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令和3年度工事監査結果報告

更新日:2022年03月31日

小牧市監査公表第8号

 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第4項の規定に基づき定期監査を実施したので、同条第9項の規定によりその結果について次のとおり公表する。

令和4年3月31日

小牧市監査委員 伊藤 二三
小牧市監査委員 加藤 晶子

定期監査の結果について(工事監査)

第1 監査の対象


1 φ300ミリメートル~φ50ミリメートル配水管布設替工事

2 入鹿出汚水枝線埋設管工事(21-1工区)

   (所管部課:上下水道部上下水道施設課)

第2 監査の期日

令和4年1月14日

第3 監査の方法

 小牧市監査基準に準拠し、令和3年度に施工中の工事から監査の対象とする工事2件(工事概要は別表のとおり)を抽出し、工事が適切かつ効率的に執行されているかについて、工事関係書類を調査するとともに、関係職員より説明を聴取し、工事現場の実地調査を行った。
 なお、監査に当たっては、工事技術に関する専門的知識を必要とするため、公益社団法人大阪技術振興協会の協力を得て、技術士による工事技術調査を実施した。

第4 監査の結果

 監査の対象工事2件について、工事の計画・調査・設計・仕様・積算・契約・施工管理・監理(監督)・材料検査等の各段階における技術的事項の実施状況はおおむね適正に行われていると認められた。しかしながら、工事関係書類の管理等において、一部の是正・改善を要する事項が見受けられた。
 なお、技術士による関係書類の調査及び現地調査において、技術水準の向上に資するためとして直接意見のあった事項については、改善に向けて取り組まれたい。

第5 技術士による調査結果(要約)

1 φ300ミリメートル~φ50ミリメートル配水管布設替工事

 本工事における計画・調査・設計・積算・施工管理・監理監督等の各段階における技術的実施状況については、計画の目的・施工理由などが的確に検討されており、施工計画書などに検討を望まれる箇所はあったが、概ね良好であった。

(1)書類調査における所見

 ア 工事着手前における技術調査事項

1. 設計図書については、設計委託業者の照査技術者が市に提出する前にチェックリストの項目に従ってチェックを行い、内容を確認することが望ましい。

2. 設計ではコスト削減・工期・安全などに配慮し、多数の工法を比較検討した上で比較表を作成し、最終決定されることが望まれる。

3. 特記仕様書には、指定機械に係る記載が必要と思われる。

イ 施工計画書

1. 組織表や施工体系図等に記述間違いがあるほか、工事施工内容の説明が十分になされていない箇所が見受けられたので、施工者、監理者ともに内容の精査が必要である。
 特に、土留工にアルミ矢板の使用を計画しているが、土留の設計計算書は標準的な条件にて作成するのではなく、当現場に則した条件の下で計算するべきである。

2. 使用機械と示された表の中に、本来指定機械として記載する機種が入っていたことは、公害防止などの認識が低いと思われる。また、機械の使用時期・使用台数を表に記載するよう指導されたい。

3. 段階確認報告書に現場試験・検査に該当する項目が記載されているが、段階確認は施工管理項目であり、段階確認を経て次の工程に進むことを目的としている。検査・試験の立会と区別して、段階確認の工種・時期・回数等をより詳細に記載するよう指導されたい。

ウ 工程管理

1. 出来高工程表(バーチャート)が実際の工程の状況と一致していなかった。工程表は工事内容に適した工程表とすることが望ましいため、バーチャートだけでなく工事内容に応じて、曲線式工程表やクリティカルパスが明確なネットワーク工程表なども検討されたい。また、この工事は雨水幹線整備工事が主体の工事であり、当該工事に必要な期間が確保出来ているか明確に記載すること。

(2) 現場施工状況調査における所見

 現場状況確認時点での工事進捗状況は、配水管の切り回しが完了し、雨水幹線の準備工事が予定通りに進められていた。当該工事の埋戻・仮舗装部は目立った沈下もなく、現場状況は良好であった。
 法定掲示物の掲示版が愛知県の基準に基づき車道に面して設置されているが、実用性を考慮した設置が望まれる。 

2 入鹿出汚水枝線埋設管工事(21-1工区)

 本工事における計画・調査・設計・積算・施工管理・監理監督等の各段階における技術的実施状況については、計画の目的・施工理由などが的確に検討されており、施工計画書などに検討を望まれる箇所はあったが、概ね良好であった。

(1)書類調査における所見

 ア 工事着手前における技術調査事項

1. 設計図書については、設計委託業者の照査技術者が市に提出する前にチェックリストの項目に従ってチェックを行い、内容を確認することが望ましい。

2. 特記仕様書において指定機械の明示及び、熱海市における土石流災害を教訓に土砂受け入れ承諾書及び特定事業変更許可書の添付を義務付けてもらいたい。

イ 施工計画書

1. 作業主任者一覧表の必要資格に、例えば、酸欠作業主任者や玉掛の資格者が記載されていない。さらに、工事施工内容の説明が不十分な箇所が見受けられるため、内容の精査が必要である。
 特に、土留工にアルミ矢板やクイック土留の使用を計画しているが、土留の設計計算書は標準的な条件にて作成するのではなく、当現場に則した条件の下で計算するべきである。

2. 指定機械及び使用機械と示された表の中に、指定機械及び使用機械が混在し、記入漏れも多く見られたことは、公害防止及び機械確保の検証を目的とすることの必要性の理解不足と思われる。また、機械の使用時期を表に記載するよう指導されたい。

3. 段階確認報告書に現場試験・検査に該当する項目が記載されているが、段階確認は施工管理項目であり、段階確認を経て次の工程に進むことを目的としている。検査・試験の立会と区別して、段階確認の工種・時期・回数等をより詳細に記載するよう指導されたい。

ウ 工程管理

1. 出来高工程表(バーチャート)の折れ線が工種ごとの構成比率の合計と整合せず、また、現場が止まっているのに出来高が上がっていた。工程表は工事内容に適したものとし、バーチャートだけでなく工事内容に応じて、曲線式工程表やクリティカルパスが明確なネットワーク工程表などを用いることも検討されたい。

(2) 現場施工状況調査における所見

 現場状況確認時点での工事進捗状況は、掘削土留施工場所をコンクリートカッターにて舗装切断を行っただけの状況ではあったが、切断後の路面状況や、掲示物の設置状況は問題なく、現場状況は良好であった。

第6 監査委員意見

 今回の技術調査では、設計、施工、監理において改善に向けた提案があり、いずれも設計から施工管理に至るまでの各段階において基本に忠実にあるべきということ、及び仕事の品質を追求していかないと完全な仕事になりきらないということである。
 これらのことは職員にのみ求められるのではなく、市内業者の育成という大名目があり、共に成長していくことにより小牧市全体が良くなっていくと考えられる。これらを踏まえ、より質の高い仕事となるよう努められたい。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査委員事務局 監査係
小牧市役所 東庁舎4階
電話番号:0568-76-1163 ファクス番号:0568-75-5714

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