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令和4年施政方針(第1回定例会)

更新日:2022年02月24日

令和4年2月24日、小牧市議会第1回定例会において、山下市長が令和4年度の市政運営の基本方針となる施政方針を述べました。

00:03 はじめに
04:47 新型コロナウイルス感染症対策
09:29 市政運営方針
16:04 予算編成方針
18:33 市政戦略編
38:45 分野別計画編(安全・環境)
43:57 分野別計画編(健康・福祉)
46:38 分野別計画編(教育・子育て)
49:19 分野別計画編(文化・スポーツ)
52:32 分野別計画編(産業・交流)
54:09 分野別計画編(都市基盤・交通)
58:26 自治体経営編
01:04:56 令和4年度予算規模
01:06:57 結びに

はじめに

令和4年小牧市議会第1回定例会の開会にあたり、市政運営に臨む 私の所信を申し述べますとともに、令和4年度当初予算案につきまして、主要な施策とその概要をご説明申し上げ、議員各位、ならびに15万余 市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたしたいと存じます。

私は、平成23年2月に市民の皆様の負託を受けて市長に就任して以来、市民福祉の増進と小牧市政の発展のため、全力で市政運営に取り組んでまいりましたが、早いもので3期目もこの2月で丸3年が経過したところであり、4年間の任期の最後の一年を迎えることとなりました。

これまで市長としてその重責を務めることができましたのも、ひとえに、これまでの取組を温かく支えてくださいました市民の皆様をはじめ、議員各位ならびに職員や各方面の多くの方々のご支援、ご協力の賜物であり、心より感謝申し上げます。

私は、市長就任以来11年間、「改革と創造の市政」「チャレンジする市政」を旗印として、すべての市民が暮らしやすい「安全・安心で、持続可能な、魅力と活力にあふれる夢ある小牧市の実現」に向けて、未来を見据えた様々な改革と小牧市の明るい未来につながる新たなチャレンジに全力を注いでまいりました。自治体経営の「攻め」と「守り」のバランスを意識し、健全財政を維持しつつ、福祉の充実と、将来を展望したまちづくり、行政改革等を着実に前進させてきたところであります。

しかし、「平成」から「令和」へと元号が改まり、本来であれば新しい時代の幕開けとともに、小牧市政も次のステージへと上がり、明るい未来に向けたまちづくりを更に前へと進めているはずでありましたが、丸2年にわたる新型コロナウイルス感染症の流行と、それに伴う様々な社会活動の制限は、市民生活に深刻な影響を及ぼしており、市政運営においても、様々な分野で事業の中止や延期を余儀なくされ、分野によってはこれまで積み上げてきた施策の効果を打ち消すなど、その影響は甚大であります。

特に、ソーシャルディスタンスなど、長引く社会活動の制限により、人と人との“つながり”が断たれる中、自治会やコミュニティ活動、文化・スポーツ・生涯学習、そして地域福祉や支え合い等においても活動に大きな制約を受け、また外出の自粛等により市民の健康や体力の維持に支障が出たり、一人暮らしの高齢者等の孤立化や、支援が必要な方の情報が掴みにくくなっている等の危惧もあり、小牧市の掲げる『健康・支え合い循環都市』の実現に向けても、コロナ禍は大きな障害となっています。

コロナ禍がいつ終息するか見通せない中、小牧市としては、まずは市民の安全・安心が最優先であり、こうした状況下で支援を必要としている人、本当に困っている市民に寄り添い、手を差し伸べることこそを、第一に考えて対応しているところであります。

また、過去から綿々と紡いできた地域のつながり、本市ならではの文化やコミュニティなど私たちの生活の礎である大切なものを、この災禍の中で永久に失ってしまうことのないよう、ウィズコロナにおいても継続する方法を模索し、市民の皆様と力をあわせて守り抜いていくことが重要であり、最大限の努力を行ってまいります。

そして、市民の命を守る感染症対策と、市民の暮らしを支える社会経済活動との両立を図りつつ、いずれコロナ禍以前の、市民の当たり前の日常を取り戻すことができるよう、引き続き目下最優先の課題である新型コロナウイルス感染症対策に、本市の責任者として万全を期してまいります。

新型コロナウイルス感染症対策

それでは、はじめに、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

まずは、この場をお借りして、感染防止対策にご協力をいただいている市民の皆様、感染リスクを背負いながらも、人々の命と暮らしを守るため医療や福祉の現場で懸命にご尽力されておられる医療スタッフ・福祉関係者の皆様、私たちの日常に不可欠なサービスの提供に従事されている各種事業者や団体の皆様に、改めて心から感謝を申し上げます。

さて、これまで国を挙げて様々な対策が実施されてまいりましたが、新型コロナウイルスは、何度も変異を繰り返しながら、未だに世界中で猛威を振るっています。

ワクチンの感染予防効果もあり、昨年10月以降の感染状況は随分と落ち着いていたところですが、年が明けて新たな変異株であるオミクロン株による感染者が全国的に急増し、本市においても1月の新規陽性者は1千人を超え、更に2月の新規陽性者はわずか20日間で3千人を突破し、現在も未だ終息の兆しが見えない状況が続いております。

第5波のデルタ株と比較しますと、第6波のオミクロン株は重症化リスクは低いものの、感染力の強さは別次元であり、今後更に感染拡大が進めば、医療提供体制がひっ迫し、社会・経済活動の維持が困難になることが懸念されます。すでに救急搬送時に搬送先の病院が長時間見つからない搬送困難事案は2月に入って急増しています。

このような状況から、愛知県においても4回目となるまん延防止等重点措置が3月6日まで延長され、県をまたぐ不要不急の移動自粛、飲食店等に対する営業時間の短縮など、更なる感染防止対策の徹底をお願いしているところであります。

3回目の接種となる新型コロナウイルスワクチンの追加接種につきましては、昨年12月から開始することとされ、本市においても同月より医療従事者から接種を開始しました。その後、本年に入り急遽、国や愛知県が接種を前倒す方針を打ち出しましたので、本市としてもできる限り接種を前倒していけるよう1月14日から2回目接種を早く終えた方から順番に接種券を発送しております。

多くの高齢者が該当する昨年7月末までに2回目の接種を終えた方については2月9日までに接種券を発送し、2月中には接種を受けていただける状況であり、昨年8月に2回目の接種を終えた方については2月14日から順番に接種券を発送しているところであります。2月21日以降は、2回目接種から6ヶ月後に接種券を発送し、2回目接種から6ヶ月後から7ヶ月後には接種をしていただけるよう計画しています。

したがって、2回目の接種が8月の方は2月下旬から3月に、9月の方は3月から4月に、10月の方は4月から5月に接種していただける予定です。

市民の皆様には、接種券が届きましたらすぐに予約ができますので、感染拡大防止と重症化予防のため、接種へのご協力をお願いいたします。

追加接種も初回接種と同様に小牧市医師会をはじめ市内医療従事者の方々の全面的なご協力をいただきながら、市民の皆様に安心して接種を受けていただける環境を整備し、引き続きスムーズな予約と迅速な接種に努めてまいります。

市民の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症に対して正しい認識を持っていただき、ワクチン接種へのご協力とあわせて、引き続き「マスクの着用」「手洗い・手指の消毒」「3密の回避」そして寒い最中ではありますが「こまめな換気」等、基本的な感染防止対策を徹底していただきますようお願いいたします。

市政運営方針

次に、市政運営方針であります。

冒頭申し上げた通り、私は、これまで「改革と創造の市政」「チャレンジする市政」を掲げ、将来を見据えた様々な改革と小牧市の明るい未来につながる新たなチャレンジに全力を注ぎ、信念とスピード感を持って市政を運営してまいりました。

そして、小牧市民憲章に掲げる理想のまちを実現するため、小牧市自治基本条例に基づいて策定した「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」において、これまでの取組を継承した3つの都市ヴィジョン『こども夢・チャレンジNo.1都市』『健康・支え合い循環都市』『魅力・活力創造都市』をまちづくりの機軸として掲げ、更に“誰一人取り残さない”持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すSDGsや、性別・人種・国籍・年齢・障がいの有無などの多様性を活かすダイバーシティの考えも取り入れて、多様な市民と行政の協働により、小牧市の強みを活かしたまちづくりを進めているところであり、本年もその取組を一層加速してまいります。

3つの都市ヴィジョンのうち、都市ヴィジョン1の『こども夢・チャレンジNo.1都市』については、平成27年の市制60周年に際し、“都市宣言”として議会のご議決もいただいているところであります。

『こども夢・チャレンジNo.1都市』は、単に「子育てのまち」を目指すものではなく、こどもの夢への挑戦を地域全体で応援することで、こどもを中心に世代を越えて市民がつながり、支え合うことで、すべての世代、すべての市民が暮らしやすいあたたかいまちとなることを宣言したものであります。

この都市宣言の理念を基に提案した構想が認められ、内閣府から昨年5月に尾張地域で初となる「SDGs未来都市」に選定されたことから、これまで以上に、こどもの夢への挑戦をまち全体で応援していく取組を加速させることで、こどもを中心に世代を越えて市民、企業、団体の皆様がつながり、すべての世代、すべての市民が暮らしやすい、持続可能な、あたたかい支え合いのまちを目指してまいります。

また、都市ヴィジョン2の『健康・支え合い循環都市』は、高齢化が急速に進む我が国にあって、“活力ある幸せな高齢社会”を実現する小牧モデルをつくるため、生涯学習やスポーツ等を通してさまざまな学びや活動の場をつくることで、生涯にわたる健康づくりを支援し、人生100年時代にふさわしい健康寿命の永い元気な高齢者を育むとともに、そうした高齢者が地域づくりの担い手となり、地域での支え合い助け合い活動を活性化することを通じて、更に市民の健康を促進し、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまちを目指すものであります。

市では、「健康づくりへの支援」と「支え合いの地域づくり」に力を注ぎ、「健康」と「支え合い」の地域内循環を進め、「お互いさま」の心で支え合う、あたたかい小牧市を目指してまいります。

そして、都市ヴィジョン3『魅力・活力創造都市』は、本格的な人口減少社会に突入し、限られた人口を奪い合う自治体間競争が激しさを増す中、若い世代の更なる減少が懸念されていることから、若い世代や子育て世代の皆様が住みたい、住み続けたいと思える魅力あるまちづくりを進め、将来にわたる地域の活力向上を目指すものであります。

本市は、市のシンボル小牧山が織田信長公の天下統一の夢への第一歩の地であることから『夢・チャレンジ 始まりの地 小牧』をブランドコンセプトとし、“子育てしやすいまち”と“史跡小牧山”をブランドの柱としているところであります。市民の皆様が「住み続けたいと思うまち」「愛着や誇りを感じるまち」を目指して、市の魅力を市内外に広く発信していく「都市ブランド戦略」を、より一層推進してまいります。

中心市街地の活性化については、昨春、小牧駅前の新たなシンボルとして「小牧市中央図書館」が、また再開発ビルラピオの再構築により「こまきこども未来館」がそれぞれオープンし、中心市街地の新たなまちづくりに向けて、再スタートを切ることができました。

現在、未来に向けたまちづくりとして、「中心市街地グランドデザイン」や「東部振興構想」を市民の皆様とともに年度末を目途に策定しておりますので、今後はその取組を着実に実行していくことにより、まちの魅力や暮らしやすさの向上を図るとともに、「若い世代や子育て世代の転入・定住促進」に向けて、本市に対するイメージアップと、市民の愛着や誇りの醸成につなげてまいります。

更に、新たな企業の誘致や市内企業の設備投資、中小企業の新事業展開や生産性革命などを促進し支援することで、地域経済の強靭化を図り、バランスの良い産業集積を今後も持続的に高め、小牧市の強みである経済・雇用・財政の基盤を将来にわたって維持し、未来に輝き続ける活力あるまちづくりを進めてまいります。

予算編成方針

次に、令和4年度予算編成についてであります。

本市の財政状況でありますが、少子高齢化の進展に伴う社会保障関連経費や、公共施設の建替えや改修に要する費用など、年々増加する経費の状況に加え、近年の制度改正や国の政策に伴う支出の増加が普通交付税の不交付団体である本市の財政を圧迫しており、財政は年々厳しさを増しています。

このような中で、安全・安心・快適な市民生活を最優先としつつ、健全財政の維持に十分留意し、より一層の行財政改革を進めることが必要であります。

そこで、令和4年度の予算編成にあたっては、「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」を推進し、行財政改革の取組を更に力強く進めるよう努めるとともに、限られた財源を最大限有効に活用するため、昨年と同様に施策全般にわたり各事業の緊急度・重要度を見極め、事務事業の見直しと経費の節減合理化を行うことにより、重要施策に対して重点的に予算を配分いたしました。

また、SDGs未来都市に選定された尾張地域初の自治体として、“誰一人取り残さない”持続可能で多様性と包摂性のある小牧市の実現に向けて『SDGs実施計画』を取りまとめ、その推進に十分に意を配するとともに、議員各位や市民の皆様からいただいたご意見、ご要望を十分に検討した上で可能な限り市政に反映し、皆様のご期待に十分応え得るよう編成したところであります。

それでは、来年度の主要な事業と施策の概要について、以下、令和4年度当初予算案を中心に、「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」の構成にあわせて、「市政戦略編」の3つの戦略、「分野別計画編」の6つの分野、更に「自治体経営編」の順にご説明申し上げます。

<市政戦略編>

まず、市政戦略編であります。

戦略の第一、「来るべき未来社会を見据えて、すべてのこども達が夢を育み、チャレンジできる環境を創出」についてであります。

小牧市の誇る「子育て支援が充実している」姿を一層高めるとともに、未来社会を見据えて、更に高い地域の姿として「こどもの夢を育み、夢へのチャレンジをみんなで応援するまち」「こどもを中心にすべての世代がつながっているまち」、そして、「すべての世代が暮らしやすい、あたたかい支え合いのまち」を目指してまいります。

すべてのこども達が夢を育み挑戦できるよう整備しました「こまきこども未来館」は、昨年3月のオープン以来、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一部閉鎖や臨時休館の期間がありましたが、開館1年で約16万人の方にご来館いただいており、市内外の多くのこども達を受け入れています。今後も、こどもを中心に世代を越えて市民がつながる「こども夢・チャレンジNo.1都市」の理念を体現する施設としてステップアップを図ってまいります。

また、内閣府へのSDGs未来都市申請時に、持続可能なまちづくりに向けた先導的な取組として提案した、企業や団体による多彩な講座と継続的な運営により、こども達の夢への挑戦を応援する「こまきこども未来大学」を開講するとともに、ものづくりに携わる人材を育成する「少年少女発明クラブ」を設立し、本市の充実した子育て環境を市内外に強力に発信してまいります。

トップアスリートによる「夢先生」を市内全小学校に派遣する「夢の教室」につきましては、コロナ禍で開催できなかった学年も対象とし、こどもたちの健全な心身の成長を図ってまいります。

また、十分な教育環境に恵まれない中学生を対象とした、無料の学習塾「駒来塾」については、元教員の方や大学生などの協力を得て、市内全域の4教室で引き続き実施してまいります。

妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない子育て支援を行う「子育て世代包括支援センター」では、新たに女性相談窓口を設置し、ひとり親の自立相談等に対応するとともに、児童虐待とDV等への対応を一体的にサポートできる体制とすることで、児童虐待への対応等のきめ細かな支援を強化してまいります。

また、こまき巡回バス「こまくる」に無料で乗車できるフリーパスを妊産婦を対象に配布し、妊産婦の安全な外出をサポートしてまいります。

更には、産後うつ対策として、これまでの産科医療機関等での宿泊、通所ケアに加え、新たに自宅等に訪問する育児サポートも実施し、産婦のニーズに寄り添った支援を行ってまいります。

Society(ソサエティ)5.0を見据えた教育の推進」につきましては、小中学校の全児童生徒へのタブレット端末の配備が完了し、最新のデジタル機器を活用した授業が展開されています。ICTの活用により、こどもたちが情報を収集し活用する能力を伸ばし、Society(ソサエティ)5.0の時代に自ら未来を切り拓いていくことができる力を育む教育を進めてまいります。

児童クラブと放課後子ども教室を一体的に、または連携して行う「放課後子ども総合プラン」の導入につきましては、今年度は2小学校においてモデル事業を実施しましたが、令和4年度は6小学校に拡大して実施してまいります。

戦略の第二、「“健康・生きがいづくり”と“支え合いの地域づくり”の循環により、自分らしくいきいきと安心して暮らすことができる 『活力ある高齢社会(小牧モデル)』を構築」についてであります。

加速する高齢化の問題に対応し、高齢者が安心して長生きすることができる幸せな高齢社会を実現するためには、市民の健康・生きがいづくりを応援し、市民の皆様とともに支え合いの地域づくりを進め、高齢者をはじめとする市民の「健康」と「支え合い」が地域内で循環する「活力ある高齢社会」を築いていくことが重要であり、市長就任当初より目指すまちの姿として掲げ、その実現に向け精力的に取り組んでまいりました。

すべての市民の皆様とともにそうしたまちづくりを進めるために、健康と支え合いの地域活動のあり方、及びその活性化の手法や循環のトリガーとなる地域ポイント等の仕組みに関して、有識者等で構成する「(仮称)健康・支え合い循環戦略会議」を開催し、“健康・生きがいづくり”と“支え合いの地域づくり”の推進について議論を深めるとともに、市民の皆様と目指すまちの姿を共有し、区や地域協議会をはじめ各種団体等と連携して推進する体制を構築してまいります。

市民交流テラス「ワクティブこまき」では、一昨年のオープン以来、1万5千名を超える方にご利用いただいております。市民活動、ボランティア活動、地域活動、生涯学習活動など幅広い分野の活動を包括的に支援し、市民参加による協働のまちづくりの拠点として、今後もより一層の機能強化と利用促進に努めてまいります。

市民の健康寿命の延伸に向けては、「小牧市歯と口腔の健康づくり推進条例」に規定する成人期における口腔がんの予防、早期発見・治療を促すため、新たに集団方式による口腔がん検診を小牧市歯科医師会と連携し、実施してまいります。

地域の絆を強化するとともに、地域活動を活性化し、支え合い助け合いの地域づくりを推進するため、小学校区単位を基本として設立を目指しております地域協議会につきましては、これまで全16小学校区のうち13小学校区において設立され、活動に取り組んでいただいているところであります。

コロナ禍の影響もあり、活動に大きな制約を受けている中ではありますが、このような時だからこそ、地域での支え合い助け合い活動の重要性は増しているところでありますので、更なる活動の活性化に向け、すでに設立されている地域協議会の活動支援を行っていくとともに、設立に至っていない地域に対しましては、説明会の開催や地域の課題を話し合う場づくり等を通じて、設立の推進を図ってまいります。

本市においても高齢化が急速に進展しており、本年1月現在の高齢化率は25.1%で、10年前より6.2ポイント上昇しています。これから数年間で団塊の世代の方々が75歳以上の後期高齢者になっていく、いわゆる「2025年問題」が目前に迫っており、今後、支援を必要とする高齢者が急激に増えていくことが見込まれています。

そこで、リフト付きタクシー等の利用料金の助成を拡充し、介護が必要な高齢者の日常生活における外出支援及びその家族の負担軽減を図るとともに、新たに要介護1以上の方に対する一般タクシー料金の助成を行ってまいります。

また、在宅で常時介護している家族等への介護用品の支給につきましても、対象者を拡充して実施してまいります。

市民の健康づくりの取組に対してポイントを付与し、市内限定商品券などに交換できる「こまき健康いきいきポイント制度」につきましては、楽しく継続的に健康づくりができるウォーキングアプリ「alko」の活用とあわせて、より多くの方にご利用いただき、健康づくりの習慣化を図ってまいります。

市民の支え合い活動に対してポイントを付与し、市内限定商品券で還元する「こまき支え合いいきいきポイント制度」につきましては、市内の介護施設等でのお手伝い、地域でのサロン活動等への協力、地域協議会を通じた日常生活の困りごと支援の3種類で、令和3年12月末現在、1,250人の方々に「お互いさまサポーター」としてご登録いただいております。

今後も、高齢者をはじめ更に多くの市民の皆様に「お互いさまサポーター」としてご登録いただけるよう周知に努めるとともに、この制度を広くご活用いただくことで、参加者ご自身の介護予防や健康づくりと、活動の励みや広がりにつながり、より一層、支え合い助け合いの地域づくりが進むよう鋭意取り組んでまいります。

そして、「健康いきいきポイント制度」と「支え合いいきいきポイント制度」を地域内循環のトリガーとして、市民の皆様の「健康」と「支え合い」が地域で循環する仕組みづくりを引き続き進め、活力ある幸せな高齢社会の実現に取り組んでまいります。

戦略の第三、「『住みたい』『働きたい』『訪れたい』魅力あふれる小牧を創造」についてであります。

持続可能な都市運営と、すべての世代にとって快適な生活環境を実現するため、地域振興のバランスを図りつつ、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考えに基づいて、魅力と活力にあふれるまちづくりを進めてまいります。

本市の魅力やブランドコンセプト“夢・チャレンジ 始まりの地 小牧”を市内外に発信していくため、ブランドロゴマークをはじめ新たに制作しましたブランドムービー「私が育ったまち編」等の各種媒体を活用した情報発信を行い、都市ブランディングを推進してまいります。

更に、『こども夢・チャレンジNo.1都市』や『史跡小牧山』についても、積極的かつ効果的な発信を行ってまいります。

史跡小牧山では、これまでの発掘調査の成果を基に、令和3年度から令和7年度までの5か年をかけて、山頂の石垣復元整備工事を実施しています。

令和4年度は歴史館西側部分の石垣復元整備を行うとともに、旧市役所本庁舎東側の旧管理道部分の土塁や堀等の復元整備工事を実施します。

石垣の整備にあたり、市民の皆様をはじめ多くの方に石垣復元整備に関わっていただき、小牧山城により一層の愛着を感じていただくため、本年1月から「小牧山城復元プロジェクト」をスタートしました。

これは、1千円から2千円の参加費をいただいた方に、整備時に石垣の裏に込める小さな石にそれぞれ墨でお名前や願い事などを書き込んでいただくものですが、小牧山で450年前の石垣の墨書が発見されたように、墨で書かれた文字は数百年にわたって後世に残る可能性があり、皆様の記念に残る大変夢のある事業であります。本年は2月11日に受付を開始したところ大変ご好評をいただきました。今後も石垣復元工事の進捗にあわせて毎年200個程度の裏込石をご用意できる見込みですので、是非多くの皆様にご参加いただきたいと思います。

また、令和4年度から、こまき応援寄附金に「小牧山城復元応援コース」を新設してまいります。

令和5年のNHK大河ドラマでは徳川家康公の波乱に満ちた生涯が描かれ、小牧山城は、小牧・長久手の戦いで徳川家康公が本陣を敷いたことから注目が集まり、訪れる人が増えることが期待されます。

そこで、この機に、山頂の小牧市歴史館の展示内容について小牧山城を中心とした戦国時代の内容へリニューアルするとともに、小牧山城史跡情報館れきしるこまきの展示についても、小牧・長久手の戦いに関する内容を追加する改修を行ってまいります。

また、史跡小牧山にある創垂館は、近代以降の小牧山の歴史を物語る貴重な建造物であり、老朽化によりしばらく利用を停止しておりましたが、復原工事が間もなく完了し、令和4年度から利用を再開いたします。再開後は見学会等を開催するなど広く公開してまいります。

史跡小牧山では、今後も戦国時代の遺構等の発掘と整備を進めてまいりますが、山頂部の織田信長公が築いた近世の石垣の城の原型となったといわれる石垣は、整備が終わった箇所から順次ご覧いただくことができます。三段に張り巡らされた迫力ある石垣の姿を、できるだけ早く、多くの方に間近でご覧いただけるよう鋭意整備を進めてまいります。

小牧駅周辺につきましては、駅利用者の利便性の向上と市の玄関口としての魅力を高め、にぎわいを創出するため、小牧駅東側の再整備のための実施設計等を行ってまいります。

昨年3月に開館した「小牧市中央図書館」につきましては、資料やレファレンスサービスの充実、最新の図書館システムの導入など、これまで以上に情報ニーズに対応できる図書館とするとともに、テラス席を含む多種多様な座席の配置やWi-Fi環境の整備、自動貸出機や貸出用タブレットなどICT機器の導入、カフェの設置など、利用者ニーズや時代の要請に対応しました。

これまでの「貸出し中心の図書館」ではなく、本を片手にコーヒーやお茶を飲みながらゆったりと過ごせる「居心地の良い滞在型の図書館」として、本年1月末までの間に60万人を超える方に来館いただいており、自宅でも職場や学校でもない第3のとびきり居心地の良い場所“サードプレイス”として、引き続き多くの皆様にご利用いただきたいと思います。

また、中心市街地につきましては、現在策定中の「中心市街地グランドデザイン」に基づき、まちの将来像の実現を目指すため、住民や商店、関係団体等で構成します「(仮称)中心市街地まちづくり協議会」を設置し、中心市街地における当面の取組をまとめた「中心市街地グランドデザインアクションプラン」を作成するとともに、実施事業の進捗管理を行うことで、中心市街地の目指す姿を共有し、連携・協働して事業を進めてまいります。

桃花台地区をはじめとする東部地区につきましても、現在策定中の「東部振興構想」の実現に向けて、地域を取り巻く様々な主体をつなげる場となる「東部まちづくりプラットフォーム」を構築するとともに、住民の皆様のトライアル活動に対する支援を行ってまいります。

西部地区につきましては、引き続き北西部地区公園の整備事業を進めるとともに、渋滞の緩和に向けた道路整備、治水の向上などに鋭意努力を続けてまいります。

産業振興については、市内企業の支援や産業集積などを推進する「小牧市企業新展開支援プログラム」について、新型コロナウイルスの影響で作業が中断しておりましたが、令和4年度中の改定を目指し、ウィズコロナ・アフターコロナに対応した見直しを進めてまいります。

企業立地では、本市への積極的な立地を図るとともに、長年にわたり地域の経済や雇用を支えてきた企業が、市内での事業活動を継続する ため、工場の増設や設備投資に係る費用についても、引き続き支援してまいります。

また、次世代産業関連企業が学生をインターンシップとして受け入れた場合、受入に要した費用の一部を助成する「次世代産業インターンシップ受入助成金」を創設してまいります。

「こまき新産業振興センター」については、小牧商工会議所と連携し、成長分野への参入、新事業展開や販路拡大、デジタル化や生産性革命への対応等、引き続き市内中小企業の経営革新を支援してまいります。

更に、小牧商工会議所と連携して実施しております「こまきプレミアム商品券」につきましては、“がんばる小牧の応援券”として、また、地域内循環を生み出すための経済的トリガーとして、私の市長就任以来継続して実施してきたものであります。市内の中小商業・サービス事業者を支援し、コロナ禍で落ち込んだ地域経済の活性化を図るため、来年度についてはプレミアム率20%、総額14億4千万円の規模で実施してまいりますので、多くの皆様にご活用いただきたいと思います。

以上の戦略を核として、更に各分野にわたる様々な施策を組み合わせることで、小牧市の総合力を高め、まちづくりの機軸として掲げた『こども夢・チャレンジNo.1都市』『健康・支え合い循環都市』『魅力・活力創造都市』を実現するとともに、急速に進む高齢化と人口減少に対応し、「活力ある幸せな高齢社会(小牧モデル)の創造」と「若年世代・子育て世代の転入・定住の促進」を図ってまいります。

<分野別計画編>

次に、分野別計画編についてであります。

(安全・環境)

まず、安全・環境についてであります。

防災・減災では、市民一人ひとりの防災意識を高め、災害への備えの重要性を認識していただくことが重要であります。地域協議会や自主防災会等で行われる防災訓練を通じて、地域住民同士で主体的に助け合える関係性を築くことが重要であり、その取組の支援を継続してまいります。

生活安全につきましては、昨年の本市の刑法犯認知件数は、対前年比39件減の825件で、12年連続で減少しております。これは、自主防犯パトロール活動など市民総ぐるみで防犯対策に取り組んできた成果でありますが、今後も更に防犯対策を積極的に進め、犯罪が発生しにくい環境を整えていく必要があります。

そこで、防犯対策補助金について、事業者の申請も受付可能とする等の見直しを行うとともに、通学路に設置した防犯カメラの活用により、引き続き登下校時におけるこどもの安全確保を図ってまいります。

多文化共生につきましては、本市は全国でも有数の外国人集住都市であり、最近ではベトナム国籍の外国人市民が急増しており、多国籍化が進んでいます。

ベトナム語版を追加した外国語版生活情報誌の発行や、小牧市国際交流協会の日本語講師の養成などに加え、タブレット端末を用いたオンライン通訳サービスを新たに導入し、外国人相談窓口や保育園などで利用できるようにするなど、外国人市民がより暮らしやすい環境づくりを進め、日本人と外国人が互いに認め合って暮らせる「多文化共生のまち」を目指してまいります。

消防・救急につきましては、地震や火災などの災害に備え、(とい)(した)公園の整備にあわせて耐震性貯水槽を設置するほか、救急出動件数の増加に対応するため、消防職員を増員し、体制の強化を図ってまいります。

環境・エネルギーにつきましては、昨年本市は「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」を目指す「ゼロカーボンシティ」を表明したところですので、カーボンニュートラル実現のため、再生可能エネルギーの導入目標を盛り込んだ再生可能エネルギー等導入計画を策定してまいります。

省エネルギー型機器・再生可能エネルギーの導入については、これまでの定置用リチウムイオン蓄電システム等の設備に加え、電気自動車等充給電設備や高性能外皮等に対する補助を追加してまいります。

地域で発生しております野良猫に起因する問題に対し、野良猫の去勢避妊手術費に対する補助額を増額して実施し、良好な地域環境を保全してまいります。また、この補助を実施するにあたりまして、こまき応援寄附金に新たに「不幸な猫を増やさないまちづくりコース」を設定し、その積立先として「野良猫去勢避妊事業基金」を創設し、事業の継続実施の財源としてまいります。

市内の建築物等及び空き地につきましては、先に市独自の「小牧市建築物等及び空き地の適切な管理に関する条例」を制定し、不特定多数の人の生命または身体に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していて、所有者等が回避措置を行えない場合、市が必要最小限の措置を行えることとしましたので、事案に応じて対応できるよう庁内各課で連携してまいります。

ごみ対策につきましては、ここ数年様々な改善に取り組むとともに、市民の皆様のご協力により、令和3年3月に公表された本市の再資源化率は県下第1位であり、これは4年連続となっています。

剪定枝類の資源化や、雑がみの週1回回収、新聞・雑誌など雑がみ以外の古紙・古布類の各区での集団回収、穴あけ不要のスプレー缶回収などのこれまでの各種取組に加え、粗大ごみの収集受付については新たにWEBによる受付を実施することとし、市民の皆様の利便性を高めるとともに、ごみの減量化・再資源化の更なる推進を図ってまいります。

(健康・福祉)

続きまして、健康・福祉についてであります。

本市は、「防げる病気は防ぐ」との考えのもと、各種予防接種や検診等の充実に努めているところですが、日本における死因の第一位であります「がん」につきましても早期発見が非常に重要なため、新たに中学2年生の年齢を対象に、胃がんにつながるリスクのあるピロリ菌検査を無料実施することとしました。検査により陽性となった場合の除菌につきましても、小牧市医師会との調整が整い次第、対応したいと考えております。

また、子宮頸がんワクチンが令和4年度から積極的な接種勧奨が再開されることに伴い、小学校6年生から高校1年生相当年齢の女性に加え、積極的な勧奨の差控えにより接種機会を逃した方を対象に、令和4年度から6年度の間、無料で接種することができますので、対象の方への十分な説明と案内を行いながら接種を進めてまいります。

ピロリ菌検査と子宮頸がんワクチンについては、ともに若い世代に向けた施策でありますので、学校の「がん教育」と連携の上、がん予防を推進してまいります。

子ども医療費につきましては、令和2年4月診療分から実施している高校生等の入院に係る医療費に加え、令和4年9月診療分から更に通院分を助成し、子育て世帯の経済的負担を軽減してまいります。

高齢者福祉につきましては、高齢者の健康増進等に資する「(仮称)第3老人福祉センター」の建設事業がいよいよ最終段階となり、令和5年度の供用開始を目指し、建設工事を進めてまいります。

小牧市民病院につきましては、昨年9月に立体駐車場の供用を開始し、新病院建設関連事業がすべて完了いたしました。今後も、尾張北部医療圏における中核病院として、地域の医療機関との連携を深め、救急医療やがん診療、高次医療などを中心に更に機能を充実させ、安全で良質な医療の提供に努めてまいります。

(教育・子育て)

続きまして、教育・子育てについてであります。

まず、学校教育についてであります。

改築を進めております小牧南小学校については、校舎、体育館及び小牧南児童クラブの工事が完了し、小牧南児童クラブは3月下旬より、学校施設は4月より供用開始となります。令和4年度は旧校舎・体育館の解体及びグラウンド整備等を行ってまいります。

小中学校の施設整備につきましては、エアコンを普通教室だけでなく、音楽室や理科室、図工室などの特別教室にも設置してまいります。中学校は令和2年度に、小学校は令和3年度と令和4年度の2か年で順次設置してまいります。

トイレの洋式化につきましても、令和4年度は、陶小学校、大城小学校の2校で実施してまいります。

いじめや家庭内での虐待、貧困など、こどもたちをとり巻く環境は、深刻さを増している状況です。こうした問題を抱える児童生徒を支援するため「スクールソーシャルワーカー」を現在2名配置していますが、1名増員し、教育、福祉などの関係機関と連携してきめ細かなケアを提供する体制を強化してまいります。

日本語教育が必要な児童生徒への対応につきまして、近年増加傾向にありますベトナム語を母国語とする児童生徒の教育の充実を図るため、新たにベトナム語の語学相談員を1名配置します。

次に、子育てについてであります。

我が国では少子化が進んでおり、核家族化の進行や地域とのつながりの希薄化などから、子育てに不安や孤立感を感じる家庭は少なくありません。子育てをしている誰もが、安心して子育てができる体制を整えるとともに、地域ぐるみでこどもの成長を見守り、健やかな育ちを応援できる体制の整備が必要であります。

戦略の第一でご説明申し上げた施策により、子育ち・子育ての更なる環境整備を図ってまいります。

幼児教育・保育につきましては、本市の待機児童数は令和3年4月1日時点の調査において、3年連続でゼロとなりました。しかしながら、核家族化の進行や共働き世帯の増加、育児休業からの復帰等により、年度途中での入園を希望する申請者は増加傾向にありますので、「第2期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、引き続き待機児童の完全解消など安全・安心な保育環境の整備をより一層促進してまいります。

なお、多様化する保育ニーズ等により、現場の保育士の業務負担が増えておりますので、新たにタブレット端末等のICT機器を導入し、働き方改革を進めるとともに、よりやりがいを持って働くことができるよう、処遇改善を図ることにより、保育人材の安定的確保を目指します。

男女共同参画につきましては、令和4年度からを計画期間とする「第4次小牧市男女共同参画基本計画ハーモニー4.」に基づき、男女が互いにその個性と能力を十分に発揮することによって、多様性に富んだ活力ある男女共同参画社会の実現を目指してまいります。

(文化・スポーツ)

続きまして、文化・スポーツについてであります。

まず、スポーツについてであります。

市民の誰もがスポーツに取り組むことができる、「市民総スポーツ」の環境を整備するため、新たにさかき運動場にフットサルやテニスなどができる多目的グラウンドを整備してまいります。令和4年度は設計を行い、令和5年度に整備工事を行う予定であります。

公共施設の予約システムについて、オンライン予約やオンライン抽選、キャッシュレス決済等の機能を持たせた新システムを構築し、令和5年1月から運用を開始してまいります。

次に、文化・芸術についてであります。

文化は、人々に心豊かな生活をもたらすとともに、人と人、人と地域を結び、まちづくりにも大きな役割を担っています。

本市の文化の殿堂として多くの皆様にご利用いただいております市民会館・市公民館は昭和46年に建設され、老朽化が進んでいますので、安全・安心そして快適に利用していただけるよう大規模改修を行ってまいります。あわせて、市公民館の展示場等について、多様なニーズに対応し、展示機能などを充実させ、市民の生涯学習環境の充実に努めてまいります。令和4年度は設計を行い、令和5年度以降に改修工事を行う予定であります。

産業・交流)

続きまして、産業・交流についてであります。

コロナ禍で2年続けて開催を見送っております小牧市民まつり、こまき信長夢夜会等のイベントにつきましては、国の方針も踏まえて十分な感染対策を行った上で開催できるよう検討し、準備を進め、今後の感染状況を注視しつつ、開催の可否を慎重に判断してまいります。

身近な農業を通じた食の大切さを理解する場とするとともに、里山を生かし自然環境とのふれあいを通じた農業振興の発信の場を目指す「(仮称)小牧市農業公園」につきましては、令和6年度に一部供用開始できるよう、実施設計を進めてまいります。

市街化区域内の農地を保全し、農地所有者が生産緑地を維持するために、生産緑地の民間型市民農園を開設する費用の一部を補助し、市民農園の推進を図ってまいります。

雇用問題では、昨年4月に市役所東庁舎1階に開設しました「小牧市就労支援センター」につきましては、引き続きハローワークとの連携による一体的な就労支援を行ってまいります。

なお、産業振興については、戦略の第三の説明の中で申し上げた通りであります。

(都市基盤・交通)

続きまして、都市基盤・交通についてであります。

まず、市街地整備についてであります。

中心市街地整備につきましては、戦略の第三の説明の中で申し上げた通りであります。

桃花台センター地区周辺の整備につきましては、点在するバス停を集約化し、交通結節点としての利便性の向上を図るため、関係者との協議を継続しているところであります。協議が整い次第、新たなバス停の設置に向けたバス停車帯の整備などを進めてまいります。

土地区画整理事業につきましては、継続事業の進捗を図るとともに、昨年10月に事業計画の決定をしました本庄地区については、仮換地指定に向けて測量設計などを進め、事業進捗を図ってまいります。小牧原(とい)(した)地区については、引き続き組合へ支援を行い、事業進捗を図ってまいります。

次に都市交通についてであります。

こまき巡回バス「こまくる」につきましては、私が市長就任以来、全国的にも類を見ない充実したコミュニティバス網として運行してきているところであり、その後もルートやダイヤの見直しを行い、利便性の向上に努めてまいりました。

令和4年度は、市民会館南及びラピオ前のバス停留所に上屋・ベンチの設置等を行い、待合環境を整備し、更なる利便性の向上を図ってまいります。今後も利用者をはじめ市民の方々の声をお聴きしながら、「こまくる」が地域住民の足として、より多くの方々にご利用していただけるよう、効率的・効果的な運行に努めてまいります。

道路整備につきましては、主要道路や市民生活に密着した生活道路の整備を計画的に進めてまいります。

また、老朽化が進行している橋りょうなどの道路施設につきましては、点検・維持修繕を計画的に進め、安全確保に努めてまいります。

水道事業につきましては、計画的な施設の更新、水道管の耐震化などを引き続き実施してまいります。

下水道事業につきましては、汚水管の面的整備を進めるとともに、より効率的な事業運営に努めてまいります。

雨水対策につきましては、近年多発する集中豪雨などにより、浸水被害に遭われている地域の対策や、小針川など河川水路の改修を引き続き行ってまいります。

公園整備につきましては、北西部地区公園の都市計画決定及び用地測量などを進めるほか、太良(だいら)まめなしの里、(とい)(した)公園などの整備を実施します。今後も市民ニーズを踏まえながら、地域に根ざした新たな公園を計画的に整備してまいります。

住宅につきましては、新たに空き家の発生抑制施策を盛り込んだ「空家等対策計画」を本年2月に策定し、この計画に基づく施策を総合的かつ計画的に実施するとともに、老朽化した空き家などの除却費用への助成を継続してまいります。

また、若年世代の定住促進につきましては、これまでの三世代同居及び近居に対する定住促進補助金に加え、市内就業者に対する補助や、中古住宅の活用に対する補助メニューを新設し、子育てに対する不安や負担の軽減、中古住宅の利活用の促進を進めてまいります。

<自治体経営編>

続きまして、自治体経営編についてであります。

私は、市長就任以来、「改革と創造の市政」を推進してまいりました。

私の目指す行政改革の理念は、限りある行政の経営資源を無駄なく最適に配分しながら、市民や民間との協働によるまちづくりを推進し、官民全体で市民に真に必要なサービスを維持、向上させ、将来にわたり持続可能な自治体経営を目指そうとするものであります。

これまで様々な取組を進める中で成果も出ておりますが、一層の市民協働や産学官連携を進める必要があることとあわせて、社会の情報化・オンライン化の急速な進展に伴い、行政においてもICTの一層の活用が必須となってまいりました。

行政改革の次の主役は“デジタルイノベーション”であり、本市は、ICTの効果的な活用で業務の効率性を最大限に高め、市民の利便性を向上する、行政のデジタルイノベーションにより一層積極的に取り組み、Society(ソサエティ)5.0に向かって加速する社会に対応してまいります。

まず、協働についてであります。

自治会活動の拠点であります集会施設につきまして、照明設備のLED化、老朽化した長机、椅子の備品買い替えに対しての補助制度を創設し、施設の機能や利便性を向上し、自治会活動を支援してまいります。

区長事務の軽減や新しい生活様式を踏まえた効率的な区の運営体制を構築するため、区長との連絡や資料の共有などができる専用アプリを導入するとともに、モデル区に対し、電子回覧板等のアプリの機能を試行していただき、その効果検証を行ってまいります。

現在、ボランティア活動や自治会活動など、多くの方が多岐にわたる市民活動に取り組んでいただいておりますが、活動中の事故を補償する保険について、これまでは部署ごとで対応しておりました。令和4年度からは、こうした市民活動に対して、市が一括して保険料を負担し補償を行う「市民活動総合補償制度」を導入することで、市民の皆様が安心して活動できるように支援してまいります。

次に、行政サービスについてであります。

昨年策定した「小牧市デジタルイノベーション推進計画」に基づき、ICTを活用した利便性の高い窓口サービスを目指してまいります。

まず、市民窓口課や各支所の各種証明書交付窓口、更にこども未来館において、手数料、入館料のキャッシュレス決済を導入してまいります。市税等の収納手続きでは、すでに「PayB」「PayPay」「LINEPay」によるキャッシュレス決済に対応しているところであり、新型コロナウイルス感染症の感染リスク軽減にもつながるものであります。

次に、転入、転出等の住民異動手続き時に、申請書等を “確認・署名”のみで手続きが完了する「こまきスマート窓口」を導入いたしました。これは、窓口利用者が職員に申請内容を伝え、本人確認書類を提示した後、申請書等へ住所や氏名などを自ら記入することなく手続きを済ませることができる「書かずに簡単・らくらく窓口」であり、今月1日から本庁舎窓口でスタートし、順次対象となる手続きや受付窓口を拡大する予定としております。

また、マイナポータルにおいて、子育てや介護の手続きについてマイナンバーカードを使ってWEB上で手続きが完了できるようオンライン申請の環境を整備してまいります。あわせて、マイナンバーカード申請受付専用窓口の設置や、市内企業、市民団体等への出張申請受付などにより、一層の普及促進を図ってまいります。

次に、行政運営についてであります。

本市の最上位計画であります「小牧市まちづくり推進計画 第1次基本計画」が令和2年策定から3年目を迎えますので、令和4年度は見直しに向けた基礎調査等を行ってまいります。

また、SDGsの推進につきましては、本市が尾張地域初の「SDGs未来都市」に選定されたことについて積極的な周知啓発を行いながら、小牧市版SDGs登録制度を構築するなど市民や企業、市民活動団体等との連携を強化し、小牧市としてまち全体で、SDGsの目指す「多様性と包摂性のある持続可能な社会」の実現を目指してまいります。

最後に、財政運営についてであります。

歳入については、自主財源の確保に努めるとともに、歳出については、計画的な公共ファシリティマネジメントを行うなど、歳出の抑制、最適化を図り、引き続き全国有数の健全財政を維持し、将来にわたって持続可能な財政運営を行ってまいります。

以上、令和4年度予算に係る主要な事業、施策について、「市政戦略編」「分野別計画編」「自治体経営編」の順に、その概要のご説明を申し上げました。

<令和4年度予算規模>

令和4年度の予算規模といたしましては、一般会計は対前年度当初比1.0パーセント減の584億7,500万円、一般会計、特別会計及び企業会計を合わせた全会計の総額は、対前年度当初比0.5パーセント増の1,246億5,486万1千円となりました。

歳入では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものの、企業収益は回復傾向にあることから、法人市民税を増収と見込んだことなどにより、市税収入は対前年度比では25億円を超える増収としていますが、これは令和2年度当初予算とほぼ同水準をようやく回復したものであります。

一方、歳出では、冒頭に申し上げたように、社会保障関連経費などの増加に加え、国の政策に伴う事業支出が普通交付税の不交付団体である本市の財政を急激に圧迫してきており、引き続き厳しい予算編成となりました。

そのような状況の下、健全財政の維持と各分野間のバランスに十分に留意しながら、最優先である市民の安全・安心をはじめ、教育や福祉等の重要施策については、これまでの取組を決して後退させることなく、着実に前に進められるよう積極的かつ優先的に予算化するよう努めたところであります。

『こども夢・チャレンジNo.1都市』『健康・支え合い循環都市』『魅力・活力創造都市』の実現を目指し、令和4年度も引き続き、小牧市の様々な課題の克服に向けて、着実な歩みを刻む一年としてまいりたいと存じます。

結びに

以上の方針により、私は小牧市長として、まずは、未だ終息の見えない新型コロナウイルス感染症について、3回目のワクチン接種を含めて、市民の命を守る感染症対策に万全を期すとともに、市民の暮らしを支える社会経済活動との両立を図り、1日も早く、コロナ禍以前の、市民の当たり前の日常を取り戻すことができるよう、最善を尽くしてまいります。

そして、先人から受け継いだ小牧市を守り抜き、更に誇れる住みよいまちに発展させ、次世代へと引き継ぐことができるよう、 “誰一人取り残さない”持続可能で多様性と包摂性のある安心社会を築き、「こども達をはじめ、障がい者や高齢者といった社会的に弱い立場の方々を含む、すべての市民が笑顔で将来に夢を描き、挑戦できる小牧市」、「住みたい、住み続けたい、魅力と活力にあふれる夢ある小牧市」を創造するため、議員各位、ならびに市民の皆様と力をあわせて、小牧市の明るい未来につながる更なるチャレンジと、15万余市民の幸せのための市政運営に、決意と信念を持って、引き続き全力を傾注してまいる所存であります。

議員各位、ならびに市民の皆様のご理解とご協力を衷心よりお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。

この記事に関するお問い合わせ先

市長公室 広報広聴課 情報メディア係
小牧市役所 本庁舎4階
電話番号:0568-76-1107 ファクス番号:0568-75-5714

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