令和8年度 心にのこる一冊の本(教育長・市内小中学校長の読書体験)
更新日:2024年10月01日
小牧市では、県民運動にあわせ、平成15年度より、校長先生方に心にのこる一冊の本を紹介していただき、小冊子や掲示用ポスターにして青少年に読書をすすめる活動をしています。
~ 偶然手にした一冊の本が、自分に力や勇気・励ましを与えてくれる…
一冊の本との運命的な出合いを求めて読書の旅に出かけてみましょう!~
「こんとあき」 林 明子 作・絵
推薦者 小牧市教育委員会教育長 中川 宣芳
いつも一緒にいる大好きなぬいぐるみやおもちゃはありませんか?この絵本に出てくるきつねのぬいぐるみ「こん」は、「あき」が生まれた時、おばあちゃんが作ってくれ、ずっとそばにいる特別なぬいぐるみです。ある日、そのこんの腕が、ほころんでしまいました。そこで、こんの腕を直してもらうため、こんとあき二人で電車に乗り、さきゅうまちのおばあちゃんの家へと旅に出ます。ところが、旅の途中、二人に思いもしない大ピンチが待ち受けています。それでもこんは、自分がどんなにボロボロになろうとも、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とあきを守ろうとするのです。ハラハラ、ドキドキしながらもなんとかたどり着いたおばあちゃんの家。そこは、とってもあったかで、読み終わった後、心もじんわり温かくなります。こんが繰り返す「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という誰をも包み込む温かい言葉をぜひ味わってみてください。
「にじいろの さかな」 マーカス・フィスター 著 谷川 俊太郎 訳
推薦者 小牧市立小牧小学校長 奥田 年哉
『にじいろの さかな』は、マーカス・フィスター原作の、世界中で読まれている人気の絵本です。海の中でいちばんきれいな、きらきらと輝くうろこを持った「にじうお」が主人公です。「にじうお」は、自慢のうろこをだれにもあげたくありませんでした。でも、友だちとの出会いや関わりを通して、本当に大切なものは何かに気づいていきます。美しい絵と心あたたまる物語を通して、友だちと分け合うことの喜びや、思いやりの大切さを感じることができます。子どもも大人も楽しめる、長く愛されているすてきな絵本です。ぜひ手に取ってみてください。読み終わったあとには、きっと心があたたかくなって、大切な友だちのことを思い出しますよ。
「アンの青春」 モンゴメリ 著
推薦者 小牧市立小牧南小学校長 福岡 恭子
有名な『赤毛のアン』の続編です。想像力豊かでおしゃべりで、失敗の多い少女だったアンが、教師となって、人の気持ちを考えられる大人へと成長していく時代を描いています。教師として、どの子にも優しく向き合い、一人一人のよさを見つけようとするアン。年齢や立場に関係なく町の人々と心を通わせ、気持ちに寄り添うアン。失敗や悩みを経験して成長していきます。私自身、高校生になる頃にこの本と出会い、「教師になりたい」と思うようになりました。一生懸命生きるアンの姿がとても幸福そうに見えたからです。アンの幸福哲学は「今に最善を尽くすこと」「失敗してもあきらめないこと」「良心に恥じない生き方をすること」「感謝の気持ちを忘れないこと」です。現代社会を生きる子どもたちも、人と人とのつながりの中で、幸福に生きてくれることを切に願います。
「むれ」 ひろた あきら 著
推薦者 小牧市立三ツ渕小学校長 竹巻 伸二
この本は、令和7年度の新1年生に三ツ渕学区コミュニティー推進協議会から贈られた本です。本の選定には三ツ渕小学校へ来てくださっている学校司書の前田ゆう子さんに協力していただきました。はじめは同じむれの中から、ちがうものを探して楽しむのかなと思います。例えば「ひつじの むれです。 いっぴきだけ けが ありません。」と書いてあるので、ひつじの群れから毛が生えていないひつじを見つけます。「さかなの むれです。 いっぴきだけ ほねです。」と書いてあれば、さかなの群れから骨だけになっているさかなを見つけます。しかし、読み進めていくと、「みんなと同じでなければいけないのかな?」という考えが浮かんできます。ページをめくるたびに、「発見」もあってわくわくしてきます。最後には、大人も考えさせられる。そして、心が温まる感じがしてきます。ぜひ、読んでみてください。
「希望の地図 3・11から始まる物語」 重松 清 著
推薦者 小牧市立味岡小学校長 加藤 和昭
中学受験に失敗して不登校になった少年「光司」とフリーライターの「田村」が東日本大震災直後の現地を取材旅行するストーリー。泥だらけになった写真をきれいにして、思い出を形として残していく『写真救済プロジェクト』への参加からスタート。その後、避難所、地元新聞社、水族館、FMラジオ局、図書館、フラガール、ホテルなど、被災した町や村を巡って人々の話を聴きながら復興について考えていきました。その中で建物や交通機関の復興も大事だけれど、それとともに被災した人々の心の復興がもっとも大切だということに気づいていく「光司」。自分なりに被災地の人々に関わる希望の地図を作り始めていきました。『希望と夢の違いって何だと思います?』の問いかけに・・・じっくり考えてしまいました。みなさんは何だと思いますか?
「霧のむこうのふしぎな町」 柏葉 幸子 著
推薦者 小牧市立北里小学校長 後藤 美千子
小学校6年生の夏休み、リナはお父さんのすすめで、電車を乗り継ぎ「霧の谷」を訪れます。ようやく着いたその町で、お父さんが持たせてくれたピエロの傘によって「ふしぎな町」へと導かれます。深い緑の森の中に突然現れた赤やクリーム色の家々と石畳の道。まるで外国へでも来たかのような、でも、たった6軒の町並み。そこには、少し変わっているけれど心あたたかな人たちが暮らしていました。リナは、この「ふしぎな町」で、自称「魔法使いの子孫」という住人たちとの出会いや不思議な出来事を通して、「自分にできること」や「本当に大切なこと」を学んでいきます。私は小学生のとき、この本が大好きでした。近くの林や山の中にも、こんなふしぎな町があるかもしれない・・・そんな想像をして、わくわくしたものです。そんな、本との出会いがもたらすわくわく感を、ぜひ味わってほしい一冊です。
「木曜日にはココアを」 青山 美智子 著
推薦者 小牧市立一色小学校長 辻ノ上 実友希
桜の木が立ち並ぶ川沿いの通りにある「マーブル・カフェ」に、毎週木曜日にやってきて、毎回同じ席でココアを注文し、手紙を書く一人の女の人がいます。この女の人を中心として、カフェの店員やお客さんなど、それぞれ悩みを抱えながらも前向きに生きる人たちが不思議なつながりで登場します。東京とシドニーを舞台にした12個のお話にはそれぞれに「色」の名前がついており、キーワードになっています。だれでも、物事がうまくいかなかったり、すべてが嫌になってしまったりすることがあると思います。この本には、日常のちょっとした優しさや目に見えない人と人の絆が描かれており、読み終えた後は、何だか心が温かくなり、気持ちの落ち着きを取り戻すことができます。それは、まるで温かいココアを飲んだときの優しい気持ちに似ているような気がします。毎日に少し疲れてしまった時、あなたの心をそっと癒やしてくれるおすすめの1冊です。
「新訳 少女ポリアンナ」 エレナ・ポーター 著 木村 由利子 訳
推薦者 小牧市立本庄小学校長 小栗 幸子
つらいとき、悲しいとき、あなたならどうする?この物語は、どんなにつらいことがあっても、その中から嬉しいことを見つける「嬉しい探し」ゲームの天才、ポリアンナが主人公です。以前、放映されていたテレビアニメ『愛少女ポリアンナ物語』の原作でもあります。この物語を読んだとき、どんなピンチも前向きに変換してしまう姿に私はあこがれ、「自分もこうなりたい!」と強く思いました。彼女の明るさは、まわりの大人たちの心も、街全体も、そして読んでいる私たちの心までハッピーに変えてくれます。言葉を一つ変えるだけで、目の前の景色はガラリと変わります。毎日をワクワクしたものに変えてくれる「嬉しい探し」の魔法。ぜひみなさんにも出会ってほしいです。
「ええところ」 くすのき しげのり 作 ふるしょう ようこ 絵
推薦者 小牧市立桃ヶ丘小学校長 遠藤 一人
「わたし、このごろおもうねん。わたしには『ええところ』なんか ひとつもないって。」あいちゃんは、自分のよさが見つからず、なみだがこぼれます。でも、友達のともちゃんが、あいちゃんのステキなところを見つけ、教えてくれました。友達に認められる嬉しさや、自分の「ええところ」に気づく喜びが、じんわりと心に広がっていきます。読み終わったときには、きっとみなさんも、「自分にもええところがあるかな」「あの子のええところは何だろう」と探してみたくなります。そして、自分のことが少し好きになり、友達のことももっと大切に思えるはずです。心があたたかくなる、素敵な一冊です。
「チームふたり」 吉野 万里子 著
推薦者 小牧市立陶小学校長 中林 一成
『チームふたり』は、小学校の卓球部を舞台にした成長物語です。主人公の大地は、卓球が大好きな6年生で、部のキャプテンを務めています。小学校生活最後の大会で県大会出場を目指す大地は、実力のある同級生とペアを組むつもりでいました。しかし顧問の先生から指示された相手は、一生懸命に練習するものの、まだ経験の浅い5年生の純でした。思い通りにならない現実に戸惑う大地ですが、大会までのさまざまな出来事を通して、周りの人の立場や気持ちを考えられるようになっていきます。そして、本当のチームワークとは何かを学んでいきます。人は誰しも困難に出会いますが、それを乗り越えることで成長できることを、この物語は教えてくれます。小学生はもちろん、中学生以上の方にも、自分自身を見つめ直すきっかけとなる一冊としておすすめします。
「はじめてであう すうがくの絵本」 安野 光雅 著
推薦者 小牧市立味岡中学校長 鈴木 健司
「すうがく」と聞くと、むずかしそうだと思う人もいるかもしれません。でも、この本はちがいます。絵を見ながら「あれ?」「どうしてだろう?」と考えているうちに、数や形、きまりのおもしろさに出会える一冊です。すてきな絵の中には、小さな発見がいっぱい。ページをめくるたびに、宝探しをしているような気分になります。私は子どもに読んであげようと思って手に取りましたが、気がつけば自分の方が夢中になっていました。親子で「なるほど!」と考える時間が楽しかったことを覚えています。小学生にはもちろん、中学生にもおすすめ。数学を学ぶ前に、数学を好きになるきっかけをくれる本です。「数学は答えを出すだけじゃない。考えるって、こんなに楽しい!」何度でも開きたくなる、とっておきの一冊です。
「逆境を打ち破る イチローの名言」 桑原 晃弥 著
推薦者 小牧市立篠岡中学校長 鈴木 和弘
大谷翔平選手が活躍する現在、メジャーリーグで多くの日本人選手がプレーしていますが、打者として最初に道を切り開いたのはイチロー選手です。愛知県豊山町出身のイチローは、プロ野球で7年連続首位打者、メジャーでは10年連続200安打、シーズン最多安打記録、さらに10年連続ゴールドグラブ賞など、数々の偉業を成し遂げました。2025年1月には、アジア人選手として初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしています。引退後も日々トレーニングを続け、高校での指導や女子野球チームとの交流など、野球の普及に力を注いでいます。本書では「自分の強みを活かしきる」「自分なりに考え試行錯誤する」「当たり前のことを怠らない」といったイチローの言葉に触れ、夢をもつことの大切さ、その夢を一途に追いかける素晴らしさなどに出会えます。
「さよならドビュッシー」 中山 七里 著
推薦者 小牧市立桃陵中学校長 西尾 雅
作者の中山七里さんは、たくさんのミステリー小説を今も精力的に生み出されている岐阜県生まれの作家です。どんでん返しの帝王と呼ばれ、また、音楽・医学・法学の分野に豊富な知識をもち、それぞれの分野が舞台の作品には半端ないリアリティがあります。中でも特におすすめしたいのが、ピアニスト岬洋介が活躍する音楽ミステリーシリーズです。「さよならドビュッシー」を皮切りに、「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」・・・とシリーズは続きます。それぞれのタイトルにある作曲家の曲にのせてストーリーが展開しますが、必ず出てくるピアニストの演奏シーンは圧巻です。目に見えない音楽、本を読むだけでは聴こえるはずのない音楽を、演奏者の息遣いまで再現し文章でここまで表現できるなんて本当にすごい!ぜひ音楽を読んで「聴きながら」、ミステリーの謎解きとその意外な結末も楽しんでください。やみつきになること間違いありません!
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