平成29年度 心にのこる一冊の本(教育長・市内小中学校長の読書体験)

更新日:2017年10月05日

小牧市では、県民運動にあわせ、平成15年度より、校長先生方に心にのこる一冊の本を紹介していただき、小冊子や掲示用ポスターにして青少年に読書をすすめる活動をしています。

~ 偶然手にした一冊の本が、自分に力や勇気・励ましを与えてくれる…
一冊の本との運命的な出合いを求めて読書の旅に出かけてみましょう!~

 

「なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?」 志賀内 泰弘 著

推薦者 小牧市教育委員会教育長 安藤 和憲

この本の著者は、志賀内泰弘といいます。志賀内さんを初めて知ったのは、「プチ紳士からの手紙」という月刊誌の中で、彼の手がける文章を目にしたのがきっかけでした。志賀内さんは、「プチ紳士プチ淑女を探せ運動」を続けていることでも有名です。この「プチ紳士プチ淑女を探せ運動」とは、『なかなか善行はできない。ましてやボランティアなんて堅苦しい。「いい話」や「美談」なんてあるようで少ない。そんな世の中だから、他人の心遣いに触れて、本当に嬉しくなることがある。無理しなくても、できる範囲のよい事をすればいい。あなたの街に埋もれている小さな親切を探してみませんか。それが、これからの生き方のお手本になるはずです。』そんな「プチ紳士プチ淑女」を称えることで、思いやりでいっぱいの世の中を創ろうという運動です。

この本は、志賀内さんの思いの詰まった、読む人の心をとても温かくしてくれる一冊です。お話の内容は、一人のアルバイト店員の力で、どんどんとお客さんが集まり始め、廃業寸前のコンビニを見事に立ち直らせる物語です。

皆さんは、大人になれば社会人として働くことになります。この本は、そんな皆さんに、働く勇気と元気を与えてくれるお勧めの一冊です。

 

「中江藤樹」 千葉 ひろ子 著

推薦者 小牧市立小牧小学校長 山田 好広

「日本の歴史上好きな人物はだれですか。」と問われたらみなさんなら、だれを思い浮かべますか。私は迷わず「中江藤樹(近江聖人)」と答えます。内村鑑三の「代表的日本人」という本の中にも、二宮尊徳、日蓮上人、西郷隆盛、上杉謙信と並んで中江藤樹があげられています。

江戸時代の初めに生きた人ですが、中江藤樹は相手が武士であっても、職人であっても、農夫であっても、たとえ文字の読み書きのできない人であっても、人としていかに生きるべきかということをわかりやすく伝えるようにしました。

中江藤樹の「五事を正す」という教えの中では、私たちが大切にすべきことが示されています。

貌(ぼう) 和やかな顔つきで人と接しましょう

言(げん)  思いやりのあることばで、相手と話しましょう

視( し)  やさしいまなざしで人を見、物を見るようにしましょう

聴(ちょう) 人の気持ちに立って、相手の話を聴きましょう

思( し)   真心を込めて、相手のことを思いましょう

中江藤樹の伝記を読むと、これから周りの人のためにがんばろうという気持ちがわき起こってきます。ぜひ、一度読んでください。

 

「ボッコちゃん」 星 新一 著

推薦者 小牧市立三ツ渕小学校長 杉浦 嘉一

この本は主にSF小説などを書き、特に「ショートショート」という短編小説で有名な星新一さんが書いた本です。この本は、当時中学生だった私に、読書の楽しさを教えてくれた心にのこる1冊です。

表題作品「ボッコちゃん」をはじめとして、「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「来訪者」「月の光」「猫と鼠」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」などの、ミステリー、SF、ファンタジー、寓話などのいろいろなジャンルの短編小説「ショートショート」50編が納められた作品です。

それぞれの作品は短い話の中で起承転結がしっかりとしていて、話の最後には思わず「うーん・・・」と唸らされる「落ち」があり、心に深い余韻を残してくれます。

46年前の1971年に発行された本ですが、今読んでも新鮮で、話にどんどん引き込まれていく飽きないおもしろさがあります。それは、楽しくユーモア溢れる発想や、人間や社会への意外な視点からの風刺が読む人の知的好奇心をくすぐるからだと思います。そして何よりも、それぞれの作品全てが「人間社会がどうあるべきか」「人にとって大切なものはなんであるのか」をブラックジョークを交えて深く考えさせてくれます。

たくさん子どもたちにぜひ1度は読んでほしい、どんなに時が流れても決して色あせることのない星新一の代表作です。

 

「坊っちゃん」 夏目 漱石 著

推薦者 小牧市立味岡小学校長 梶田 敏文

日本近代の文豪、夏目漱石の初期代表作の一つ。1906年に発表されているので、もう100年以上読み継がれている名作です。

坊っちゃん、山嵐、うらなり、赤シャツ、野だいこなど、登場人物が個性的で面白く、歯切れのよい文章と「坊っちゃん」の人間的魅力によって、どんどん小説の世界に引き込まれていきます。「坊っちゃん」の江戸っ子特有のべらんめえ口調のリズムとテンポが小気味よく、さわやかです。

この小説の読みどころはなんといっても「坊っちゃん」の正義感と無鉄砲さです。嘘が嫌いでまっすぐな性格、後先考えずに自分が納得するまで行動し続ける姿は、あっぱれの一言です。読んでいて、笑えて、スカッとします。読書が楽しいと思った一冊です。

 

「青空のむこう」 アレックス・シアラー 著

推薦者 小牧市立陶小学校長 河内 正人

「青空のむこうから、ひとりの少年が降りてきた。やり残したことがあるから・・・・」

何とも興味をそそられるキャッチコピーです。そんなポスターで紹介されていたこの「青空のむこう」という本。

突然の交通事故で亡くなってしまった主人公ハリーが死者の国から地上に舞い降り、心残りを解決しようとするお話。生きている間には見えなかった、聞こえなかったこと。なくしてから気づいた大事なこと。それを取り戻そうと、ハリーの冒険が始まります。読んでいくうちに「死」という悲しさや切なさとともに、何だかどこかキラキラした希望が見えてくる、とっても不思議な物語です。

246ページというボリュームではありますが、文章はとてもわかりやすく、小学校高学年の児童なら十分に理解できる内容だと思います。ぜひ、読んでみて、自分自身がどう感じるか。感じたことを大切にしてほしいと思います。

 

「銀河鉄道の夜」 宮沢 賢治 著

推薦者 小牧市立篠岡小学校長 大森 健司

宮沢賢治が大好きです。「グスコーブドリ」の生き方が賢治の生き方だと思います。あこがれています。この「銀河鉄道の夜」も、もちろん大好きな作品です。

ジョバンニが、親友のカンパネルラと出かけた一夜の旅。

「ダイヤモンド会社で…かくして置いた金剛石(ダイヤモンド)を、誰かがいきなりひっくりかえして、ばらまいた…」「…ほたるのように、ぺかぺか消えたりともったり…」「青じろくぼうっと光ってけむり…さっとその銀色がけむって…やさしい狐火のように」

二人は、美しい光景に包まれ、不思議な体験をします。

「まことのみんなのしあわせのためにわたしのからだをおつかいください。」というサソリの言葉 「誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばんしあわせなんだねえ。」カンパネルラのこの言葉が、ぐるぐるとまわっている。

ジョバンニは、ほんとうに銀河鉄道に乗ったのでしょうか。「さいわい」って…。何回読んでも、いいなぁと思える一冊です。

 

「ポケットの中のプレゼント」 柳澤 恵美 著

推薦者 小牧市立小牧原小学校長 吉原 文子

「生きる」とはどういうことだろうかと真っ向から考えたことはありますか。皆さんは、今、十代を生きています。人としての成長過程にあります。心も頭も身体も大事なことをどんどん吸収して、大人としての自分を確立していくときです。「幸せになってほしい」「責任ある大人になってほしい」「次の時代のバトンをしっかりと受け継いでほしい。区切りとなる二十歳までに」と、親や周りの大人は切に願っています。

この絵本には、そんな母の愛情が溢れています。設定は、うさぎの国のお話になってい「ます。一歳から二十歳までの誕生日に、子どもの成長を温かく見守りながら、ポケットにプレゼントを入れていきます。全部で二十個、母がプレゼントを通して、どんな大人に成長していってほしいのかを考えることを読者に示唆しているのが、この本の素晴らしいところです。作者の柳澤恵美さんは、二人の子どもが二十歳になるまで生きられませんでした。この絵本に、大いなる母の想いを託したのです。作者の生き方に、深く感動しました。ぜひ、大人になったときにも読み返してみてください。

 

「おりづるのたび」 うみの しほ 著

推薦者 小牧市立光ヶ丘小学校長 関戸 祥子

千羽鶴を知っていますか。

2016年オバマ米大統領が、広島訪問の時に折鶴を持ってみえました。折鶴は、平和の象徴でもあります。それには、こんな理由がありました。

1945年日本に原爆が投下され、多くの方が亡くなりました。しかし、放射能の影響は、ずっと続きました。2歳で被爆した禎子さんも、9年後に病気になってしまいます。千羽鶴に願いを託して、毎日毎日鶴を折りました。「病気が治りますように・・・」家族や友達も同じように祈りながら。しかし、その願いはかないませんでした。

その後、たくさんの子どもたちの願いが、形になり、広島の平和記念公園に「原爆の子の像」が立ちました。二度と禎子さんのような思いをすることがないように。平和な世界が続くようにと。そして、平和を願う活動は、モンゴルに、アメリカに、世界に広まりました。

戦争を知らない私たちも、戦争のこと、平和のことを考える機会をもち、思いを繋いでいきたいですね。

 

「円周率の謎を追う 江戸の天才数学者・関孝和の挑戦」 鳴海 風 著

推薦者 小牧市立大城小学校長 梶田 光俊

この本は江戸時代の数学者、関孝和が数学書にある謎を追究し、その謎を解こうと挑戦する姿を描いたものです。

関孝和は、「問題を解くこと」ではなく「どんな問題でも解くことができる理論や方法」を追究しました。彼の発見したさまざまな理論、中でも、円周率の求め方やその値は、当時の世界最先端であるヨーロッパの数学にも先んじたものでした。そして、その業績は高く評価され、世界でも有名な数学者の一人となっています。

ですが、その業績は彼の死後200年以上経ってから認められ、現在に伝えられています。彼の業績は、当時の幕府の公式記録にはなく、普通の侍として仕事や家庭を大切にしていたとされています。つまり、現代ならどこにでもいる、ごく普通のサラリーマンのお父さんです。

世の中には、大きな評価が得られなくても自分の仕事をまじめに続け、家庭や地域の生活も大切にする人間的な魅力と愛情豊かな人がたくさんいます。そんな人たちの姿と重ね合わせながら、関孝和が、家族や地域の人々とかかわり、数学書にある謎を追究しようと挑戦する様子を楽しんでください。

 

「心に響く小さな5つの物語」 藤尾 秀昭 著 片岡 鶴太郎 挿絵

推薦者 小牧市立大城小学校長 梶田 光俊

この本は江戸時代の数学者、関孝和が数学書にある謎を追究し、その謎を解こうと挑戦する姿を描いたものです。

関孝和は、「問題を解くこと」ではなく「どんな問題でも解くことができる理論や方法」を追究しました。彼の発見したさまざまな理論、中でも、円周率の求め方やその値は、当時の世界最先端であるヨーロッパの数学にも先んじたものでした。そして、その業績は高く評価され、世界でも有名な数学者の一人となっています。

ですが、その業績は彼の死後200年以上経ってから認められ、現在に伝えられています。彼の業績は、当時の幕府の公式記録にはなく、普通の侍として仕事や家庭を大切にしていたとされています。つまり、現代ならどこにでもいる、ごく普通のサラリーマンのお父さんです。

世の中には、大きな評価が得られなくても自分の仕事をまじめに続け、家庭や地域の生活も大切にする人間的な魅力と愛情豊かな人がたくさんいます。そんな人たちの姿と重ね合わせながら、関孝和が、家族や地域の人々とかかわり、数学書にある謎を追究しようと挑戦する様子を楽しんでください。

 

「カジコギ」 趙 昌仁 著

推薦者 小牧市立応時中学校長 永田 春季

本を読んで不覚にも泣いてしまったのは、久しぶりだ。家の書棚の中で見つけた一冊の本・・・嫌なことで汚れてしまった心をきれいに洗い流してくれたような気がする。親と子の愛情の深さを感じないではいられない一冊だ。

本のタイトルである『カシコギ』いうのは、雄が、孵化した稚魚がひとり立ちするまで、涙ぐましい努力を重ね守り育て、一年という短い生涯を終える習性を持つトゲウオ科に属す魚のことだ。書名が暗示しているように、父と子の愛情を描いたこの作品は、残念ながら絶版になっているが『グッドライフ』と題名を変え再出版された。翻訳の方も仕事を進めながら感涙にむせび、何度も筆を止めてしまったという逸話が残っている。泣きたい方にお薦めの逸品だ。

 

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