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令和2年度病院事業会計決算審査意見

更新日:2021年10月01日

本ページは抜粋版です。

3小監第544号
令和3年8月5日

小牧市長 山下 史守朗 様

小牧市監査委員 伊藤 二三
小牧市監査委員 玉井    宰

 令和2年度小牧市病院事業会計決算審査意見について

 地方公営企業法第30条第2項の規定により、審査に付された令和2年度小牧市病院事業決算及び決算附属書類並びに関係書類を審査した結果、その意見は次のとおりである。

令和2年度小牧市病院事業会計決算審査意見

第1 審査の対象

令和2年度小牧市病院事業会計決算

第2 審査の期間

令和3年6月7日から令和3年8月4日まで

第3 審査の方法

 監査に当たっては、小牧市監査基準に準拠し、提出された決算諸表が地方公営企業法に基づいて作成され、令和2年度小牧市病院事業の経営成績及び財政状態を適正に表示しているか、また、会計処理の手続が適正になされているか、さらに、牽制機能が有効に作用しているかについて関係職員の説明を求めながら附属書類、総勘定元帳、関係諸帳簿と突合し、令和2年度に実施した定期監査及び例月出納検査の結果も参考として審査した。
 なお、貯蔵品(たな卸資産)については、年度末のたな卸に立ち会って計数を確認した。

第4 審査の結果

 市長から審査に付された決算諸表は、地方公営企業法及び関係法令に定められた会計諸規定に基づき作成され、その計数は正確であり、かつ、経営成績及び財政状態を適正に表示しているものと認められた。

第5 決算の概要

(省略)

第6 むすび

 決算の概要によると、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療機関の診療制限や患者の受診控え等の影響を受け、入院、外来とも延患者数は減少しているものの、院内感染防止対策の徹底や、手術支援ロボット「ダヴィンチ」の適用範囲を広げながら着実に実績を伸ばされたり、令和2年10月に大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療の承認施設として登録を受けてカテーテルによる大動脈弁治療(TAVI)を開始されたりと高度で質の高い医療の提供に取り組まれた。こうした取組により、医業収益は入院、外来とも昨年度を上回り、収益的収支において総収益が対前年度比7%増加した。
 一方で費用面では、医療情報システム等の減価償却費の増や、旧病院解体工事費等の特別損失計上により、総費用は対前年度比1.2%増となったため、令和2年度の純損益は1,114,090,376円の純損失となり、令和元年度に引き続き4年連続で赤字決算となっている。
 当面は赤字決算となる見込みではあるが、既存の計画を基にして、収入の増加・確保や経費削減・抑制に向けて一層の健全経営に努められるとともに、全ての病院職員が経営意識を持って業務に取り組むよう、意識改革を含めた業務の改善に努められたい。
 なお、今後の事業運営に当たっては、次の事項に留意して取り組まれたい。

・ 当院は尾張北部医療圏の中核病院として、地域包括ケアシステムにおける高度急性期及び一般急性期医療を提供する役割を担っており、ウェブサイト上では患者の症例に応じ、当院で提供が可能な専門的な医療情報を掲載して周知している。今後とも広報業務では病院の魅力発信を続け、集患力の向上に努められたい。

・ 平成27年に総務省から示された新公立病院改革ガイドラインでは「経営の効率化」、「再編・ネットワーク化」、「経営形態の見直し」、「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」の4つの視点に立った改革を目指しており、当院の「小牧市民病院改革プラン」もこの方針を基に策定している。当該プランの目標値の達成を目指すところ、令和2年度の決算見込みは、医業収益では当該プランの数値を下回ったが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組む保険医療機関に対する国・県補助金の交付があり、純損益では計画を上回る結果となっている。
 令和3年度からの新たな「小牧市民病院改革プラン」においても、これまでの4つの視点に立って計画を推進されるとのことであるが、PDCAサイクルによるプランの進行管理の徹底、プランの進捗状況についての情報共有や点検・再評価を一層図ることにより、当該プランが病院経営の健全化及び継続的かつ良質な医療提供に寄与するよう要望する。

・ 令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により患者数が減少する中で、尾張北部医療圏に潜在する患者の症例把握、それに対応可能な医療機関の分布等を考察し、当院での受入れを目指す「集患プロジェクト」を立ち上げ、診療科の協力のもと、医療機関へ訪問を行うなど、紹介患者の確保に取り組まれた。
 また、収益増に向けた取組として「指導記録の定型化と算定症例のルール化」を進め、退院時にベットサイドで実施するリハビリテーションの指導料算定については、整形外科医の協力のもと整形外科では完全な確保が可能となっている。
 このような患者数及び収益の確保に向けた取組については、それぞれの部署ごとに職員自ら取り組み、自ら考える風土を培い、収益確保や費用縮減を目指した経営体質の改善に取り組まれたい。

・ 安心安全な医療を提供するため、患者誤認防止については引き続き内部監査を実施し、不適格部署への指導や、改善計画の立案など、誤認防止の徹底を図っている。また、リスクマネージャー会議により情報を共有しやすい環境づくりを進められ、院内のインシデント報告件数も増加している。こうした取組を基にして、想定されるリスクに対し事前の対策を講じられているが、個々の職員の理解により差が生じることのないよう、リスクへの対応方策を再検証し、内部統制の精度をさらに高められたい。

・ 新型コロナウイルス感染症の影響で以前より職員への業務負担が増しており、今後も厳しい経営環境が続くことが想定されるが、病院の経営状況やコンプライアンスに対する職員の意識を高める働きかけを行い、医療機能の充実、病床利用率をはじめとする各種経営指標の底上げ、診療報酬請求の確保や医業未収金対策に向けて取り組まれたい。

 詳しい内容については、令和2年度病院事業会計決算審査意見書をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査委員事務局 監査係
小牧市役所 東庁舎4階
電話番号:0568-76-1163 ファクス番号:0568-75-5714

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