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平成30年度病院事業会計決算審査意見

更新日:2019年09月17日

本ページは抜粋版です。

31小監第521号
令和元年8月1日

小牧市長 山下 史守朗 様

小牧市監査委員 伊藤二三
小牧市監査委員 舟橋秀和

 平成30年度小牧市病院事業会計決算審査意見について

 地方公営企業法第30条第2項の規定により、審査に付された平成30年度小牧市病院事業決算及び決算附属書類並びに関係書類を審査した結果、その意見は次のとおりである。

平成30年度小牧市病院事業会計決算審査意見

第1 審査の対象

平成30年度小牧市病院事業会計決算

第2 審査の期間

令和元年6月3日から令和元年7月31日まで

第3 審査の方法

 提出された決算諸表が地方公営企業法に基づいて作成され、平成30年度小牧市病院事業の経営成績及び財政状態を適正に表示しているか、また、会計処理の手続が適正になされているか、さらに、牽制機能が有効に作用しているかについて関係職員の説明を求めながら附属書類、総勘定元帳、関係諸帳簿と突合し、平成30年度に実施した定期監査及び例月出納検査の結果も参考として審査した。
 なお、貯蔵品(たな卸資産)の薬品については、年度末のたな卸に立ち会って計数を確認した。

第4 審査の結果

 市長から審査に付された決算諸表は、地方公営企業法及び関係法令に定められた会計諸規定に基づき作成され、その計数は正確であり、かつ、経営成績及び財政状態を適正に表示しているものと認められた。

第5 決算の概要

(省略)

第6 むすび

 決算の概要によると、入院・外来とも患者数の減少に加えて、新病院建設に伴い旧病院の一部が遊休資産となることで固定資産等の減損損失を計上したこと、及び経費として控除対象外消費税等の特別損益計上により、収益的収支において総収益が対前年度比1.1%増加したものの、総費用が22.7%増加したことで、平成30年度の純損益は4,663,456,561円の純損失となり赤字決算となっている。特に、特別損益を除いた経常収支でも、578,515,721円の経常損失となっており、主な要因としては、新病院に向けた器械備品の購入等に伴う控除対象外消費税の増加によるものである。また、患者数の減少では、旧病院の老朽化・狭隘化による施設の魅力の低下、さらに新病院建設と開院に向けた入院患者数の調整、新病院での予約制に向けての運用方針の実施及び国の施策である、高度な治療の必要のない者が個人の都合で通う患者への選定療養費を徴収する外来診療の見直しの影響によるものである。

 引き続き建設関連工事が予定されており、様々な課題を解決するため、多額の資金が必要であることから、しばらくの間は厳しい経営状況が続くものと考えられる。
 今後も引き続き急性期病院の役割を果たし、高度先進医療や今まで培った専門性の充実・強化、地域の医療ニーズに沿った安全で質の高い医療サービスの安定的・継続的な提供を図るとともに、より一層効率的かつ合理的な事業運営に取り組まれたい。
 なお、今後の事業運営に当たっては、次の事項に留意して取り組まれたい。

・ 尾張北部地域における中核病院として、他の医療機関などと連携し、適切な役割を果たしていくことを最重要課題として、公立病院改革ガイドラインに基づき制定した小牧市民病院改革プランの改訂版を策定するなど、収入増加・確保対策や経費削減・抑制対策の計画を基に中期的な経営計画による健全経営に努められている。しかしながら、計画目標を達成することは容易ではないため、時には経営計画にとらわれることなく、客観的数値に基づく分析を加えることで、早い段階で経営環境を見定め、良好となるよう、事務局を中心とし病院職員が一致団結して見直しを行うなど、一層の努力を重ねられるよう望むものである。

・ 地域医療支援病院として「病診・病病連携」を推進されており、地域医療機関からの紹介患者の受け入れ体制を整え、高度な医療や検査を中心に行われ、同時に、症状が落ち着いた患者については、地域の医療機関への逆紹介と定期的なフォローが行われてきた。特に平成30年度には、新病院の開院に向けて、PFM導入の準備が進められており、全予定入院患者に対しての看護師、薬剤師、及び事務職など多職種職員による入退院支援や、退院後の療養を担う事業者との連携強化など、患者の不安を取り除く新たな体制づくりが構築されている。今後も地域医療連携機能の充実を図り、地域包括支援センターや介護・福祉施設への患者情報の提供など、医療・介護・福祉への切れ目ないサービスを提供できる体制の整備を進め、関係機関との連携の強化に取り組まれたい。

・ 未収金対策として、3年間での実績による分析・評価を行うため、前年度から開始した弁護士による未収金回収委託、裁判所を利用した支払督促、受診時の支払相談の実施などに引き続き取り組まれており、その結果、前年度に引き続き、微増ながら収納率を上げているところである。
 医業未収金の解消は、患者の負担の公平と財源確保の観点から極めて重要な課題であり、引き続き、新たな未収の発生防止と未収金の早期回収に努められたい。

・ 最近の経営管理については、トップダウンのみならず、ボトムアップ思考が重要となってきており、管理職は、若手職員等が積極性を持てるよう、意識付けを促すための取組が必要となる。若手職員に、自ら現状を踏まえて、情報分析をする機会を与え、これまでの発想を変えさせ、さらに改善に結びつけることを実感できるような経験の積み重ねにより、若手職員のモチベーションを高めることにつなげられたい。

・ 新しい医療施設や高度医療機器が十分にその機能を発揮し、高度な先進医療を安定的に提供するため、職員一人ひとりのスキルの向上とともに、組織体制の強化を図ることが重要となる。
 新病院の運用については、多職種からなる各種ワーキンググループを通じて議論を深め、計画を実現してきた。さらに新病院での組織体制を充実させるため、新たに経営企画室、医療情報システム室などの設置の準備を進めてきた。また、必要な医療サービスの提供を維持していくため、医師、看護師をはじめとする専門性の高い医療従事者の確保及び定着に努められており、医療安全、感染対策、栄養サポート、認知症ケアなど、中心的な役割を担う医療チームの充実などに積極的に取り組まれている。

 今後も改革プランの基本理念・基本方針のもと、急性期医療を担う地域の基幹病院としての役割を果たすために、職員の経営意識の向上に取り組まれたい。

 詳しい内容については、平成30年度病院事業会計決算審査意見書をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査委員事務局 監査係
小牧市役所 東庁舎4階
電話番号:0568-76-1163 ファクス番号:0568-75-5714

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