令和8年施政方針(第1回定例会)

更新日:2026年03月09日

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はじめに

令和8年小牧市議会第1回定例会の開会に当たり、市政運営に関する私の所信を申し述べます。
私は、本年2月22日執行の小牧市長選挙を経まして、小牧市長として小牧市政の舵取りを担うこととなりました。
市長の職に就くに当たり、強く感じているのは、新しい市政を始めるという思い以上に、これまで積み重ねられてきた市政を、責任をもって引き継ぐという覚悟でございます。
小牧市は、昭和30年に小牧町・味岡村・篠岡村が合併して誕生し、昭和38年に北里村と合併し現在の市域となりました。農業依存からの転換と財政基盤の確立のため、企業誘致にご尽力された先人をはじめ、歴代市長、市議会、市職員、そして地域の皆様の不断の努力によって、今日の豊かな財政基盤を築いてきました。
これまでの歩みは、挑戦と努力の積み重ねの結晶であります。私はまず、その歴史に深い敬意と感謝を表します。
一方で、私たちが直面している現実は厳しいものです。人口減少と少子高齢化の進行、物価高騰や人手不足、猛暑や自然災害の激甚化、そして生成AIをはじめとする技術革新。社会の前提が大きく変わる中で、自治体経営にはこれまで以上の判断力と実行力が求められています。
昨年、小牧市は市制施行70周年という大きな節目を迎えました。市民参加型の記念式典、将棋の第66期王位戦、中学生によるこども議会など、世代を越えて市民がつながる取組は、前市政が大切にしてきた理念がまちに根付きつつあることを示しています。
私は、この市制70周年を「振り返り」で終わらせるのではなく、次の世代へ確実につなぐための出発点と捉えています。
前市政が築いてきた土台を尊重し、継承し、その上に時代の要請に応じた改革と挑戦を重ねていく。それが、今後の小牧市政の基本姿勢であり、私に課せられた使命であると考えています。

市政運営方針

市政運営に当たっては、市の最上位計画に基づき、前市政が積み上げてきた成果を生かしながら、未来に向けて持続可能な形へと発展させてまいります。
その軸として、引き続き三つの都市ヴィジョンを市政運営の柱に据えます。
1 こども夢・チャレンジNo.1都市
小牧市がこれまで大切にしてきた「こどもを中心に据えたまちづくり」は、市制70周年の取組にも表れるなど、確かな成果を上げてきました。こどもたちが主体的にまちと関わる姿は、次代を担う人材が育ちつつあることを示しています。
私は、この流れを一過性の施策ではなく、まちの価値そのものとして定着させていきたいと考えています。
質の高い保育・教育環境を整え、家庭環境や世代を問わず、すべてのこどもが夢を描き、挑戦できること。それは子育て政策であると同時に、将来の小牧を支える最も重要な投資でもあると考えます。
こどもを安心して育てられるまちは、若い世代から選ばれます。
この都市ヴィジョンを通じて、次世代へ誇れる小牧市を確実につくり上げてまいります。
 
2 健康・支え合い循環都市
前市政において、小牧市は「健康」と「支え合い」を大きな柱に据え、市民一人ひとりが自らの健康に向き合い、地域で支え合う仕組みづくりを進めてきました。
私は、これらの取組をさらに発展させ、安心が制度としてだけではなく、循環できるまちを目指します。
高齢者だけでなく、すべての世代が地域の一員として役割を持ち、支え合うこと。
人口構造が変化する時代だからこそ、行政だけに頼らない、地域の力を生かした「まち」の実現が不可欠です。
支え合いが自然に生まれる小牧市を、次の段階へ進めてまいります。
 
3 魅力・活力創造都市
小牧市の発展を支えてきたのは、産業集積と雇用、そして職住近接という都市構造です。
私は、この強みを最大限に生かし、企業誘致による雇用創出から定住、消費、にぎわいへとつながる好循環を、持続的に回していく市政を進めます。
職と住が調和し、豊かな暮らしを育む。
その積み重ねが、市民一人ひとりの誇りとなり、外からも選ばれるまちにつながります。

予算編成方針

令和8年度予算は、歳入面においては、市税収入は増収の見込みであるものの、物価高騰や人件費の上昇、米国の通商政策が企業に与える影響は依然不透明であり、今後の収入見通しは楽観できません。歳出面では、少子高齢化の進展による社会保障関連経費の増加に加え、国の政策の影響による地方負担額の増加、物価高騰や人件費の上昇が委託料を始め様々な経費の上昇圧力となっています。このような現下の厳しい状況を踏まえつつも、安全・安心・快適な市民生活を最優先とし、健全財政の維持と各分野間のバランスに十分留意しながら、効果的・効率的で持続性が高い自治体経営を着実に推進できるよう編成したところであります。
それでは、令和8年度当初予算案を中心に、「小牧市まちづくり推進計画第2次基本計画」の体系に沿って、「市政戦略編」「分野別計画編」「自治体経営編」の順に、各事業の方針をご説明申し上げます。
<市政戦略編>
まず、市政戦略編であります。
はじめに、戦略1「すべてのこどもたちが夢を育みチャレンジできる環境を創出」であります。
本市の誇る「子育て支援が充実している」姿を一層高めるため、家庭環境や境遇に関わらず、すべてのこどもたちが夢を育み、その夢へのチャレンジをまち全体で応援する環境を構築するとともに、来るべき未来社会を見据え、こどもたちが社会の変化とともに自らを成長させ続け、生き抜いていける確かな力を身につけるための環境を整備してまいります。
次に、戦略2「“健康・生きがいづくり”と“支え合いの地域づくり”の循環により、自分らしくいきいきと安心して暮らすことができる「活力ある高齢社会(小牧モデル)を構築」であります。
人生100年時代の到来に備え、誰もが安心して暮らし続けることができる幸せな高齢社会を実現するため、市民の健康・生きがいづくりを応援し、市民の皆様とともに支え合いの地域づくりを進め、「健康」と「支え合い」が地域内で循環する小牧モデルのまちづくりを、これまで以上に推進してまいります。
次に、戦略3「『住みたい』『働きたい』『訪れたい』魅力あふれる小牧を創造」であります。
市民の愛着や誇りを醸成し、市内外から支持される魅力あるまちづくりを進めるとともに、本市の強みであるバランスの良い産業集積を持続的に高め、企業の新事業展開や生産性の向上を支援し、将来にわたって経済・雇用・財政の基盤が確立された活力あるまちを構築してまいります。
 
<分野別計画編>
次に、分野別計画編についてであります。
(安全・環境)
安全・環境につきましては、災害時の避難所環境改善や食糧備蓄量の拡充、カーボンニュートラルの実現に向けた省エネ・再エネの普及促進などに取り組んでまいります。
(健康・福祉)
健康・福祉につきましては、生涯にわたって健康で生き生きと暮らすことができ、誰もが相互に人格と個性を尊重し合う、地域共生社会の実現を目指してまいります。
また、非常に厳しい経営環境にある市民病院につきましては、経営改善に向けた取組を進め、引き続き安全で良質な医療の提供に努めてまいります。
(教育・子育て)
教育・子育てにつきましては、こどもたちにとってより望ましい教育環境を実現するために、学校再編は避けられないものであります。こどもたちに安全・安心な、学びと育ちの環境を整備してまいります。
(文化・スポーツ)
文化・スポーツにつきましては、性別や国籍にかかわらず互いを尊重し合うとともに、生涯を通じてまなび、心豊かに過ごすことができる環境を提供してまいります。
なお、本年9月から10月にかけて、アジア最大のスポーツ大会の祭典「第20回アジア競技大会」のバレーボール競技がパークアリーナ小牧で開催されます。アジア各国からお越しになる多くの選手や観客の皆様を、市を挙げておもてなしするとともに、本市のスポーツ振興や国際交流など多様なきっかけを創出してまいります。
(産業・交流)
産業・交流につきましては、市の強みや特性を活かして産業力を高めるとともに、郷土の歴史や地域資源の魅力を市内外に発信してまいります。
(都市基盤・交通)
都市基盤・交通につきましては、近年各地で道路陥没や水道管の漏水が発生しておりますが、老朽化したインフラの修繕や更新は本市においても喫緊の課題であります。
災害に強く、安全で暮らしやすいまちの整備に取り組んでまいります。
<自治体経営編>
最後に、自治体経営編につきましては、効率的・効果的な行政運営を推進し、市民にとって利便性や質の高いサービスを提供してまいります。
本市は、昭和55年以降「普通交付税の不交付団体」であり、先人のご努力により多くの企業が立地し、豊かな税収に支えられて健全財政を維持してまいりました。
しかし、近年では、扶助費や人件費の伸びが税収の伸びを上回る状況が続いていることに加え、著しい物価上昇により、本市の様々な事業運営に大きな影響が出ております。
さらには、国が国の責任において行う施策でありながらその財源が普通交付税措置とされ、実質的に不交付団体への負担の転嫁となるものや、国庫補助金の算定などで不交付団体の補助率が引き下げられるといった、本来の普通交付税の機能と関係のない不利益な取り扱いが累積し、本市の財政を圧迫しています。
このような、決して良好な展望が望めない状況においても力強く市民の生活をお支えしていくためには、行政改革のスピードをさらに上げていく必要があります。改革の中には短期的には市民サービスの向上に逆行する部分もあり得ることから、市民の皆様の一層のご理解を頂戴しつつ、将来の小牧市に必要となる事業についてより高い効果を得られる財源配分とするとともに、財政状況の改善に取り組んでいかなければならないと考えております。
以上、令和8年度予算にかかる各事業の方針について、「市政戦略編」「分野別計画編」「自治体経営編」の順にご説明申し上げました。
<令和8年度予算規模>
令和8年度の予算といたしましては、市長就任から第1回定例会開会まで極めて短期間ではありますが、継続中の重要事業や、市民の皆様の生活に影響が大きい事業等が停滞することなく進められるようしっかりと盛り込み、編成いたしました。
この結果、一般会計の予算規模は、対前年度当初比3.3%増の726億8,000万円となり、過去最大規模の当初予算となりました。また、一般会計、特別会計及び企業会計を合わせた全会計の総額は、対前年度当初比2.2%増の1,401億3,600万円余となりました。
以上、令和8年度当初予算案の概要についてご説明申し上げました。

結びに

繰り返しになりますが、小牧市の現在は、先人の挑戦と、前市政を含む歴代の市政運営、そして市民の皆様の日々の営みによって築かれてきました。私は、その歩みを大切に受け継ぎ、時代の変化に即した形で発展させていく決意です。
一方で、人口減少や少子高齢化という厳しい現実に挑みながらも、夢を育て、健康を守り、活力を生み出す市政を止めることはありません。
そのためには、市役所自身が常に進化する必要があります。市役所のDXと業務の合理化を進めるとともに、職員が能力を発揮できる環境づくりを通じて行政力を高め、変化に柔軟に対応できる自治体経営を実現してまいります。
これは単なる経費削減を目的とするものではなく、市民の皆様により質の高いサービスを安定的に提供するための改革であります。
全世代が安全で安心して暮らし続けられる「選ばれるまち小牧」を、市民の皆様とともにつくり、次世代へ確実につないでいく。その決意のもと、市政運営に全力で取り組んでまいります。
議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げ、私の施政方針といたします。
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市長公室 広報広聴課 情報メディア係
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