小牧山の植物
更新日:2017年08月31日
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小牧山は、戦国時代から安土桃山時代に城として使われたため、城の中心であった南斜面を中心に、樹木はほとんど伐採されたと見られる。江戸時代に入ると、尾張藩が一般の入山を禁止するなど手厚い保護を行った結果、植生が回復してきた。江戸時代後期の小牧村絵図を見ると松がたくさん生えている。これは、伐採後の小牧山に二次林として松を中心とする植生が回復してきたためとみられる。現在では、さらに植生が回復して、松はほとんど見られず、この地域本来の安定したシイ・カシ類、クスノキ、タブノキ、オガタマノキ、サカキ、ヤブツバキを中心とする常緑照葉樹林やコナラ、アカメガシワ、ハゼノキ、キリなどの夏緑広葉樹林に移行している。戦後、サクラやスギ、ヒノキなどの植樹が行われたり、公園的な整備が行われて、自然植生ではない部分も多くある。
タブノキ林(照葉樹林)
- 高木第1層:タブノキ優占、クスノキ、コジイ等
- 高木第2層:サカキ優占、アラカシ、カクレミノ、ヤブツバキ
- 低木層:サカキ優占、ヒサカキ、ヒメユズリハ、カクレミノ、アオキ
- 林床:ベニシダ、オオベニシダ
コナラ林(夏緑広葉樹林)
- 高木層:コナラ、ハゼノキ優占、リョウブ
- 低木層:サカキ、ヒサカキ、アオキ、アラカシ
- 林床:ベニシダ、オオベニシダ
アカメガシワ林(夏緑広葉樹林)
- 高木層:キリ、アカメガシワ優占
- 低木層:チャノキ、ハチク
- 草本層:フユイチゴ、ベニシダ、イタドリ
スギ-ヒノキ植林
- 高木層:スギ、ヒノキ
- 低木層:スギ、ヒノキ、ヒサカキ、クロバイ、カナメモチ
- 林床:ベニシダ、マンリョウ、カナメモチ、サカキ、クロバイ
クロマツ植林
- クロマツが点在するが、林を形成するところは少ない
植栽樹等
- ソメイヨシノを中心にスズカケノキ、イチョウ、ユリノキの高木、サツキ、ヒラドツツジなどのツツジ類が多く植えられ、北麓にはオカメザサが植栽されている
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