織田信長(おだのぶなが)ゆかりのまち 小牧(こまき)

更新日:2024年03月12日

小牧山城(こまきやまじょう)~信長が初(はじ)めて築(きず)いた城~

小牧山城復元(ふくげん)想像(そうぞう)図

永禄(えいろく)3年(1560)、桶狭間(おけはざま)で今川義元(いまがわよしもと)を攻(せ)めて滅(ほろぼ)した織田信長は、永禄(えいろく)5年(1562)、三河(みかわ)の松平家康(まつだいらいえやす)(のちの徳川家康(とくがわいえやす))と同盟(どうめい)を結(むす)び、美濃(みの)の斎藤家(さいとうけ)を次に攻(せ)めるあいてとしました。そして永禄(えいろく)6年(1563)、信長は頂上(ちょうじょう)から美濃方面(みのほうめん)を一目(ひとめ)で見わたすことができる小牧山に城をつくり、清須(きよす)から城を移(うつ)しました。

「石垣(いしがき)の城(しろ)」のルーツ

土の城(しろ)ではなく「石の要塞(ようさい)」

小牧山城は築城後(ちくじょうご)わずか4年で使われなくなったことから、美濃(みの)攻(ぜ)めのための一時的(いちじてき)な砦(とりで)としか考(かんが)えられていませんでしたが、最近(さいきん)の発掘調査(はっくつちょうさ)によって小牧山に多数(たすう)の曲輪(くるわ)や石垣(いしがき)が見つかり、本かく的な城が築(きず)かれたことがわかりました。また、小牧山南部(なんぶ)には南北1.3km、東西1kmにわたる城下町(じょうかまち)を築(きず)いた跡(あと)も見(み)つかっています。
小牧山城が築城(ちくじょう)された戦国時代(せんごくじだい)より前は「土づくりの城」が当たり前(まえ)で、石垣の城が作られたのは、のちに信長が築(きず)いた安土城(あづちじょう)が始(はじ)まりだといわれていました。しかし小牧山城の発掘調査(はっくつちょうさ)で、本丸下の斜面(しゃめん)で上下(じょうげ)二段(だん)の石垣が見つかり、それまで土の城だと考(かんが)えられてきた小牧山城が、当時の人がアッとおどろくような「石の要塞(ようさい)」だったことが分かりました。

墨(すみ)で字が書かれた石垣(いしがき)の材料を発見(はっけん)!

発見(はっけん)された石材(せきざい)

平成23年の発掘調査(はっくつちょうさ)で、墨で字が書かれた石が出土(しゅつど)しました。その後(ご)のしらべで、この墨で書かれた字は「佐久間(さくま)」と書かれていることが分かり、織田信長の家臣(かしん)の佐久間一族(いちぞく)が石垣を作ったことが考(かんが)えられます。また、石に書かれた墨の字としては日本でも一番(いちばん)古(ふる)いくらいのものです。

赤外線(せきがいせん)で撮(と)った石材(せきざい)のアップ

織田信長が住んでいた場所?

織田信長の屋敷跡(やしきあと)と考えられ曲輪(くるわ)

小牧山城の武家屋敷(ぶけやしき)は、小牧山の東から北のふもとに、山を取り囲(かこ)むように建(た)てられていたことがわかっています。中でも南東部(なんとうぶ)の曲輪(くるわ)は、武家屋敷の中で一番(いちばん)大(おお)きいため、信長の屋敷のあとではないかと考(かんが)えられています。

今も残(のこ)る大手道(おおてみち)につながる道(みち)

山頂(さんちょう)につづく大手道(おおてみち)

小牧山城の築城(ちくじょう)によってつくられた大手道(おおてみち)は、今(いま)も姿(すがた)を変えて残(のこ)っています。小牧山の南側にある小牧市役所(こまきしやくしょ)には、昔の大手道(おおてみち)につながる道(みち)が通(とお)っていた場所(ばしょ)に、表(おもて)のロータリーから市役所へとつづく線がひかれています。

市役所(しやくしょ)内にひかれた大手道(おおてみち)

日本の城下町(じょうかまち)の原形(げんけい)に!

小牧山上空(じょうくう)から南側(みなみがわ)を見下(みお)ろす

小牧山の南には清須城(きよすじょう)から人々を引っこしさせて城下町(じょうかまち)が作られました。西側(にしがわ)には油屋町(あぶらやまち)、鍛冶屋町(かじやまち)、紺屋町(こうやまち)など商業する人やさぎょうする人の町家(まちや)が、東側(ひがしがわ)には、家臣(かしん)の武家屋敷(ぶけやしき)が計画的(けいかくてき)に建てられ、現在(げんざい)のまちづくりにつながる城下町のモデルではないかと言われています。

小牧山歴史館(こまきやまれきしかん)

小牧山歴史館(こまきやまれきしかん)

現在、小牧山頂上(ちょうじょう)にある、小牧市歴史館(こまきしれきしかん)は、昭和42年に名古屋市(なごやし)に住(す)んでいた実業家(じつぎょうか)の平松茂(ひらまつしげる)さんが、自分のお金で建てて、昭和43年に小牧市におくったものです。
安土桃山(あづちももやま)時代(じだい)(16世紀後半(こうはん))に建(た)てられた国宝(こくほう)の「飛雲閣(ひうんかく)」(京都市(きょうとし))をモデルにつくられました。

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局(きょういくいいんかいじむきょく) 文化財課(ぶんかざいか) 文化財係(ぶんかざいかかり)
小牧市役所(こまきしやくしょ) 本庁舎(ほんちょうしゃ)3階(かい)
電話番号(でんわばんごう):0568-76-1189 ファクス番号(ばんごう):0568-75-8283