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令和5年施政方針(第1回定例会)

更新日:2023年02月24日

00:03 はじめに
02:57 新型コロナウイルス感染症対策
08:32 市政運営方針
15:12 予算編成方針
17:47 市政戦略編
35:29 分野別計画編(安全・環境)
39:10 分野別計画編(健康・福祉)
43:59 分野別計画編(教育・子育て)
53:06 分野別計画編(文化・スポーツ)
56:03 分野別計画編(産業・交流)
58:48 分野別計画編(都市基盤・交通)
01:02:43 自治体経営編
01:08:14 令和5年度予算規模
01:10:40 結びに

はじめに

令和5年小牧市議会第1回定例会の開会にあたり、市政運営に臨む 私の所信を申し述べますとともに、令和5年度当初予算案につきまして、主要な施策とその概要をご説明申し上げ、議員各位、ならびに15万余市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたしたいと存じます。

私は、去る2月5日に執行されました4年に一度の市長選挙におきまして、市民の皆様より、引き続き、大切な小牧市の市政運営を担わせていただくことへのご信任をいただきました。

今回、私にとりましては、過去最多となる3万3903票という大変多くの票を与えていただき、その重みに、改めて身の引き締まる思いであります。

今回の選挙は、4期目ということで、私自身も申し上げてきた多選の是非の議論もありましたが、そのこと以上に、市民の皆様には、私が皆様とともに進めてまいりました3期12年の市政運営に対する確かなご評価をいただけた結果であると感じております。同時に、現在進めている市政の方向性、方針については、私は、小牧市は未来に向かって正しい方向に一歩一歩着実に前進しているとお訴えをしてまいりましたが、市民の皆様には、今の方向性、今の方針で市政を更に前に進めていくことについてのご信任をいただけたものと受け止めております。

小牧市政の責任者として、決意を新たにし、議員各位をはじめ市民の皆様のご支援や職員の協力を得て、引き続き誠心誠意、全力を尽くし、その重責を担ってまいりたいと存じます。

また、今回の選挙で特にお訴えをしました、様々な地域行事の再開や支え合い活動の再活性化など、コロナ禍からの地域の回復、正常化をしっかりと進めるとともに、今回お約束をしたマニフェスト51項目については、そのほとんどの項目について、本日提案します令和5年度当初予算に関係予算を計上し、すでに準備を進めているところであります。スピード感をもって進めてまいります。

議員各位ならびに市民の皆様の、より一層のご指導とご協力を心からお願い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策

それでは、はじめに、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

令和2年4月に、本市で初めて新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されて以来、瞬く間に感染が拡大し、本市においても流行の波が繰り返されてきました。

これまで丸3年にわたる様々な社会活動の制限は、経済や市民生活に深刻な影響を及ぼしてきました。市政運営においても、様々な分野で事業の中止や延期を余儀なくされ、分野によってはこれまで積み上げてきた施策の効果を打ち消すなど、その影響は甚大であります。

さらに、昨年2月に突如として始まったロシアによるウクライナ侵略、そして、世界的インフレや円安に伴う原材料価格等の高騰により、市民の皆様や事業者の方々も大変大きな影響を受けています。

本市は、県内の自治体で最も早くロシアへの非難決議を行うとともに、コロナ禍における原油価格・物価高騰対策として、国と連携した低所得者・生活困窮者支援はもとより、多くの市民および事業者の負担軽減に資する水道料金の基本料金免除をはじめ、小中学校給食費の無償化、こども一人当たり1万5千円の子育て世帯臨時特別給付金の支給など市独自の生活支援策を重層的に展開してまいりました。

小牧市としては、まずは市民の安全・安心が最優先であり、支援を必要としている市民、本当に困っている市民に寄り添い、迅速に手を差し伸べることを第一に考え、対応してきたところです。

また、人と人との“つながり”が断たれる中、自治会やコミュニティ活動、文化・スポーツ・生涯学習、そして地域福祉や支え合い活動等においても、大きな制約を受けてきました。

そうした中、昨年は、ようやく3年ぶりに行動制限がないお盆や年末年始となり、本市においても、社会経済活動を促進する動きが徐々に加速し、年後半には、規模を縮小するなど感染防止対策を徹底しながらも「こまき令和ミニ夏まつり」を皮切りに、「こまき信長夢夜会・小牧山薪能」、「小牧市民まつり」、「市民駅伝競走大会」等を、そして年が明けた1月には「小牧シティマラソン大会」を開催することができ、コロナ禍以前に行われていた行事を、少しずつ再開できるようになってまいりました。

しかしながら、コロナ禍で傷ついた地域のコミュニティ活動などは、未だ十分回復しておらず、目下の大きな課題であります。

過去から綿々と紡いできた地域のつながり、本市ならではの文化やコミュニティなど私たちの生活の礎である大切なものを、このコロナ禍で永久に失ってしまうことのないよう、市民の皆様と力をあわせて、地域のお祭りや交流事業、地域福祉や支え合いの活動等を再開し、コロナ禍以前に行われていた地域の諸行事、そして市民のつながりを取り戻すことが今、最も重要であり、市としてもそのための支援に最大限の努力を行ってまいります。

新型コロナウイルスは、これまで何度も変異しながら、流行の波を繰り返してきましたが、現在は、第8波の新規陽性者数が昨年の12月にピークとなり、年が明けて1月以降は減少している状況です。

そこで、国は、オミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現する等の特段の事情が生じない限り、令和5年5月8日からは感染症法上の新型インフルエンザ等感染症相当に該当しないものとし、5類感染症に位置づけられることになりました。

しかしながら、位置づけの変更によって新型コロナウイルス感染症の特徴が変わるわけではないため、今後も感染がまん延することを想定し、引き続き、高齢者や基礎疾患のある方など重症化リスクの高い方を守ることを念頭に置かなければなりません。市民の皆様におかれましては、今後とも、それぞれ感染防止対策に努めるとともに、ワクチン接種等にご協力をお願いいたしたいと思います。

一方で、国は「マスク着用の考え方の見直し等について」の通知文を発出し、個人の主体的な選択を尊重し、マスク着用は個人の判断に委ねることを基本とすることとなりました。マスクをつけたい方も、体質等の理由でマスクをつけられない方もいらっしゃいますので、市民の皆様には、お互いの立場を尊重しつつ、思いやりをもって行動していただきますようお願いいたします。

市政運営方針

次に、市政運営方針であります。

私は、これまで「改革と創造の市政」「チャレンジする市政」を掲げ、将来を見据えた様々な改革と積極的な施策展開で、小牧市の明るい未来につながる新たなチャレンジに全力を注ぎ、信念とスピード感をもって市政を運営してまいりました。

そして、小牧市民憲章に掲げる理想のまちを実現するため、自治基本条例に基づいて策定した「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」において、3つの都市ヴィジョン『こども夢・チャレンジNo.1都市』『健康・支え合い循環都市』『魅力・活力創造都市』をまちづくりの機軸として掲げるとともに、“誰一人取り残さない”持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すSDGsや、性別・人種・国籍・年齢・障がいの有無などの多様性を活かすダイバーシティの考えも包含しつつ、多様な市民と行政の協働により、小牧市の強みを活かしたまちづくりを進めてきたところです。

市長として4期目に入った今、その取組を一層加速させ、「こどもが夢を育み、高齢者や障がい者をはじめ誰もが安心して暮らせる、持続可能で、魅力と活力あふれる夢ある小牧市」の実現に向けて、更に全力で取り組んでまいる所存であります。

まず、都市ヴィジョン1の『こども夢・チャレンジNo.1都市』については、平成27年の市制60周年に際し、議会で議決された“都市宣言”であり、その実現に向けて、市民や企業、大学等との連携・協働により、まち全体でその取組を進めているところであります。

『こども夢・チャレンジNo.1都市』は、単に「子育てのまち」を目指すものではなく、こどもの夢への挑戦を地域全体で応援することで、いわゆる“こども真ん中社会”を実現するとともに、こどもを中心に世代を越えて市民がつながり、支え合うことにより、すべての世代、すべての市民が暮らしやすいあたたかいまちとなることを目指すものであります。

この都市宣言の理念を基に提案した構想が認められ、令和3年5月には内閣府から尾張地域で初となる「SDGs未来都市」に選定されたことから、こどもの夢への挑戦をまち全体で応援していく取組を更に加速させ、こどもを中心に市民がつながり、すべての世代、すべての市民が暮らしやすい、持続可能な小牧市を実現してまいります。

また、都市ヴィジョン2の『健康・支え合い循環都市』は、高齢化が急速に進む我が国において“活力ある幸せな高齢社会”を実現する「小牧モデル」として、生涯学習やスポーツなど様々な学びや活動の場を通じて、生涯にわたる健康づくりを支援し、人生100年時代にふさわしい健康寿命の永い元気な高齢者を育むとともに、そうした高齢者が地域づくりの担い手となり、地域での支え合い・助け合い活動を活性化することによって、更に市民の健康を促進し、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまちを目指しているものです。

「健康・生きがいづくり」と「支え合いの地域づくり」に力を注ぎ、「健康」と「支え合い」の地域内循環を進め、「お互いさま」の心で支え合う、あたたかい小牧市を実現してまいります。

そして、都市ヴィジョン3『魅力・活力創造都市』は、本格的な人口減少社会に突入し、限られた人口を奪い合う自治体間競争が激しさを増す中、若い世代の更なる減少が懸念されていることから、若い世代や子育て世代の皆様が住みたい、住み続けたいと思える魅力あるまちづくりを進め、将来にわたる地域の活力向上を目指すものであります。

本市は、市のシンボル小牧山が織田信長公の天下統一の夢への第一歩の地であることから、『夢・チャレンジ 始まりの地 小牧』をブランドコンセプトとし、“子育てしやすいまち”と“史跡小牧山”をブランドの柱としているところであります。市民の皆様が「住み続けたいと思うまち」「愛着や誇りを感じるまち」を目指して「シビックプライド」の醸成を図るとともに、本市の魅力を市内外に広く発信していく「都市ブランド戦略」をより一層推進してまいります。

中心市街地につきましては、一昨年、小牧駅前の新しいシンボルとして「小牧市中央図書館」と「こまきこども未来館」がオープンし、にぎわいの創出やまちの活性化に向けて、市民の皆様とともにグランドデザインを描き、再スタートを切っております。市のシンボル小牧山の新たな整備も進めており、今後はこれらの取組を着実に実行していくことで、まちの魅力や暮らしやすさの向上を図るとともに、都市ブランド戦略と合わせて、「若い世代や子育て世代の転入・定住促進」に向けて本市に対するイメージアップと、市民の愛着や誇りの醸成につなげてまいります。

更に、新たな企業の誘致や市内企業の設備投資、中小企業の新事業展開やDX、生産性革命などを支援し促進することで、地域経済の強靭化を図り、バランスの良い産業集積を今後も持続的に高め、小牧市の強みである経済・雇用・財政の基盤を将来にわたって維持し、未来に輝き続ける活力ある小牧市を実現してまいります。

予算編成方針

次に、令和5年度予算編成についてであります。

本市の財政状況でありますが、少子高齢化の進展に伴う社会保障関連経費や、公共施設の建替えや改修に要する費用など、年々増加する経費の状況に加え、近年の制度改正や国の政策に伴う支出の増加が普通交付税の不交付団体である本市の財政を圧迫しており、財政は年々厳しさを増しています。

更に、燃料費高騰に伴う光熱費や原材料費上昇等に伴う各種経費負担が増加しておりますので、厳しい財政状況に拍車がかかっているところであります。

このような中、安全・安心・快適な市民生活を最優先としつつ、健全財政の維持に十分留意し、より一層の行財政改革を進めることが必要不可欠でありますので、令和5年度の予算編成にあたっては、「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」を推進し、行財政改革の取組を更に力強く進めるよう努めるとともに、限られた財源を最大限有効に活用するため、施策全般にわたり各事業の緊急度・重要度を見極め、事務事業の見直しと経費の節減合理化を行うことにより、重要施策に対して重点的に予算を配分いたしました。

また、SDGs未来都市に選定された尾張地域初の自治体として、“誰一人取り残さない”持続可能で多様性と包摂性のある小牧市の実現に向けて十分に意を配するとともに、議員各位や市民の皆様からいただいたご意見、ご要望を十分に検討した上で可能な限り市政に反映し、皆様のご期待に十分応え得るよう編成したところであります。

それでは、来年度の主要な事業と施策の概要について、以下、令和5年度当初予算案を中心に、「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」の構成にあわせて、「市政戦略編」の3つの戦略、「分野別計画編」の6つの分野、更に「自治体経営編」の順にご説明申し上げます。

<市政戦略編>

まず、市政戦略編であります。

戦略の第一、「来るべき未来社会を見据えて、すべてのこども達が夢を育み、チャレンジできる環境を創出」についてであります。

小牧市の誇る「子育て支援が充実している」姿を一層高めるとともに、未来社会を見据えて、更に高い地域の姿として「こどもの夢を育み、夢へのチャレンジをみんなで応援するまち」「こどもを中心にすべての世代がつながっているまち」、そして、「すべての世代が暮らしやすい、あたたかい支え合いのまち」を目指してまいります。

すべてのこども達が夢を育み挑戦できるよう整備しました「こまきこども未来館」は、開館2年で約39万人の方にご来館いただいており、市内外の多くのこども達を受け入れています。

また、夏休みに開講しました「こまきこども未来大学」では、25の企業や団体に参画いただき、多彩な講座を実施することで、こども達の夢への挑戦をまさに「みんなで」応援する体制を整えてきたところであります。「こまきこども未来館」は、本市の新たなランドマークとしてテレビや新聞等に多く取り上げていただいており、今後も、本市の充実した子育て環境を市内外に強力に発信するとともに、こどもを中心に世代を越えて市民がつながる「こども夢・チャレンジNo.1都市」の理念を体現する施設としてステップアップを図ってまいります。

トップアスリートによる「夢先生」を市内全小学校に派遣する「夢の教室」につきましては、平成26年の事業開始以来1万名を超える児童が参加し、本市の夢・チャレンジを推進する事業として定着してまいりました。令和5年度については、コロナ禍で開催できなかった学年も対象とし、引き続きこどもたちの健全な心身の成長を図ってまいります。

また、十分な学習環境に恵まれない中学生を対象とした、無料の学習塾「駒来塾」についても、元教員の方や大学生などの協力を得て、市内全域の4教室で実施し、基礎学力の定着に向けた支援を継続してまいります。

更に、経済的に恵まれない家庭から高等学校等への進学を希望する生徒を対象とした育英資金の支給枠を拡大するほか、生活保護受給者や児童養護施設等入所者に対して、大学等への進学を応援する交付金制度を創設し、家庭環境や境遇に関わらず、すべてのこどもが希望する教育を受けられるように支援する小牧市独自の体制を整備してまいります。

妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない子育て支援を行う「子育て世代包括支援センター」では、助産師を増員し、妊娠・出産・産後の切れ目のない相談体制を充実するとともに、妊娠時に「たまごギフト」、出産後に「ひよこギフト」を交付する経済的支援も一体的に進めることとし、「すくすく子育て応援事業」として拡大実施することで、すべての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てできる環境の充実を図ってまいります。

Society(ソサエティ)5.0を見据えた教育の推進」につきましては、小中学校におけるデジタル機器を活用した授業が円滑に展開できるよう、小学校の教科書改訂にあわせて、教師用のデジタル教科書を更新してまいります。ICTの活用により、こどもたちが情報を収集し活用する能力を伸ばし、Society(ソサエティ)5.0の時代に自ら未来を切り拓いていくことができる力を育む教育を進めてまいります。

戦略の第二、「“健康・生きがいづくり”と“支え合いの地域づくり”の循環により、自分らしくいきいきと安心して暮らすことができる 『活力ある高齢社会(小牧モデル)』を構築」についてであります。

加速する高齢化の問題に対応し、高齢者が安心して暮らし続けることができる幸せな高齢社会を実現するためには、市民の健康・生きがいづくりを応援し、市民の皆様とともに支え合いの地域づくりを進め、高齢者をはじめとする市民の「健康」と「支え合い」が地域内で循環する「活力ある高齢社会」を築いていくことが重要であり、市長就任当初より目指すまちの姿として掲げ、その実現に向け精力的に取り組んでまいりました。

市民の健康寿命の延伸に向けては、フレイル予防を実施するため、フレイルチェックの測定会等に専門職を派遣するほか、本年度からスタートしております口腔がん検診については、令和5年度は実施回数を増加し、口腔がんの予防、早期発見・治療を促してまいります。

地域の絆を強化するとともに、地域活動を活性化し、支え合い・助け合いの地域づくりを推進するため、小学校区単位を基本として設立を目指しております地域協議会につきましては、これまで全16小学校区のうち13小学校区において設立され、活動に取り組んでいただいているところであります。

地域協議会の活動は、コロナ禍によって大きな影響を受けましたが、今年度にコロナ禍からの回復に向けて、多くの協議会が活動を再開する中で、地域の高齢者を支える活動や学区防災訓練など地域課題の解決を図るための事業のほか、地域住民によるイベント、発表会といった交流・つながりの場づくりとなる事業などを数多く実施されており、支え合い・助け合いの地域づくりの歩みは、コロナ禍で潰えることなく、市民の熱意あるご努力によって着実に進んでいる手応えを感じています。

地域での支え合い・助け合い活動の重要性は増していますので、更なる活動の活性化に向け、すでに設立されている地域協議会の活動支援を行っていくとともに、設立に至っていない地域に対しましては、説明会の開催や地域の課題を話し合う場づくり等を通じて、設立の推進を図ってまいります。

一方、自治会では、新型コロナウイルス感染症の影響により、夏の盆踊りや秋まつりなどの恒例行事を中止せざるを得ない中、そうした行事を今年度まだ再開できていない地域が多い状況です。そうした行事やイベントが引き継がれることなく廃れてしまうと、地域のつながりや活力が失われてしまうと危惧しております。そこで、「自治会活動再開支援交付金」制度を創設し、地域交流行事に対して補助してまいります。

更に、地域において意欲的に活動いただいている老人クラブや、ふれあいいきいきサロンに対しても、コロナ禍からの回復に向けた追加の取組に対して、補助を増額するなど、これまで以上に支援を行ってまいります。

団塊の世代の方々が75歳以上の後期高齢者となり、高齢化が本格化する「2025年問題」が目前と迫る中、昨年10月から要介護1以上の方に対する一般タクシー料金の助成を開始し、在宅で常時介護している家族等への介護用品支給事業では、対象者の拡充を行ったところであります。今後、介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、高齢者の日常生活の支援と在宅で介護するご家族の負担軽減を図るため、制度の周知啓発に努めてまいります。

市民の健康づくりの取組に対してポイントを付与し、市内限定商品券などに交換できる「こまき健康いきいきポイント制度」につきましては、楽しく継続的に健康づくりができるウォーキングアプリ「alko」の利用登録が好調で、ダウンロード数が2万を超えたところです。今後も、チャレンジ企画等工夫を凝らすことで、より多くの方にご利用いただき、健康づくりの習慣化を図ってまいります。

市民の支え合い活動に対してポイントを付与し、市内限定商品券で還元する「こまき支え合いいきいきポイント制度」につきましては、市内の介護施設等でのお手伝い、地域でのサロン活動等への協力、地域協議会を通じた日常生活の困りごと支援の3種類で、令和4年12月末現在、1,311人の方々に「お互いさまサポーター」としてご登録いただいております。

今後も、元気な高齢者をはじめ更に多くの市民の皆様に「お互いさまサポーター」としてご登録いただけるよう周知に努めるとともに、この制度をご活用いただくことで、参加者ご自身の介護予防や健康づくりと、活動の励みや広がりにつながり、より一層、支え合い・助け合いの地域づくりが進むよう鋭意取り組んでまいります。

そして、「健康いきいきポイント制度」と「支え合いいきいきポイント制度」を地域内循環のトリガーとして、市民の皆様の「健康」と「支え合い」が地域で循環する仕組みづくりを引き続き進め、活力ある幸せな高齢社会の実現に取り組んでまいります。

戦略の第三、「『住みたい』『働きたい』『訪れたい』魅力あふれる小牧を創造」についてであります。

持続可能な都市運営と、すべての世代にとって快適な生活環境を実現するため、地域振興のバランスを図りつつ、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考えに基づいて、魅力と活力にあふれるまちづくりを進めてまいります。

本市の魅力やブランドコンセプト“夢・チャレンジ 始まりの地 小牧”またブランドの柱であります『こども夢・チャレンジNo.1都市』及び『史跡小牧山』につきましても、積極的かつ効果的な発信を行ってまいります。

史跡小牧山では、これまでの発掘調査の成果を基に、令和3年度から令和7年度までの5か年をかけて、山頂の石垣復元整備工事を実施しており、令和5年度は歴史館南側部分の整備を行います。

また、本年1月から放映が始まりましたNHK大河ドラマでは、徳川家康の波乱に満ちた生涯が描かれ、小牧山は、小牧・長久手の戦いで織田(のぶ)(かつ)・徳川家康連合軍が本陣を敷いたことから、今後ますます注目が集まるものと考えています。

そうした中、山頂の小牧市歴史館につきましては、戦国時代を中心とした展示内容へ改修するため休館しておりますが、4月1日に「小牧山歴史館」と施設名も改め、リニューアルオープンの予定であります。

今後、更に多くの方が史跡小牧山にいらっしゃると思いますので、山頂部の織田信長が築いた石垣も含めた、三英傑が関わった希少な歴史スポットであります小牧山の魅力を広く市内外の皆様にお伝えできるよう鋭意整備を進めてまいります。

なお、山頂まで自力で登るのが難しい方にも、整備で復元した石垣等をご覧いただくことができるよう、山麓から山頂までを往復するワゴン車による送迎を期間限定で実施する予定でありますので、この機会に多くの方に小牧山にお越しいただきたいと思います。

中心市街地につきましては、「小牧市中心市街地グランドデザイン」に基づき、将来にわたって魅力と活力の続く中心市街地としていくため、当面の取組をまとめた「小牧市中心市街地グランドデザインアクションプラン」に位置付けられた各種事業を進め、まちの将来像の実現を目指します。令和5年度は、住民や商店、関係団体等がつながる場である「中心市街地まちづくりプラットフォーム」において、ワークショップやLINEのオープンチャットにより提案されたまちづくりの企画を社会実験として実施するとともに、各種事業を進め、その効果検証・改善を行います。

桃花台地区をはじめとする東部地区につきましても、昨年策定しました「東部振興構想」とともに「東部まちづくりプラットフォーム」を立ち上げており、令和5年1月時点では73名の方に登録いただいております。今後は、自主的なトライアル活動支援の継続に加え、参加者のスキルアップやモチベーションを高めるための意見交流会やセミナー開催をあわせて行ってまいります。

西部地区につきましては、愛知県事業であります北尾張中央道4車線化整備に関連し、裏道となる市道の拡幅整備を行い交通の円滑化を図るとともに、渋滞の緩和に向けた道路整備や治水の向上などにも鋭意努めてまいります。また、北西部地区公園については、2月20日に都市計画審議会の議を経たところでありますので、今後、予定どおり都市計画決定を行い、着実に事業進捗を図ってまいります。

産業振興については、市内企業の支援や産業集積などを推進する「小牧市企業新展開支援プログラム」について、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた持続可能な社会を支える産業・経済の確立に向けた改定を進めており、DXに向けた取組として、中小企業を対象にしたデジタル化支援補助金やウェブサイト・ECサイト導入等に対する新たな補助金制度などを創設し、支援メニューの充実を図ってまいります。

企業立地・次世代産業の推進においても、本市への積極的な立地を図るとともに、長年にわたり地域の経済や雇用を支えてきた企業が、市内での事業活動を継続するための工場の増設や設備投資に係る費用の支援継続に加え、次世代産業人材の育成に係る補助制度の創設等を行ってまいります。

また、小牧商工会議所と連携して実施しております「こまきプレミアム商品券」につきましては、“がんばる小牧の応援券”として、地域内循環を生み出すための経済的トリガーを目的に、私の市長就任以来継続して実施してきました。市内の商業者、特に中小商業・サービス事業者を支援し、コロナ禍で落ち込んだ地域経済の活性化を図るため、令和5年度についてもプレミアム率20%、総額14億4千万円の規模で拡大実施してまいりますので、多くの皆様にご利用いただきたいと思います。

以上の戦略を核として、更に各分野にわたる様々な施策を組み合わせることで、小牧市の総合力を高め、まちづくりの機軸として掲げた『こども夢・チャレンジNo.1都市』『健康・支え合い循環都市』『魅力・活力創造都市』を実現するとともに、急速に進む高齢化と人口減少に対応し、「活力ある幸せな高齢社会(小牧モデル)の創造」と「若年世代・子育て世代の転入・定住の促進」を図ってまいります。

<分野別計画編>

次に、分野別計画編についてであります。

(安全・環境)

まず、安全・環境についてであります。

防災・減災では、毎年のように台風やゲリラ豪雨等の被害が全国各地で発生しているほか、南海トラフ巨大地震が近い将来に高い確率で発生すると言われるなど、市民の皆様の災害への備えに関する意識も高まっています。このような中、昨年10月に開催しました総合防災訓練は、メイン会場の応時中学校と12の小学校で同時開催し、防災体制の強化に努めてまいりましたが、引き続き市民参加型防災訓練を充実させ、災害に強いまちを築いてまいります。

生活安全につきましては、昨年は小牧警察署管内において初の「交通死亡事故年間ゼロ」を達成しました。陸上交通の要衝都市であります本市において交通事故死者数ゼロとなったのは、日ごろの交通安全啓発活動、そして市民の皆様の交通安全意識と交通マナーの向上によるものと思っております。この流れを継続できるよう、引き続き小牧警察署、そして地域の皆様と連携した交通安全啓発活動を推進してまいります。

また、児童生徒の登下校時における見守りの強化に向けて、通学路等に設置する防犯カメラを現在の100台から200台に倍増させるための設置場所の検討を各学区で行ってまいります。

多文化共生につきましては、本市は全国でも有数の外国人集住都市であり、現在外国人市民が1万人を超えている状況であります。

外国人市民から市役所への問い合わせも非常に多くなっており、その内容も多岐にわたっておりますので、常設の外国人のための相談窓口に加え、遠隔通訳サービスを利用できるタブレット端末を増台し、外国人市民の問い合わせ対応を充実させ、より暮らしやすい環境づくりを進めてまいります。

消防・救急につきましては、昨年の救急総件数は7,479件で、統計開始以降最多件数となりました。新型コロナウイルス感染症の影響はありましたが、高齢化の進展に伴い、救急出動件数は右肩上がりの状況にありますので、救急事案に迅速に対応するため、令和5年度に東支署の救急自動車を1台増台し、本市全体では救急自動車6台運用を開始してまいります。

また、地域に密着した消防防災活動を行っている消防団の拠点であります消防団車庫につきまして、建物及び敷地の狭あい化の課題がありましたので、第2分団及び第4分団車庫の移転建替えを順次行ってまいります。

環境・エネルギーにつきましては、ゼロカーボンシティの実現に向け、地球温暖化対策や脱プラスチックを推進する必要がありますので、「ゼロカーボンシティ推進室」を新設するとともに、公共施設における照明のLED照明への更新や、公用車に電気自動車の導入、公共施設における太陽光発電設備の導入可能性調査を行ってまいります。

(健康・福祉)

続きまして、健康・福祉についてであります。

生涯を通じて健康を保つためには、生活習慣病などの疾病予防と「栄養、運動、社会参加」の3つの柱からなるフレイル予防を一体的に推進する必要がありますので、本市の健康増進計画である「健康日本21こまき計画」と、健全な食生活を実践するための「食育推進計画」を整理統合して新たに「健康づくり推進プラン」を策定し、市民一人ひとりが日ごろから健康づくりに取り組み、その取組を社会全体が支援する、元気でいきいきとした地域づくりを推進することにより、市民の健康寿命の延伸を図ってまいります。

また、がんにつきましては、早期発見が非常に重要な疾患であるため、本年度から中学2年生を対象に、胃がんにつながるリスクを判定するピロリ菌検査を無料実施するとともに、子宮頸がんを予防するHPVワクチンの積極的な接種勧奨の再開及び接種機会を逃した方を対象としたキャッチアップ接種を行っています。学校における「がん教育」とも連携しながら、がんの正しい理解を促し、がん予防を推進してまいります。

更に、がんに罹患した方に対しては、社会参加を支援するウィッグ等の医療用補整具の購入費助成を本年度より開始しておりますが、令和5年度から新たに小児や若年の終末期がん患者の方が住み慣れた自宅で安心して療養生活を送れるよう食事や入浴などの訪問介護サービスや車いすなどの福祉用具購入などに対する助成も行ってまいります。

子ども医療費につきましては、令和4年9月診療分から高校生等の通院分に係る医療費助成を開始し、18歳以下のすべてのこどもの保険診療自己負担ゼロとしたところであり、引き続き子育て世帯の経済的負担の軽減に努めてまいります。

障がい者支援につきましては、相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターをふれあいセンター内に設置し、複雑・多様化する相談に対応する体制を強化してまいります。

また、親族や弁護士等の専門職とは異なり、市民の目線で後見活動を行う市民後見人養成事業を尾張北部権利擁護支援センターにおいて実施し、成年後見制度の利用促進を図ってまいります。

白血病等により骨髄移植を必要とする患者は毎年少なくとも2,000人以上いるといわれており、一人でも多くの骨髄ドナーが必要であります。そこで、骨髄バンク登録された市民の方が骨髄提供した際、定額助成する仕組みを新たに創設し、市民の骨髄バンク登録を積極的に勧奨してまいります。

心身のストレスや加齢に伴う免疫力の低下等により、帯状疱疹を発症する人が増加しておりますので、新たに50歳以上の市民の方のワクチン接種費用の一部助成を行ってまいります。

高齢者福祉につきましては、名鉄田県神社前駅北側に整備しております「第3老人福祉センター」が、愛称も「田県の郷」に決定し、いよいよ6月1日からの供用開始を予定しております。公共交通機関でアクセスしやすい立地となっていますので、多くの皆様に足を運んでいただき、健康増進と教養向上を図ってまいりたいと思います。

市民病院につきましては、病院経営を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあり、令和5年度中に「小牧市民病院経営強化プラン」を策定し、経営改善に向けた取組を進めてまいります。今後も、尾張北部医療圏における中核病院として、地域の医療機関との連携を深め、救急医療やがん診療、高次医療などを中心に更に機能を充実させ、安全で良質な医療の提供に努めてまいります。

(教育・子育て)

続きまして、教育・子育てについてであります。

まず、学校教育についてであります。

建築後50年以上が経過しており、老朽化に加え狭あい化も課題である米野小学校につきましては、施設の改築に向け、引き続き、基本構想・基本計画を策定し、その後、基本設計を策定してまいります。

小中学校の施設整備につきましては、音楽室や理科室、図工室などの特別教室へのエアコン設置が、本年度をもって全校完了しました。

トイレの洋式化につきましても、令和5年度は未整備の残り7校の設計を行なってまいります。

なお、学校施設の老朽化に加え、児童生徒数の減少が今後急速に進む見込みでありますので、新たに(仮称)新たな学校づくり推進計画策定委員会を設置し、今後直面する少子化に対応した学校施設の適正規模・適正配置、そしてこどもたちにとって望ましい教育環境の基本的な考え方等について検討を行ってまいります。

貧困やネグレクト等、家庭環境に問題を抱える児童生徒を支援する「スクールソーシャルワーカー」につきましては、令和4年度に1名増員しましたが、令和5年度にはもう1名増員し、4名体制で対応してまいります。教育、福祉、警察などの関係機関が連携してきめ細かなケアを提供する体制を更に強化してまいります。

また、「ヤングケアラー」という、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話等を日常的に行っているこどもへの支援も急務でありますので、新たに専門職のコーディネーターを子育て世代包括支援センターに配置するとともに、必要に応じてヘルパーを派遣し家事支援等を行ってまいります。

市立中学校の制服につきましては、気候変動や社会の価値観の変化に対応し、機能性を重視した新しい制服の導入に向けた検討を、現在小牧市立中学校制服検討委員会で行っております。今後は、コンペで選定した制服見本を各学校や公共施設に巡回展示し、児童生徒及び保護者等による投票を経て、制服デザインを決定し、令和6年度から既存制服に加える形で新制服を導入する予定であります。小牧らしさがあり、愛着を持てる制服の導入を目指しておりますので、引き続きご協力をお願いしたいと思います。

また、学校給食につきましては、食物アレルギーの有無にかかわらず、児童生徒が同じ給食を食べることができる「ユニバーサル給食」の提供を本年度から始めたところであり、今後も小中学校の学期ごとに1回ずつ開催をしてまいります。

一方で、食材費の値上げに対応し、質と量のバランスのとれた給食を提供していくため、令和4年度2学期から学校給食費の改定を行いましたが、国の臨時交付金などを活用して値上げ分に充当したことにより、保護者負担額を据え置きとしたところであります。

更には、昨年9月から第3子以降の小中学校給食費を無償化することにより、多子世帯の経済的負担を軽減したことに加え、物価高騰に対応した子育て世帯への緊急的支援として、すべての児童生徒の11月から本年3月末までの学校給食費の全額無償化について、国の交付金と、不足する分を市費にて実施しております。

令和5年度につきましては、国の交付金の予定はありませんが、1学期の間は、引き続き物価高騰対策として、全児童生徒の学校給食費の半額を市費において負担することといたします。そして、2学期からは、中学生の学校給食費無償化の対象を第3子以降から第2子以降に拡大して実施してまいります。

次に、子育てについてであります。

我が国では少子化が進んでおり、令和4年の全国出生数は80万人を下回り、持続可能な社会の維持が危ぶまれる段階に差し掛かっていると認識しています。また、核家族化の進行や地域とのつながりの希薄化などから、子育てに不安や孤立感を感じる家庭も少なくないのが現状でありますので、子育てをしている誰もが、安心して子育てができる環境を整えるとともに、地域ぐるみでこどもの成長を見守り、健やかな育ちを応援できる体制の整備が急務であります。

かねてより、戦略の第一でご説明申し上げた施策により、子育ち・子育ての更なる環境整備を図っているところでありますが、その取組を更に拡充してまいる所存であります。

また、コロナ禍も相まって出会いの機会が減少しているという声も聴かれますので、「こども未来部」の下に「出会い・結婚支援室」を新設し、市として出会い・結婚を支援する取組も進めてまいります。

私は、こどもに係る費用は、保護者だけでなく社会全体で負担していくことが望ましく、また、家庭環境や境遇に関わらず、すべてのこどもが等しく支援されるべきと考えており、この想いは昨年、副会長である私の発案により全国青年市長会として、岸田総理に直接お会いして提言してきたところであります。

一義的には、国の最優先課題として、国全体で取り組んでいただくべきものでありますが、少子化対策は待った無しの状況にありますので、今回、保育施策につきまして、令和元年10月より無償化の対象となっている3歳児から5歳児に加え、令和5年度より、市内の保育園、認定こども園、小規模保育事業所に通う0歳児から2歳児までのすべての園児の保育料を小牧市独自に無償化します。今回行おうとするすべての園児の保育料無償化の取組につきましては、愛知県下では初となるものであります。

また、新たな保育ニーズを受け入れるためにも、保育士人材を確保することが非常に重要でありますので、初任給や手当等の採用面での優遇に加え、保育現場におけるICT機器の導入により業務負担の軽減を図り、働き方改革を積極的に進めることにより、より一層やりがいを持って働くことができる職場環境を整備し、保育士人材の安定的確保に努めているところであります。更に、私立保育園等に勤務する保育士の待遇面の公私格差を是正するための補助制度を創設し、保育士不足の解消と職員のモチベーション向上を図ってまいります。

園舎の老朽化、園児数の減少が進んでいる第一幼稚園と立地条件の問題が顕在化している大山保育園を統合する(仮称)第一こども園の整備につきましては、令和9年度の開園を目指し、基本構想・基本計画の策定後、基本設計・実施設計の策定を行ってまいります。

男女共同参画では、性的マイノリティの方が抱える様々な不安や困難を少しでも解消することを目的に「小牧市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を本年2月より開始したところであります。今後も、多様な性を尊重する社会の推進に努めるとともに、誰もが安心して暮らすことができるまちを目指してまいります。

(文化・スポーツ)

続きまして、文化・スポーツについてであります。

まず、スポーツについてであります。

市民の誰もがスポーツに取り組むことができる、「市民総スポーツ」に向けて、新しい公共施設の予約システムが本年1月より稼働いたしました。新システムでは、オンライン予約やオンライン抽選、キャッシュレス決済等が利用可能となり、利用者の利便性を向上させております。また、学校運動場の夜間利用については、これまで4月から10月の間の利用としておりましたが、本年1月より通年利用できるよう運用を見直しましたので、ぜひ多くの方にご利用いただきたいと思います。

さかき運動場に新たに整備する多目的グラウンドにつきましては、全天候型舗装のフットサルやテニスができるコートとして、令和6年度の供用開始を目指してまいります。

なお、施設の劣化に伴い現在休館としております温水プールにつきましては、鉄骨部分の詳細調査及び耐震診断を実施しております。その結果を踏まえ、今後の方針について決定するための基本計画を令和5年度に作成してまいります。再開を心待ちにしておられる方が多くいらっしゃるとは思いますが、安全面を最優先に検討しているところでありますので、今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。

次に、文化・芸術についてであります。

老朽化が進んでいる市民会館・市公民館につきましては、今後も多くの皆様に安全・安心そして快適に利用していただけるよう大規模改修を行いますので、令和5年度から令和6年度にかけて長期休館とさせていただきますが、その間の市民の皆様の創作活動等が停滞することのないよう、活動の場の確保等に努めてまいります。

なお、ラピオビル4階にあります市民ギャラリーについて、市公民館の改修に伴い移設する予定ですが、移設後のスペースを歴史民俗資料の展示施設として整備するための検討をあわせて行ってまいります。

また、図書館につきましては、引き続き図書・視聴覚資料の充実を図るとともに、昨年神明社から寄贈いただいた貴重な史料を図書館蔵書として資料登録するほか、所蔵している洋書のうち人気の高い小説について日本語検索が可能となるようにする等、利用者の利便性を更に高めてまいります。

産業・交流)

続きまして、産業・交流についてであります。

昨年は、「こまき令和夏まつり」「こまき信長夢夜会」「小牧市民まつり」等のコロナ禍以前は恒例であったイベントを、規模を縮小するなど感染対策を施しながらも、3年ぶりに開催することができました。令和5年度につきましては、アフターコロナの正常化したまちを象徴するイベントとして完全復活し、開催してまいりますので、ぜひ多くの皆様にお越しいただき、楽しんでいただきたいと思います。

次に、観光につきましては、戦略の第三でご説明申し上げましたように、NHK大河ドラマの放映に関連して、今後多くの方が小牧にお越しになると見込んでおります。そこで、本市における観光機運を盛り上げるため、小牧山及びシンボルロードへののぼりやペナントの設置に加え、大河ドラマを契機としたイベントや小牧山の歴史的価値や見どころをわかりやすく紹介する動画を作成し、YouTubeなどで発信してまいります。更に、観光協会と連携して、来訪者に対する様々なおもてなしを実施してまいります。

私の市長就任後に、元の計画から規模を縮小するなど大きく見直しを図り、皆様とともに検討してまいりました「(仮称)小牧市農業公園」につきましては、身近な農業を通じた食の大切さを理解する場とするとともに、里山を生かし自然環境とのふれあいを通じた農業振興の発信の場を目指して、令和5年度より粗造成工事を行い、令和6年度には、一部供用開始できるよう、園路広場整備工事等を順次進めてまいります。

鳥獣被害対策につきましては、近年、イノシシによる被害が頻発しておりますので、電気柵設置に係る補助制度を拡充するほか、カラス被害に対する行動抑制装置を使用した効果検証を行ってまいります。

コロナ禍で中断しておりました姉妹都市・友好都市交流につきましても、リモート交流に加え、グラント郡及びワイアンドット市、安養市への親善訪問、グラント郡への中学生派遣、ワイアンドット市中学生の受入等、コロナ禍で中止していた人的交流を復活し、これまで以上に交流を深めてまいります。

(都市基盤・交通)

続きまして、都市基盤・交通についてであります。

まず、市街地整備についてであります。

都市計画につきましては、桃花台区域の土地利用方針に即した用途地域等の見直し及び市街化調整区域の産業候補地区における業種の検証などを含めた土地利用に関する検討を進めてまいります。

都市景観につきましては、より良好な都市景観を形成するため、小牧市都市景観基本計画の改定を進めるとともに、本市も景観法を活用した施策を推進することが可能となる景観行政団体へ移行していきたいと考えております。

土地区画整理事業につきましては、継続事業の進捗を図るとともに、小牧原(とい)(した)地区については、換地処分にあわせ、新たな地番設定を行ってまいります。

次に都市交通についてであります。

まちづくりと連携した地域公共交通ネットワークの形成を促進するとともに、持続可能な公共交通を維持するため、利用者をはじめ市民の方々の声をお聴きするためのアンケート調査や地域懇談会などを実施し、地域公共交通計画の策定をはじめ、こまき巡回バス「こまくる」の再編の検討を進めます。

道路整備につきましては、主要道路の整備を計画的に進めるとともに、市民生活に密着した生活道路の整備につきましては、セットバック用地を利活用した狭あい道路整備の補助金制度の創設等により拡充を図ってまいります。

上下水道事業につきましては、安全な水道水の安定的な供給や、下水道の整備・普及による衛生的で快適に暮らせるまちを目指し、施設の整備や維持管理を行うとともに効率的な運営に努めてまいります。

雨水対策につきましては、近年多発する集中豪雨などにより、浸水被害に遭われている地域の対策や、小針川など河川水路の改修を引き続き行ってまいります。小針川につきましては、愛知県において整備する「基幹的広域防災拠点」に併せた付替えも行ってまいります。

公園整備につきましては、太良(だいら)まめなしの里や本田会館北公園などの整備を実施するとともに、宮前公園などの実施設計を進め、今後も市民ニーズを踏まえながら、地域に根ざした新たな公園を計画的に整備してまいります。

住宅につきましては、空き家について、昨年度策定した発生抑制施策などを盛り込んだ「空家等対策計画」に基づき、対策を総合的かつ計画的に実施してまいります。なかでも、適切に管理されていない空き家につきましては、所有者の特定を効率的に行うため、相続人調査を愛知県公共嘱託登記司法書士協会へ委託してまいります。

また、本年度策定しました小牧市マンション管理適正化推進計画に基づき、管理計画認定制度を活用し、老朽化したマンションの適正な管理の推進を図ってまいります。

<自治体経営編>

続きまして、自治体経営編についてであります。

私は、市長就任以来、一貫して「改革と創造の市政」を推進してまいりました。

社会経済情勢の変化に対応した効果的かつ効率的な自治体経営の実現に向けて、市民協働や産学官連携の取組に加えて、近年は、特にICTの活用、デジタル化、オンライン化が非常に強く求められているところであります。

本市では、将来にわたって持続可能なまちづくり、市民の利便性の向上、課題解決のために、ICTやデータの活用に関する基本的な考え方や方向性を示した「小牧市デジタルイノベーション推進計画」を策定し、スマート窓口の導入、市民病院の患者外来受診支援システムの導入、オンライン申請の推進、新たな施設予約システムの導入などを進めてまいりました。引き続き、行政のデジタルイノベーションにより一層、積極的に取り組み、Society(ソサエティ)5.0に向かって加速する社会に対応してまいります。

そうした中、まず、協働・情報共有についてであります。

情報メディアのデジタル化が進む中、市政情報の発信手法も多様化し、これまで主体であった紙媒体の広報こまきよりも即時性の高い、インターネットやSNSの充実に努めているところであります。

そこで、広報こまきにつきましては、自治会における配布負担軽減も踏まえ、本年4月より、月2回から月1回発行に見直しを行います。

一方で、デジタルで発信する市政情報を市民の皆様に受け取っていただけるようにする必要がありますので、高齢者をはじめとした誰もがデジタルによる情報を活用することができるよう、情報格差、いわゆるデジタルデバイドを解消するために、市内各公共施設においてスマホ教室や個別相談会等を開催してまいります。

更に、自治会活動の拠点であります集会施設につきまして、Wi-Fiを設置した場合の維持管理費交付金も増額し、地域のデジタル環境を整備してまいります。

次に、行政サービスについてであります。

昨年導入しました「こまきスマート窓口」は、転入、転出等の住民異動の手続き時に、申請書等に記入することなく、職員に申請内容を伝え、職員が作成した申請書等に “確認・署名”をするのみで手続きが完了するもので、利用者の利便性が向上しております。

また、市役所に足を運んでいただくことなくWEB上で手続きを完了できる「こまきオンライン申請」につきましても、利用できる手続きを増やすとともに、オンライン決済ができるようシステム修正を行い、より一層の利便性の向上に取り組んでまいります。

次に、行政運営についてであります。

本市の最上位計画であります「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」につきまして、本年度より改定作業に着手しており、令和5年度には「小牧市まちづくり推進計画審議会」を立ち上げ、改定に係る具体的な議論を進めてまいります。

そして、SDGsの推進につきましては、本市が尾張地域初の「SDGs未来都市」に選定されたことについて積極的な周知啓発を行いながら、小牧市版SDGs登録制度を構築するなど市民や企業、市民活動団体等との連携を強化し、小牧市としてまち全体で、SDGsの目指す「多様性と包摂性のある持続可能な社会」の実現を目指してまいります。

また、令和5年度から「内部統制制度」を導入するのに合わせて、「市長公室人事課」に「コンプライアンス推進係」を新設し、適正な事務の遂行を確保する体制の整備に努めてまいります。

最後に、財政運営についてであります。

歳入については、自主財源の確保に努めるとともに、歳出については、計画的な公共ファシリティマネジメントを行うなど、歳出の抑制、最適化を図り、引き続き全国有数の健全財政を維持し、将来にわたって持続可能な財政運営を行ってまいります。

以上、令和5年度予算に係る主要な事業、施策について、「市政戦略編」「分野別計画編」「自治体経営編」の順に、その概要のご説明を申し上げました。

<令和5年度予算規模>

令和5年度の予算規模といたしましては、一般会計は対前年度当初比3.3パーセント増の603億7,900万円、一般会計、特別会計及び企業会計を合わせた全会計の総額は、対前年度当初比2.4パーセント増の1,276億9,450万9千円となりました。

歳入では、個人所得は増加傾向にあり、また、企業収益は前年度に続き堅調に推移していることから、個人市民税、法人市民税ともに増収と見込んだことなどにより、市税収入は対前年度比では14億円を超える増収としていますが、一方の歳出で、最近の燃料価格や物価高騰、賃金単価増等に伴う歳出圧力が高まっていますので、財源に余裕があるとは言えない状況であります。更に、冒頭に申し上げたように、社会保障関連経費などの増加に加え、国の政策に伴う事業支出が普通交付税の不交付団体である本市の財政を急激に圧迫してきておりますので、引き続き厳しい予算編成となりました。

そのような状況ではありますが、健全財政の維持と各分野間のバランスに十分に留意しながら、市民の安全・安心と、コロナ禍からの地域活動等の回復、正常化を最優先とし、さらに教育や福祉等の重要施策については、これまでの取組を決して後退させることなく、着実に前に進められるよう積極的かつ優先的に予算化するよう努めたところであります。

令和5年度は4期目のスタートにあたり、まずはコロナ禍からの完全回復を目指しつつ、都市ヴィジョン『こども夢・チャレンジNo.1都市』『健康・支え合い循環都市』『魅力・活力創造都市』の実現に向けて、集大成につながる一年としてまいりたいと存じます。

結びに

以上の方針により、私は小牧市長として、今年こそはコロナ禍を克服し、コロナ禍以前の当たり前の日常生活と、市民の笑顔、そして地域のつながりを取り戻してまいります。

そして、先人から受け継いだ小牧市を守り抜き、更に誇れるまちとして、次世代へ引き継ぐことができるよう、すべての皆様と力をあわせて、小牧市の明るい未来につながる更なるチャレンジと、15万余市民の幸せのための市政運営に、決意と信念を持って、引き続き全力を傾注してまいる所存であります。

議員各位ならびに市民の皆様のご理解とご協力を衷心よりお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 広報広聴課 情報メディア係
小牧市役所 本庁舎4階
電話番号:0568-76-1107 ファクス番号:0568-75-5714

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