三十六歌仙絵札

更新日:2017年08月31日

小牧市指定有形民俗文化財(平成14年4月1日指定)
所有者:小牧市大字大草2784番地 大久佐八幡宮

三十六歌仙絵札(絵札32面、奉納札1枚)
現状:絵札 おおむね縦45.5センチメートル、横24.5センチメートル ヒノキ材1枚板

絵札三條院女蔵人左近の写真

絵札三條院女蔵人左近

絵札三條院女蔵人左近(裏面)の写真

絵札三條院女蔵人左近(裏面)

絵札大伴家持の写真

絵札大伴家持

奉納札の写真

奉納札

指定理由

絵札には、表面の上部に墨書による歌仙名と和歌一首が記され、下部に彩色が施された歌仙絵が描かれている。裏面には墨書による歌仙名、画家名の他、一部には、かつて拝殿に架けられていた際の配置を示す文字や表面の和歌が墨書で記されているものがある。三十六歌仙のうち小野小町、藤原敦忠、遍昭、素性の4枚を欠いている。奉納札から、江戸麹町の池田屋吉兵衛により奉納されたものであることがわかる。

裏面に記された歌仙絵の筆者には、琴松、華渓、梅渓、華亭、翠竹、華洞の6名がみられ、作風は琴松と華渓、梅渓、華亭、翠竹、華洞とに二分される。琴松が文政から慶応にかけて活躍した人物であることなどから、この絵札は幕末に制作されたものと考えられる。

江戸期にさかのぼる三十六歌仙絵札は、本市では唯一のものである。大久佐八幡宮には、江戸期に開催された歌会の短冊が多数残されている。この三十六歌仙絵が奉納された理由を示す資料は残されていないが、他地域には歌道上達を祈願して三十六歌仙絵を奉納した例がある。当時、この地域で歌会が開催されるほど文化が育成されていて、その歌会の場として大久佐八幡宮があり、和歌への尊重から三十六歌仙絵札が奉納されたと考えられ、歴史上の民俗活動および社会的交流関係を示す資料として、貴重である。

参考

三十六歌仙

藤原公任撰の「三十六人撰」に選ばれた、柿本人麻呂・紀貫之ら、平安中期までの代表的歌人。彼らの家集が収集された三十六人家集がつくられ、その姿を描いた歌仙絵が流行するなど、後代尊重された。略伝は「三十六歌仙伝」(群書)に記されている。

三十六歌仙絵

36人の歌人の姿を描いた絵。藤原公任の「三十六人撰」にもとづく。
歌仙を描き、和歌を添えた絵巻。13世紀頃から詠歌を添えた絵巻形式の作品が多く制作され、近世には屏風や扁額にも描かれた。
近世には、大久佐八幡宮と同じように板絵を神社に奉納する例は、各地にあり、近隣では春日井市の内々神社、伊多波刀神社にも三十六歌仙絵札が残されている。

大久佐八幡宮の三十六歌仙絵札の現状

当初は、拝殿の四周の壁の上部に掲示されていたが、風雨による風化が激しいため、昭和61年の拝殿大修理の際に取り外され、保管されている。現在、拝殿には、三十六歌仙絵の写真パネルが掲示されている。

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