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令和2年度水道事業会計決算審査意見

更新日:2021年10月01日

本ページは抜粋版です。

3小監第545号
令和3年8月5日

小牧市長 山下 史守朗 様

小牧市監査委員 伊藤 二三
小牧市監査委員 玉井    宰

令和2年度小牧市水道事業会計決算審査意見について

 地方公営企業法第30条第2項の規定により、審査に付された令和2年度小牧市水道事業決算及び決算附属書類並びに関係書類を審査した結果、その意見は次のとおりである。

令和2年度小牧市水道事業会計決算審査意見

第1 審査の対象

令和2年度小牧市水道事業会計決算

第2 審査の期間

令和3年6月7日から令和3年8月4日まで

第3 審査の方法

 審査に当たっては、小牧市監査基準に準拠し、提出された決算諸表が地方公営企業法に基づいて作成され、令和2年度小牧市水道事業の経営成績及び財政状態を適正に表示しているか、また、会計処理の手続が適正になされているか、さらに、牽制機能が有効に作用しているかについて関係職員の説明を求めながら附属書類、総勘定元帳、関係諸帳簿と突合し、令和2年度に実施した例月出納検査の結果も参考として審査した。
 なお、貯蔵品(たな卸資産)については、年度末のたな卸に立ち会って計数を確認した。

第4 審査の結果

 市長から審査に付された決算諸表は、地方公営企業法及び関係法令に定められた会計諸規定に基づき作成され、その計数は正確であり、かつ、経営成績及び財政状態を適正に表示しているものと認められた。

第5 決算の概要

 (省略)

第6 むすび

 決算の概要によると、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けた市民生活への支援として、外出自粛に伴って自宅で過ごす時間が増えたことで増加が見込まれる光熱水費のうち、水道料金の基本料金を一定期間免除するなど、市民サービスの向上に努められている。こうしたことから昨年度より給水収益は減収となったものの、一般会計からの繰り入れにより、本年度の純損益は前年度を上回り379,954,856円の純利益となっている。
 業務の実績としては、年間総配水量が2.3%、年間有収水量が1.9%それぞれ増加したものの、給水人口は昨年度より0.6%減少し、有収率は0.32ポイント低下し、県営水道依存率は1.39ポイント上昇している。また、有収水量1立方メートル当たりの供給単価は108円14銭に対して給水原価は114円15銭となり、差引き6円1銭の差損が生じている。ただし、これは基本料金を免除したことによるものであり、この分を一般会計からの補助金として316,126,100円繰り入れている。仮に基本料金の免除をしなかった場合の供給単価は124円90銭であるから、10円75銭の差益が生じることとなる。
 財政状態の良否を示す財務比率は良好な状態が維持されているものの、経営成績を判断する営業収益に対する営業利益率などの経営比率は、水道料金の基本料金を免除したことから低下している。

 日本経済は新型コロナウイルス感染症の影響による緊急事態宣言等の発出により、休業や営業時間の短縮など一部業種では人流抑制が行われたため、飲食店や旅館・ホテルなど個人向けサービスの経済活動が大きく落ち込んでいる。一方で、外出自粛により自宅内消費は拡大傾向が続いており、最近では製造業を中心に改善傾向にあるものの、有収水量の大幅な増加による増収は見込み難い。
 将来にわたって水道事業の経営を安定的に継続するため、持続可能な事業運営に向けた老朽施設の更新需要の把握や財政収支見通し、震災時の安定給水を踏まえた施設の耐震化や維持管理など、長期的視野に立った計画的な資産管理に取り組まれ、より一層効率的かつ合理的な事業運営を図られたい。
 なお、今後の事業運営に当たっては、次の事項に留意して取り組まれたい。

・ 令和2年度からの10年間を計画期間とする「小牧市水道事業ビジョン・経営戦略」では現状分析及び今後の事業環境の変化から、様々な課題が予測され、目指す将来像「安全な水でくらしをささえ、未来へつなぐ小牧の水道」を実現するため、理想像である「安全」「強靭」「持続」の3つの観点を基本目標として掲げ、事業を進めることとされており、その目標を達成出来るよう、経営の効率化・健全化に努められたい。

・ 水道料金の収納等の取扱いについては10月から民間委託されたことで繁忙期の集中的な人的資源導入等、これまで以上に円滑な業務遂行を図られた。併せて、口座振替促進のための窓口での案内や用紙のポスティング、コンビニ収納の周知など、納付しやすい環境の啓発に努めるとともに、未納者の早期の納付相談、給水停止及び分納不履行停水等を含めた滞納整理対策を実施されている。
 さらに、水道料金等取扱業務の委託化に伴い、職員が直接当該業務に関わる機会が減ることから、検針員向けの会議に同席し、業務改善を含め新たな知識を補うなど管理上求められるスキルの習得に取り組まれている。今後も、業務の進捗状況の確認や、必要に応じた早期介入を行い収納率の向上に努められたい。

・ 本市では、これまでに正規職員の削減、再任用職員の活用、検針や夜間・休日における水道施設運転管理の民間委託など、定員の適正化と人件費の抑制に取り組んだ結果、過去10年間で職員数の2割が減少した。しかし、このような状況では、新たなリスクが存在することも考えられる。
 内部統制については、これまでも想定されるリスクを基にして事前の対策が講じられているが、日頃から非常時においても業務が継続できるよう、技術力の継承や組織力の向上はもとより、総合的能力を身につけた人材の育成や組織体制の強化について努められ、職員の理解により差が生じることのないよう検証し、さらに精度を高められたい。
 併せて、長年の経験を持つ職員が有する技術やノウハウが若年層へ継承されるよう取り組まれたい。

・ 公営企業は、独立採算の原則に基づき経済性を発揮しながら、住民生活に身近な社会資本を整備し、必要なサービスを提供する重要な役割を果たすことが求められる。
 必要な住民サービスを将来にわたり安定的に提供していくことが可能となるよう、「小牧市水道事業ビジョン・経営戦略」の目標達成に向け、市民に分かりやすく説明し、理解をいただきながら取り組まれたい。

 詳しい内容については、令和2年度水道事業会計決算審査意見書をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査委員事務局 監査係
小牧市役所 東庁舎4階
電話番号:0568-76-1163 ファクス番号:0568-75-5714

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