおりである。
共通
指摘事項
(1)補助金業務について
補助金(概算払)交付請求書が補助金交付要綱に規定する提出期限を過ぎて提出されているものがあった。
一般財団法人こまき市民文化財団
指摘事項
なし
意見
- これまで本市の文化・芸術等の振興については、市の文化行政担当部署が主導し、その役割を担ってきたものの、「小牧市の歴史、文化及び伝統を大切にし、市民がともにつくる文化・ 芸術の振興を図るとともに、豊かな人生を支え、生涯学ぶことができるまちづくりを推進し、新しい時代にふさわしい小牧市の文化を創っていく」ことを目的に平成29年に当財団が設立され、より専門的に業務に取り組まれている。
その取り組みの一つとして、文化・芸術に親しむ市民の裾野を広げるため、子育て世代の方や障がい者の方にもコンサートを楽しんで欲しいとの思いから託児サービスを導入したり、バリアフリーコンサートを企画したりと、積極的に新たな層へのアプローチを図られている。
また、よりよい事業を展開していくため、来場者にアンケートを実施し意見や要望を取り入れていることが見受けられる。
今後もこれらの取り組みを継続していくとともに、引き続き財団の特長を生かした企画・事業を推進し、小牧ならではの文化が創出されることを期待する。 - 消防設備点検は消防法により義務付けられているが、点検結果で不具合があった一部の設備において緊急性が高いと判断し、見積競争を行わずに修繕を実施している事案を複数件確認した。
被害を最小限に抑え、命と財産を守ろうとする責任感や義務感は求められるべきではあるものの、市から支出される補助金は貴重な財源で賄われている。
消防設備に不具合が生じた場合の対応については市所管課と協議し、予め対応方法や基準を定めておくなど、適切な管理に努められたい。 - 事務局長の人件費について、本監査の調査対象である2年度においては管理職も事業に対する業務がほとんどであるという理由から、管理費ではなく事業費で予算計上されていた。
しかしながら、事務局長は常務理事を兼務していることから、事業部門に限らず組織全体の責任を負うため、管理費で計上することの見直しを検討されたい。
文化・スポーツ課(健康生きがい支え合い推進部)
指摘事項
(1) 指定管理業務について
年度協定書で定める管理経費の支払月が守られていないものがあった。
意見
- 令和2年5月に改定された「補助金のあり方と交付基準について」では、補助金の恒常化・既得権化を防止し、社会情勢の変化に対応した事業内容への見直しを適時適切に行うため、全ての補助金について、終期を設定することとされているところ、財団の運営の充実並びに文化・芸術の振興及び生涯学習の推進に寄与することを目的に平成29年の一般財団法人設立から運営費補助金を毎年支出しているが、現在の交付要綱には終期設定がされていない。
当財団が市に代わって文化振興の一翼を担っていることに一定の理解を示すものの、財政課が令和2年度に実施した補助金の見直し結果(判定コメント)にも「財団の自主的・自立的な経営を促し、適正な規模で補助事業の執行がなされるよう努めること」とあることから、終期設定について交付要綱の見直しを検討されたい。 - 運営費補助金の執行状況について、所管課では年一回の現地調査を行い、運営業務、事業の質、収支状況及びその他について個別の聞き取りや書類確認を行っているが、例えば、四半期または半期が経過した時点において、収支状況報告書や正味財産増減計算書など、部門別の収支がわかる中間決算資料を提出させることが望ましい。これは、数値でもって客観的に状況を確認することにより現金の流れを把握するとともに、財団に対する牽制効果が期待できることから、新たな確認項目の一つとして、調整を図られたい。
- 小牧市公民館及び小牧中部公民館の指定管理業務は、「小牧市教育委員会の権限に属する事務の一部を小牧市長の補助機関である職員に補助執行させる規則」第2条(補助執行させる事務)第1項第13号及び 14号において、「市長の補助機関である職員に補助執行させる」旨、規定されていることから、文化・スポーツ課がその事務を所管している。
この補助執行とは、事務の「手足」となることを意味するものであり、対外的に提示する行政庁(行政行為の主体)の名称は、教育委員会となり、権限と責任についても教育委員会にある。
しかしながら、指定管理業務の仕様書では、受託者は“教育委員会の承認を得て、あるいは教育委員会と協議し”などといった文言が幾度となく出てくるが、実際には補助機関である健康生きがい支え合い推進部が承認や協議をしており、教育委員会はその実状を把握していない。
どこまでが教育委員会の所管事務でどこからが健康生きがい支え合い推進部に補助執行させる事務なのか、行政庁である教育委員会と補助機関は補助執行する事務について確認のうえ、適切な事務に取り組まれたい。
財政援助団体等監査結果報告(一般財団法人こまき市民文化財団) (PDFファイル: 139.1KB)
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