食物アレルギーの原因食材と消費者庁の特定原材料、それに準ずるものの改訂について
更新日:2026年01月05日
即時型食物アレルギーについて
わが国では平成14年度に食品衛生法に基づく食物アレルギー表示制度が完施行され、以降3年ごとに即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査が行われ、「食物を摂取後60分以内に何らかの反応を認め、医療機関を受診したもの」を対象にデータを積み重ねています。
前回の調査は令和3年度に6677例、最新の調査は令和6年度に6033例が解析対象として報告されました。
出典:「令和6年度食物アレルギーに関連する食品表示関する調査研修事業報告書」(消費者庁)をもとに保健センターで作成

前回調査で原因食物の上位3品目は「鶏卵、牛乳、小麦」から、「鶏卵、牛乳、木の実類」となったことが報告されましたが、今回の調査で木の実類の割合は24.6%(1484例)で牛乳を抜いて第2位となりました。第1位である鶏卵(26.7%)との差は小さく、木の実類を原因とする食事型食物アレルギーは著しく増加していることがわかります。
品目別解析でも、木の実類の中で第1位のクルミは、前回調査で7.6%でしたが今回の調査では15.2%と約2倍に増加しています。ほかにもカシューナッツは約1.6倍、マカダミアナッツは約1.5倍増加。クルミとペカンナッツ、カシューナッツとピスタチオは強い交差抗原性があり、これらの増加の影響から前回調査からいずれも約2倍となっています。
木の実類の即時型食物アレルギーの分類に関しては以下の通りで、クルミ及びカシューナッツは特に急増しています。過去2回にわたり同様の傾向がみられることから、一時的な増加ではないと思われます。
2005年以降のクルミの年間消費量、カシューナッツ及びアーモンドの年間輸入量は漸増しており、国内消費量の増加が要因の一つである可能性も考えられます。
なお、落花生までの上位5品目で70.3%を占め、さらに、イクラ、カシューナッツ、エビ、キウイ、大豆と続きます。
木の実類の即時型食物アレルギーについて
木の実類の中でも、内訳1位のクルミは即時型食物アレルギーの原因として鶏卵に次いで第2位。カシューナッツやマカダミアナッツも含め、一般にアレルゲンと考えられがちなソバやエビ、カニなどの甲殻類より頻度が高いので、気づかずあげてしまうことがないよう注意が必要です。
特定原材料等の変更について
これらを踏まえ、消費者庁の指定する特定原材料等の食品表示基準が改訂されました。
令和3年3月、クルミは表示の義務がある特定原材料に追加されました。令和7年3月末までの移行期間も終了しています。食品表示をよく読み、初めて食べる際は少量で体調に変化がないか様子を見ましょう。
この改定で、特定原材料は8種類に増えました。
また令和6年3月には、特定原材料に準ずるものに、マカダミアナッツが追加されました。これは当時の直近2回の調査で即時型食物アレルギーの原因食材の上位20品目に入ったことなどが理由となります。現在はカシューナッツが症例数の増加を踏まえて表示義務に向けた検討が行われています。
また、同じく特定原材料に準ずるものから、まつたけが削除されました。これは過去4回の即時型食物アレルギーの原因食材の上位20品目に入らず、またショック症例も極めて少数だったためです。
そのため、特定原材料に準ずるものは、20品目と、品目数は変わりません。ただしこれらは症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが特定原材料に比べると少ないものであり、今後引き続き調査を行い、特定原材料にするか否かにおいて検討を続けるものとなっています。
表示の妥当性の検証については、表示義務8品目は74.9%、表示推奨の20品目を合わせると92.9%の原因食品をカバーしています。

現れやすいアレルギー症状
皮膚症状 81.2%
呼吸器症状 39.7%
消化器症状 37.3%
粘膜症状 32.5%
ショック症状 9.7%
ショック症状を起こした原因食物は、第1位鶏卵、2位牛乳、3位クルミ。さらに4位小麦、5位カシューナッツ、6位落花生、7位イクラ、8位エビ、9位マカダミアナッツと続きます。
即時型症例に対するショック症例を引き起こした品目について、上位10品目中5品目が木の実類でした。
その他の注意点
2014年調査では魚卵が原因となる即時型アレルギーが急増しています。1歳から6歳までの子どもの新規発症の原因物質では第2位(15%弱)となっています。今回の調査でもいくらは年齢別原因物質(初発例)として、1・2歳児で第3位(13.0%)、3-6歳児では第2位(14.1%)となっています。魚卵アレルギーの95%はいくらが占めています。回転ずしなどで手軽に食べられるいくらですが、初めて食べるときは、まずは少量で体調を確認しましょう。
そのほかのタイプのアレルギー症状
・食物依存性運動誘発アナフィラキシー
・口腔アレルギー症候群
インターネットや書籍、テレビなどでは様々な情報があふれています。アレルゲンの除去などは自己判断せず、きちんと受診していただき、かかりつけ医に相談しましょう。
アレルギーに関する情報:「アレルギーポータル」で検索 https://allergyportal.jp/
→アレルギーに関する様々な情報を集めたポータルサイトです。たくさんの情報が集約されています。
食物アレルギー表示に関する情報:「消費者庁 食物アレルギー表示に関する情報」で検索 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
→食品アレルギー表示についてのお知らせや、食物アレルギー表示に関する啓発用動画、リーフレットがあります。
- この記事に関するお問い合わせ先
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健康生きがい支え合い推進部 保健センター
電話番号:0568-75-6471 ファクス番号:0568-75-8545

