小牧市におけるジュニアスポーツ振興方策について

更新日:2017年08月31日

はじめに

小牧市ジュニアスポーツ振興検討委員会(以下「検討委員会」という。)は、平成12年5月1日、小牧市教育委員会より「平成14年度からの学校週5日制の完全実施に伴い、小中学校の運動部活動の在り方を含め、本市におけるジュニアスポーツの振興方策について」諮問を受けた。 これまで、検討委員会においては、専門部会を中心に本市における小中学校の運動部活動とジュニアスポーツ活動の現状を見直し、それぞれの課題に対する方策について協議を重ねてきた。 協議の中で、各委員からは、昨今の児童生徒をとりまく教育環境の変化、社会情勢の変化には、めまぐるしいものがあり、振興方策の策定に当たっては、活動の主体である児童生徒のニーズを満たし、活動を支える人的環境(保護者の理解、指導者スタッフの整備等)及び物的環境、並びに小牧市全体のスポーツに係る運営組織を抜本的に見直し、着実に整備を進める必要があると指摘されてきた。 また、ジュニアスポーツ振興方策の実行は、平成14年度からの学校週5日制の完全実施の時期を目途とした中期的な展望のもと、段階的に進められることの必要性が確認された。折しも中央では、保健体育審議会による「スポーツ振興基本計画の在り方について-豊かなスポーツ環境を目指して-」と題する文部大臣からの諮問に対する中間報告が発表された。その内容を見ると、生涯にわたりスポーツに親しむことができる豊かな「スポーツライフ」を送ることの意義を認め、スポーツ活動を学校部活動の場だけに求めるのではなく、地域社会が一体となり、「生涯スポーツ」・「競技スポーツ」を推進するため、「総合型地域スポーツクラブ」等のスポーツ環境整備に努めることについて述べられている。 こうした状況の中、今回の諮問事項に対し、下記5項目について検討を加え、答申をまとめることとした。

  • 今後のジュニアスポーツ振興の課題
  • 児童生徒の主体的選択
  • 運営組織の再構築
  • 物的環境の整備
  • 人的環境の整備

このたび検討委員会では、ジュニアスポーツの振興方策について、保健体育審議会の「中間報告」並びに今後文部大臣に提出される答申内容に準拠しつつも、小牧市の実情にあう中、長期的視野に立ったものになるよう慎重に審議を重ね、結論を得たので、ここに答申を行うものである。

小牧市におけるジュニアスポーツ振興の課題と方策

今後のジュニアスポーツ振興の課題

保健体育審議会の中間報告では、「向こう10年間の間に市町村単位で各地域に総合型地域スポーツクラブを設立し、生涯スポーツの普及と競技力の向上を目指す」指針が示されている。これは、5年前から部活動と社会体育との連携の中で、楽しみ志向の育成活動と競技志向の強化活動を同時に行ってきた本市のジュニア育成活動の方向性と何ら変わるものではない。 しかしながら、本市におけるジュニア育成活動は、各競技団体の組織整備(指導者の確保)等に時間がかかり、単一会場での組織内単独型チーム的な活動形態になっているのが現状である。本来、ジュニア育成活動は、ジュニア育成本部を中心とし、同じ種目であっても、市内各地域で広く活動が展開されるのが望ましいと考える。また、各小中学校における運動部活動は、各学校の教員の構成や児童生徒数等の要因により活動種目の縮小傾向や中学校の全員参加制にともなう不適応等の様々な支障が生じてきている。 これに対し、本市においては、学校週5日制の実施にあわせ、従来の学校部活動の形態について、検討・改善がなされてきているが、まだまだ十分な状況ではない。さらに、従来のジュニア育成活動、学校部活動は、同じ種目でもそれぞれが独自の指導組織を持ち、活動の主体である児童生徒の活動に種々の混乱を来しているのも事実である。 そこで、本答申においては、児童生徒のニーズに配慮しつつ、当面は現状の組織を生かす中で指導組織を下図のように整備し、ジュニア育成活動の振興を図る方策とした。

構想図

単独型ジュニア育成クラブ(現行一校一チーム型部活動)

学校部活動と学校外活動との融合型スポーツクラブ

従来の各小中学校単位の学校部活動においては、平日を中心とした指導は、教員に偏っていたのが否めない事実である。ところが、学校現場の現状は、平日の午後会議等が組まれ、指導に当たることができない場合が多々見受けられ、活動が停滞気味になる傾向があった。 また、本市においては部活動を公式大会以外の第2・4土曜日・第3日曜日は行わないように申し合わせてきた。しかし、集団で行う球技種目等は、時間的な制約から休日でなければ日頃の練習の成果を発揮するための練習試合等が行いづらい状況にあるのも事実である。 保健体育審議会の中間報告にもあるように「児童生徒の学校外活動の保障」「バランスのとれた生活やスポーツ傷害の予防」の観点からも、週1日程度の休養日を設けたり、練習日数・練習時間を適切に設定したりすることは重要なことである。そこで、従来の学校部活動を児童生徒の多様なニーズに応え得る柔軟な組織にし、活動の充実を図るためには、学校部活動顧問だけによる指導ではなく、各種競技団体や小学校区スポーツ振興会(以下「振興会」という。)等の地域指導者の協力による協同的な指導組織の確立が必要となる。

連携型ジュニア育成クラブ(複数校合同部活動)

連携型ジュニア育成クラブへの発展には、本年度から活動が可能となった複数校連携型部活動と従来のジュニア育成活動の整備が考えられる。 本市における現行の部活動は、一校一種目で行われており、児童生徒の減少により部員数が確保できなくなった学校の部活動は廃部を余儀なくされているのが現状である。少子化の影響もあり、この傾向は今後ますます進むことが懸念される。このような状況においては、児童生徒のニーズに応えるべく複数校連携による部活動の推進も必要となる。 また、現在行われているジュニア育成活動については、前述したように、市内各地域で活動が展開されるようになることが望ましい。

児童生徒の主体的選択

各学校で行われる活動種目によっては、人的・物的両面の事情から開催できない種目も考えられるため、場合によっては校区に限らず参加できる体制づくりが必要である。 また、中間報告の中で「中央レベルから地域レベルまでが一体となったトップレベル選手育成のための一貫指導」において、「ジュニア期の競技者を効果的に育成するために、ジュニア期に複数の競技種目を体験させる」必要性を説いているように学校対抗形式にこだわらない児童生徒の立場に立った種目選択ならびに活動選択ができることも必要である。 そのためには、下記のとおり児童生徒の主体的な選択を保障する柔軟な環境づくりに努めなければならない。

  1. 平日(月曜日~金曜日の通常授業が行われる日)のみの活動、休日(土曜日、日曜日、祝祭日)のみの活動、平日・休日両方の活動を自由に選択できる。
  2. 平日・休日活動に限らず、会場は自由に選択できる。
  3. 複数種目の選択を可とする。

運営組織の再構築

総合型地域スポーツクラブの確立のためには、広域スポーツセンターによる支援が必要不可欠であると中間報告の中で説かれている。この広域スポーツセンターの中心的役割こそが小牧市に置き換えた場合、体育協会の組織そのものにあてはまるものと考える。よって、小牧市のスポーツ振興のためには市全体レベルでの取り組みが必要であり、行政のみならず、学校、その他の組織をはじめとした市全体の組織の再構築が必要であると考える。

社会教育主事(スポーツ担当)の配置

体育協会内にスポーツ担当の社会教育主事を配置し、体育協会を核とした一体型の組織づくりに努める。

競技団体の組織再構築

ジュニア層から老人層までと障害者の活動および指導組織の確立。

当該種目において、市内で行われている、また、今後行われるであろう活動集団(チーム)すべての掌握と組織加入の斡旋を行う。

スポーツリーダーバンクの設置

地域別指導者の集約と指導者の斡旋サービス体制の確立とその活用の促進を行う。

指導者の育成

各種競技団体内で、指導者養成事業に積極的に人材を送り込み、優れた指導者の育成を行う。

トレーニングセンター活動(強化部門)の充実

各種競技団体ごとにジュニア層(児童生徒)の競技志向的活動(強化指導)を位置づけ、計画的に指導する。

現行のジュニア育成本部を存続させ、各種競技団体に対して、ジュニア層の強化指導に関する指導的役割が果たせるようにする。

スポーツ振興会と各種競技団体との連携

現在、体育協会の各種競技団体内にはジュニア育成クラブ組織が設けられ、10種目が実際に活動している。今後は、現在中学生が活動している 残りの部活動種目においても早急に活動できる体制を整えると同時に、10種目においても拡大を図っていく必要がある。一方、振興会においては、現在、市内16小学校区それぞれの地域の実態にあった形で様々なスポーツ種目の活動が盛んに行われている。先のジュニアスポーツ振興の課題でも触れたように、小学生のジュニア育成活動を各地域の振興会の中に取り込めば、地域に根ざした理想的なジュニアスポーツ振興の形ができあがる。 また、もう一つ振興会に期待されることに、地域のスポーツ指導者の発掘がある。地域によっては、種目ごとの指導者に偏りがある場合もある。地域で指導できる人材を各種競技団体に積極的に紹介・登録していくことにより、児童のニーズがあっても指導者のいない地域には、競技団体から指導者の派遣が可能になる。振興会と各種競技団体の両者が重なっていた役割をそれぞれが分担し合うことにより、さらに両者の活動が有効に機能し、小牧市全体のスポーツの振興・発展に寄与するものと考える。

物的環境の整備

平日はもとより休日においても児童生徒が活動できる市内の運動施設は、学校をおいて他にはなかなか見当たらない。また、児童生徒に限らず、市民全体がスポーツ活動を行うときも学校以外の施設だけでは不足するのが現状である。将来的に市の総合体育施設を核とし、地域に根ざした総合型地域スポーツクラブを定着させるならば、学校施設等の活用も考慮すべきである。このような実態から、まず運動施設等の物的環境を整えるには、学校施設の整備充実を図る必要がある。

  1. ナイター照明機器の設置
  2. 中心となる競技種目の用具(ゴール、ネット等)の整備
  3. 運動場の芝生化
  4. シャワー、集会(談話)室等を備えたクラブハウスの設置

人的環境の整備

近い将来、ジュニア層のスポーツ活動も学校任せであった部活動から親世代も含めた地域のスポーツ活動へ変化していくという意識改革を図っていく必要がある。中間報告の中にも、「これからの総合型地域スポーツクラブの在り方は、無償で与えられるスポーツではなく、受益者負担による地域住民が自ら経営していくスポーツクラブにしていく」とあるように、ジュニアスポーツの振興にも保護者を中心とした地域住民の理解協力が必要となってくる。

  1. 競技または指導経験のある保護者および地域住民のスポーツリーダーバンクへの積極的な登録と児童生徒のジュニア育成クラブへの指導協力
  2. 保護者のクラブ運営への積極的参加
    施設管理補助(運動施設の開・施錠等)
    マネジメント補助(クラブ会計等)
    その他(練習試合や大会の引率に関わる協力等)

具体的展開

ジュニアスポーツ振興にとどまることなく、小牧市全体のスポーツ振興の観点から前述した方策について、中・長期的視野に立ち、方策の実行を段階的に行っていくように努めたい。 平成12年度答申案策定ジュニアスポーツ振興の方向性に対する合意形成

平成13年度児童生徒の主体的選択の確立、運営組織の再構築

平成14年度ジュニアクラブのモデル試行

平成15年度ジュニアクラブへの移行振興方策の見直し

おわりに

検討委員会においては、小牧市におけるジュニアスポーツ振興について、従来の学校運動部活動の枠にとらわれることなく、児童生徒が地域社会の一員として主体的に学校内外のスポーツ活動に参加し、多様なニーズに応え得るものにしていこうと審議を重ねてきた。 従来の学校運動部活動については、児童生徒数の減少等による廃部の増加や指導者の不足、勝利至上主義に偏った活動の過熱化等々、多くの問題を抱えながらも、それにかわる活動とのかかわりが思うように進まず、旧態依然とした形態をとる傾向が強い。 また、その見直しを図る場合も、指導者側の論理が優先される傾向が強かった。今回の答申においては、そうした過去の反省も踏まえ、活動の主体である児童生徒、教員・地域の人材等指導者、活動にかかわる人々をとりまく様々な環境、そして、市全体として運営を円滑に行う組織にと、よりよいスポーツ環境の整備のため、中・長期的視野に立ち、多角的に検討の目を向けていった。しかしながら、刻々と変化する社会情勢の中では本答申で示す方策が、現実にそぐわないものになる場合も予想される。そのため、定期的に各方策については見直しを図り、より現実的な生涯学習社会の中でのスポーツ環境の整備に努めていくことを切に願うものである。

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 スポーツ推進課 スポーツ推進係
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