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令和元年度病院事業会計決算審査意見

更新日:2020年09月24日

本ページは抜粋版です。

2小監第567号
令和2年8月4日

小牧市長 山下 史守朗 様

小牧市監査委員 伊藤 二三
小牧市監査委員 稲垣 守

 令和元年度小牧市病院事業会計決算審査意見について

 地方公営企業法第30条第2項の規定により、審査に付された令和元年度小牧市病院事業決算及び決算附属書類並びに関係書類を審査した結果、その意見は次のとおりである。

令和元年度小牧市病院事業会計決算審査意見

第1 審査の対象

令和元年度小牧市病院事業会計決算

第2 審査の期間

令和2年6月8日から令和2年8月3日まで

第3 審査の方法

 監査に当たっては、小牧市監査基準に準拠し、提出された決算諸表が地方公営企業法に基づいて作成され、令和元年度小牧市病院事業の経営成績及び財政状態を適正に表示しているか、また、会計処理の手続が適正になされているか、さらに、牽制機能が有効に作用しているかについて関係職員の説明を求めながら附属書類、総勘定元帳、関係諸帳簿と突合し、令和元年度に実施した例月出納検査の結果も参考として審査した。
 なお、貯蔵品(たな卸資産)については、年度末のたな卸に立ち会って計数を確認した。

第4 審査の結果

 市長から審査に付された決算諸表は、地方公営企業法及び関係法令に定められた会計諸規定に基づき作成され、その計数は正確であり、かつ、経営成績及び財政状態を適正に表示しているものと認められた。

第5 決算の概要

(省略)

第6 むすび

 決算の概要によると、令和元年5月に新病院が開院した後、外来延患者数は減少したものの、入院延患者数は増加しており、特に医業収益では、地域連携の強化とPFM(Patient Flow Management)の導入により平均在院日数の短縮に努めるなど、入院・外来とも昨年度を上回り、収益的収支において総収益が対前年度比7.2%増加している。また、総費用において、対前年度比3.5%減少しているが、減価償却費の増額や、旧病院解体工事費等の特別損益計上により、事業費用が事業収益を上回り、令和元年度の純損益は2,338,535,645円の純損失となり、その結果、昨年度に引き続き3年連続で赤字決算となっている。特に、特別損益を除いた経常収支においては、1,900,603,598円の経常損失となっており、主な要因としては、手術に要する診療材料費等の高額材料費の増加、新病院に係る消耗備品・委託料等の経費の増加及び旧病院の器械備品等の除却による資産減耗費の増加によるものである。
 当院は、尾張北部医療圏の中核病院として、救急医療、高次医療、がん診療を中心とした医療を継続的に行う高度急性期及び一般急性期医療を提供する役割を担っている。
 新病院の開院後、今後しばらくの間は赤字決算となる見込みではあるが、「小牧市民病院改革プラン改訂版」により、収入増加・確保対策や経費削減・抑制対策の実現に向け、病院職員が一致団結し、経営意識の向上に取り組むなど、一層の努力を重ねられたい。
 なお、今後の事業運営に当たっては、次の事項に留意して取り組まれたい。

・ 小牧市民病院改革プランの計画期間が令和2年度で終了となる。引き続き、令和3年度からの新たな改革プランの策定に向けて、多様化する医療需要に対応した良質な医療を継続して提供していくため、経営計画のPDCAサイクルによる進行管理を徹底し、計画の進捗状況について他職種間での情報共有と定期的な点検・評価を行うことで、次代の改革プランが迅速かつ的確なものとなるよう要望する。

・ 新病院では新たな医療機器として、循環器系のカテーテル治療と外科手術が一つの部屋でできる「ハイブリッド手術室」の新設や、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入され、治療面での強化が図られている。また、新病院では、救命救急センターの拡充等による急性期医療の強化や、がん医療のための医療機能の充実などが図られた。さらに診察室や待合、各種検査室は外来患者に配慮した機能的な配置がなされ、病室は個室を29室増やしたほか、4床室を最大とし、各ベッドが窓に接するようにするなど、入院患者の療養環境も改善されている。
 これにあわせて新病院の開院に向けてプロポーザル方式による院内清掃委託等の見直し、新たな電子カルテの整備等による医療情報システムの再構築や、SPDの拡充による物品の適正管理等を通し、業務の効率化及び省力化に取り組まれている。
 今後は病床利用率や入院診療単価をはじめとする各種稼働指標の底上げを行うと共に、適正な診療報酬請求や医業未収金の削減等、収益確保に向けた様々な取組が不可欠となる。病院改革プランの新たな見直し策定にあたっては、委託内容等の十分な検証による仕様の見直しや、器械備品等の調達費用のさらなる抑制に取り組む等、費用縮減に努められたい。

・ 内部統制については、これまでも想定されるリスクを基にして事前の対策が講じられているところであるが、内部統制に「整備上」又は実際の「運用上」の不備がある場合には、内部統制が有効に機能していない原因について検討した上で是正又は改善に努められたい。
 さらに、必要な医療サービスの提供を維持していくためには、医師、看護師をはじめとする専門性の高い医療従事者の確保及び定着が求められることから、引き続き、各職員が最大限に能力を発揮できるよう、人材育成と適正配置、働きやすい職場環境の整備に努め、きめ細かな医療サービスの提供や経営の効率化につなげられたい。

・ 令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響で、外来患者が感染を懸念して受診を控える傾向にあり、感染の広がりを抑えるため人間ドック等の各種健康診断の一時中止、再開後にあっても通常より抑えた数での実施とされていることなど、今後も治療に訪れる患者が以前の状態になり得るとは言い難く、全国的に病院経営は厳しい状況が続くものと懸念される。
 当院は、4月に診療棟の横に患者用の東ロータリーの整備が完成し、11月にはバス、タクシー専用の南ロータリーとコンビニが整備され、さらに令和3年度には診療棟東側に立体駐車場が整備される予定である。「小牧市民病院」ならではの『無我夢中に楽しく働く』という本来の在り方を踏まえて、そこで働く職員全員が、長期化の恐れがある新型コロナウイルス感染症への対応と院内感染防止対策の徹底により、期待される以上の医療サービスの提供を行うことで多くの患者が安心して治療を受けられるよう、職員の意識が醸成されることを要望する。

 詳しい内容については、令和元年度病院事業会計決算審査意見書をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査委員事務局 監査係
小牧市役所 東庁舎4階
電話番号:0568-76-1163 ファクス番号:0568-75-5714

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