木造十一面観音菩薩坐像(もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつざぞう)

更新日:2017年08月31日

愛知県指定有形文化財(平成14年12月27日指定)
所在地:小牧市藤島町居屋敷267 賢林寺
この像は秘仏で、一般公開しておりませんのでご注意ください。

木造十一面観音菩薩坐像 1躯

木造十一面観音菩薩坐像の写真1

木造十一面観音菩薩坐像

  • 所有者:宗教法人 賢林寺
  • 法量:像高80.0センチメートル

指定理由の概要

この像は、賢林寺に秘仏として伝えられてきたもので、頭頂の髻(もとどり)(注釈1)から両腕、天衣、両膝までをいわゆる一木造り(いちぼくつづり)(注釈2)の技法で彫り出した、ほぼ等身大の坐像である。

眼は彫眼(ちょうがん)(注釈3)で、頭上の小面や化仏(けぶつ)(注釈4)、右手首より先などに後補の部分はあるものの、奥行きの深い頭部と角ばった面部、どっしりとして厚みのある胸部、強く張った膝などが、一個の塊状に構成されており、また翻波式(ほんぱしき)(注釈5)とよばれる彫法に、平安前期彫刻の特色をみることができる。

さらにこの像を側面からみると、やや反り身になっており、上半身では背面部より前面部の肉付けが厚い点も平安前期彫刻に共通する特色である。これらの点から、この像の制作年代は平安時代前期(9世紀)と思われる。

この像の造立の経緯やその後の伝来については、文献・史料が全く見あたらないため明らかでないが、制作年代の古さにもかかわらず保存状態は良好で、その個性的で力強い姿は拝者に迫るものがある。またこの時期の制作と判断される坐像形式の十一面観音像は、東海地区はもとより全国的にも遺例に乏しく、その点からも大変貴重である。

(注釈1~5)

(注釈1)髻 (もとどり)
髪を頭の頂に束ねたところ。たぶさともいう。

(注釈2)一木造り(いちぼくつくり)
平安時代前期の仏像に多く見られる技法。元来は一材から丸彫りして継ぎ目のないものをさすが、実際は頭と胴が一材でつながっているものをいい、腕や膝先は別の材で造られているものも含める。また、木の心に向かって干割れを生ずる恐れがあるため、通常背面から内部をくりぬき、木の心を取り除く。これを内刳りといい、内刳り(うちぐり)のあとには背板という別木をあてがい蓋とする。

(注釈3)彫眼(ちょうがん)
木彫の顔面に直接眼を彫り込み、彩色によって表現する技法をいい、平安時代以前の木彫仏はほとんどがこの技法による。

(注釈4)化仏(けぶつ)
衆生(しゅじょう)を救済するために、種々の形を現す仏の化身のこと。観音像の頭上に配された如来仏のほか、如来像の光背についている千体仏や、その他光背についている小仏像を呼ぶ場合もある。

(注釈5)翻波式(ほんぱしき)
平安時代前期の一木彫像に特有の表現方法で、衣文(衣の襞の線)をあらわすため、太く盛り上がる大きな波と稜線のとがった小波をくり返して刻み出す彫法をいう。水面の波が翻転する様子に似ているのでこの名がある。

賢林寺について

境内には神明社・金毘羅宮・稲荷社などが祀られていた。江戸時代には観音信仰の流行で多くの信者を集めたという。今日でも旧暦1月18日の初観音は参詣の人で賑わう。

写真

賢林寺の木造十一面観音菩薩坐像は秘仏です。一般公開されていません。

木造十一面観音菩薩坐像の写真2

右前面

木造十一面観音菩薩坐像の写真3

右側面

木造十一面観音菩薩坐像の写真4

左前面

木造十一面観音菩薩坐像の写真5

背面部

木造十一面観音菩薩坐像の写真6

頭部

木造十一面観音菩薩坐像の写真7

蓮華

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