令和6年度 心にのこる一冊の本(教育長・市内小中学校長の読書体験)

更新日:2024年10月01日

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小牧市では、県民運動にあわせ、平成15年度より、校長先生方に心にのこる一冊の本を紹介していただき、小冊子や掲示用ポスターにして青少年に読書をすすめる活動をしています。

~ 偶然手にした一冊の本が、自分に力や勇気・励ましを与えてくれる…
一冊の本との運命的な出合いを求めて読書の旅に出かけてみましょう!~

 

「わすれたって、いいんだよ」 上條さなえ 文 垂石真子 絵

推薦者 小牧市教育委員会教育長 中川 宣芳

主人公るりのおばあちゃんは、沖縄料理屋さんをやっています。いつもお客さんの悩みを聞いては「なんくるないさー(なんとかなるさ)」とやさしく励まします。でも、おばあちゃんは、自分の誕生日を祝うことがなく、沖縄の餅菓子「ムーチー」だけは決して作りません。そこには、沖縄での深く悲しい記憶があったからです。そんなおばあちゃんが、ある頃から料理のことを忘れたり、鍋の火を消し忘れたりするようになり、病院に行くと認知症と診断されました。そして、ある時、突然「ムーチー」が食べたいと言い出し、周りを驚かせます。病気が、おばあちゃんの子どもの頃の悲しみを和らげてくれたのです。「わすれたっていいんだよ・・・。」るりのおばあちゃんに寄り添うあたたかい言葉が胸を熱くします。この本を読んで、心にふれた思いをみんなで話し合いたいものです。

「大ピンチずかん」 鈴木のりたけ 著

推薦者 小牧市立村中小学校長 兼子 正巳

ぎゅうにゅうが こぼれた。これは 大ピンチだ。どのくらいの 大ピンチ?なりやすさは ほし 4つ。よく ある 大ピンチだ。もったいないから こぼれたのを すすって のむことにした。そうすると・・・、あたまで コップを たおしてしまった。また ぎゅうにゅうが こぼれた。

この絵本は、私が学校の図書室で見つけたものです。この他に<トイレの紙がない><犬がすごくなめてくる>などの大ピンチを、切り抜け方とともに、とても楽しく紹介しています。友だちと一緒に読めば、笑って盛り上がること間違いなしです!長い人生にピンチは付きものです。できれば避けたいものですが、ピンチが自分を成長させるチャンスになることもあります。ピンチを冷静に見つめ、楽しめるようになれたら、あなたの人生は無敵となるでしょう。そんな考え方のヒントをくれる絵本でもあります。

 

「スラムダンク勝利学」 辻 秀一 著

推薦者 小牧市立三ツ渕小学校長 竹巻 伸二

この本は、私がバレーボール部の顧問をしているときに、先輩の先生から借りて読んだ本です。もともと読書を苦手としていた私が、一晩で読み切ってしまい、すぐに自分でも購入し、繰り返し10回以上読んだ本です。スラムダンクの様々な場面を引用しながらの説明がされており、目標設定を明確にすることや感謝すること、マイナスの言動(文句・グチ・悪口)をしないことが大切であることなど、日頃の生活の場面でも役に立つ考え方(大切な心の習慣)が書かれています。読むたびに勉強になるなと感じるところが見つかり、新鮮な気持ちで読むことができました。スポーツをする人や指導する人に向けて書かれたものですが、スポーツに限らず目標に向かって努力している人には、ぜひ読んで欲しい本です。

「答えのない道徳の問題 どう解く?」 山崎博司 文 木村洋・二澤平治仁 絵

推薦者 小牧市立北里小学校長 大久保 和則

人を殴ると怒られるのに、どうして正義のヒーローは悪者を殴っていいんだろう?食べていい動物と、食べちゃいけない動物の違いってなんだろう?世の中には、算数の計算とは違って答えが見つからないことがたくさんあります。この本には、そんな「どう解く?」と思える問題がたくさん集められています。正解はありません。正しい答えを見つけようとするのではなく、自分なりの答えを見つけてみよう。いっぱい悩んでください。友達や家族とたくさん話し合ってみてください。大切なのは「なぜ?」と疑問をもち、深く考えることです。与えられた価値観に疑問をもち、自分なりの答えを見つけるためにたくさんの人と話したくなる、そんな一冊です。

「だって だっての おばあさん」 さの ようこ 著

推薦者 小牧市立米野小学校長 鈴木 久代

「だって私は98だもの」が口癖のおばあさんと5才の猫が一緒に住んでいました。おばあさんの誕生日、猫はケーキ用のろうそくを99本買いに行きました。でも、家に帰る途中、落としてしまい、ろうそくは5本しかありません。5本だけのろうそくで誕生日をお祝いしました。次の日、「だって私は・・・5才なんだもの」5才になったおばあさんはとにかく元気。5才の猫と何でもやってみようとするおばあさんの可愛らしさにくすりと笑ってしまいます。おばあさんの明るくパワフルな姿を見ていると、人はいくつからでも挑戦できるし、考え方を変えれば生き方が変わると思わせてくれる絵本です。

「あなたの言葉を」 辻村 深月 著

推薦者 小牧市立篠岡中学校長 福嶋 淳代

「友達にどう思われるかを一番気にしている・・・」私が中学校で学級担任をしていた頃、強く感じていました。それゆえに、周りの反応を気にして、自分の気持ちを表現できなかったり、意に反する行動をしてしまったり・・・。自分にも心当たりがあるけれど、「中学生って、友達に気を遣って、大変だな」と。あのとき、この本と出会っていたら、少しは子どもたちの心を軽くする声かけができたのかもしれません。「『自分の言葉』は無理にのみこむ必要もなければ、同じように口に出すことを強制されるものではありません。」をはじめとする著者のメッセージは、「あなたの言葉」を見つけていくための力になり、きっとあなたを助けてくれると思います。この本に限らず、あなたと本とのすばらしい出会いを心から願っています。

「あと少し、もう少し」 瀬尾 まいこ 著

推薦者 小牧市立応時中学校長 坂下 憲司

バトンや役目を引き継ぐ時、前の人から「頼む」と言われたら、あなたはどう答えますか。「お疲れ」「任せて」「了解」「信用して」等・・・。この本は、6人の中学生が駅伝で県大会をめざして練習し、それぞれドラマティックに3kmを走るストーリーです。カリスマ顧問が異動、3人しかいない駅伝部員は、助っ人メンバー3人を勧誘し、徐々にチームワークが高まります。美術教師の新米顧問とも信頼を築いていきます。書名「あと少し、もう少し」は、走者と彼らを支える人たちの思いが凝縮した言葉だと、感じてもらえるでしょう。何かに打ち込む小中学生には、お薦めです。物語の中で、心に刺さる言葉もあります。「○○が100%正しいだろ?」「声が力になる。」「アンカーは最終走者なんかじゃない。」等と、つい本音を表す純粋な中学生の気持ちに、グッときますよ。

「コギャルだった私が、カリスマ新幹線販売員になれた理由」 茂木 久美子 著

推薦者 小牧市立岩崎中学校長 長縄 伸一

著者は、山形県の新庄駅から東京駅を約3時間半で結ぶ、山形新幹線「つばさ」の車内販売員として、1998年から2012年まで乗車していました。山形新幹線の車体は他の新幹線より小さく、7両編成で約400名分の座席でした。その車内販売員が新庄駅と東京駅を1往復したときの平均売上金額は7万円ほど。著者は、1往復半で前代未聞の50万円という売上を出しました。落ちこぼれで、人見知り、プータローのコギャルだった著者が、通常の5倍という驚異的な売上を出したのです。その背景には、マニュアルを学んだ上でマニュアルを超えるたくさんの工夫がありました。その工夫は、「一人でも多くのお客さまとお会いし、触れあいたい。自分が笑顔をもらったように、たくさんの人を笑顔にしていきたい」という一心から生まれたものでした。人は気持ちひとつでどこまでも登っていける、心掛けひとつで人生はいくらでも変えられるということを実感させてくれる一冊です。

「大草原の小さな家 シリーズ全巻」 ローラ・インガルス・ワイルダー 著

推薦者 小牧市立桃陵中学校長 西尾 雅

この本は、著者ローラ・インガルス・ワイルダーがアメリカのウイスコンシン州に生まれてから成人して就職・結婚するまでの自伝的作品のシリーズ(全8巻)です。私はこの物語をこれまで何度も読み返しています。なぜなら、この本には、見たことも行ったこともないアメリカの開拓時代の生活と文化が、主人公ローラの視点で生き生きと描かれ、その一つ一つにとても心が躍らされるからです。さらに、その時代のアメリカの学校や生徒、先生の様子や学習の様子もわかり、「だから今もアメリカはこうで日本はこうなんだ」と納得できたりする部分がたくさんあります。ぜひ、みなさんにも一度読んでほしい物語です。古き良き時代のアメリカとその文化に思いを馳せながら、主人公ローラとともに大草原の息吹を感じてみてください。

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