生活保護
更新日:2024年08月14日
生活保護制度の目的
憲法第25条の理念に基づいて、国が暮らしに困っている人々に対して、その困っている状況と程度に応じて、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、一日でも早くご自身の力で生活していけるように手助けすることを目的としています。つまり、病気やけが、その他の理由で収入がなくなり、暮らしや医療費の支払いに困ったりしたときに、生活費や医療費などの支援をさせていただくものです。しかし、保護を受ける方には、受ける人それぞれがご自身、ご家族の生活のために、あらゆる努力をしていただくことが必要です。
生活保護制度の基本的原理
1.無差別平等の原理
生活保護法第2条「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を無差別平等に受けることができる。」
2.最低生活の原理
生活保護法第3条「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持できるものでなければならない。」
3.補足性の原理
生活保護法第4条第1項「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」
生活保護法第4条第2項「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」
生活保護法第4条第3項「前2条の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。」
生活保護の原則・要件等
1.世帯単位の原則
生活保護では、同じ生計によって生活をしている人たちを1つの「世帯」として考えます。生活保護を受ける前には、世帯全員の資産や能力の活用をしなければなりません。
2.資産の活用
預貯金、生命保険、生活に直接必要のない土地や家屋、自動車、貴金属などの資産があれば、原則として売却し、生活のために充ててください。
3.能力の活用
働くことができる人は、その能力に応じて働いてください。
4.扶養義務者の扶養
扶養を行うことができる扶養義務者(父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫など)から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
5.他法他施策の活用
年金、雇用保険、児童手当、児童扶養手当、介護保険などの給付や障がい者に対する福祉サービスなど、生活保護法以外の他の制度が利用できる場合は、まずそれらを活用してください。
6.生活保護の内容
生活保護には、次の8種類があり、世帯の状況に応じて必要な扶助が行われます。働くことができる人は、その能力に応じて働いてください。
- 生活扶助;食料、衣料、光熱水費などの日常の生活費用
- 住宅扶助;家賃、地代など住まいの費用
- 教育扶助;小・中学校で必要な学用品、給食費、教材費などの費用
- 介護扶助;介護保険のサービスを受けるために必要な費用
- 医療扶助;病院での診療や薬剤などのために必要な費用
- 出産扶助;出産に必要な費用
- 生業扶助;就労に必要な技能の習得等のための費用
- 葬祭扶助;葬祭に必要な費用
7.生活保護の手続き
(1)相談
生活に困窮され、生活保護をお考えの方は、市福祉総務課までご相談ください。生活保護制度の説明をさせていただくとともに、各種制度の活用について検討します。
(2)申請
生活保護を受けるためには、本人もしくは同居の親族または扶養義務者からの申請が必要となります。
(3)調査
申請を受け付けると、保護の必要性を判断するために次のような調査を行います。
- 生活状況を把握するための家庭訪問等
- 預貯金、保険、不動産等の資産調査
- 扶養義務者による援助の可否の調査
- 給与や年金などの収入等の調査
- 就労が可能かを判断するための調査
(4)決定
調査結果をもとに、申請から14日以内(特別な理由がある場合は、30日以内)に保護の可否を決定し、文書を通知します。
(5)保護費の支給
世帯の人数や年齢などに応じて国が定める最低生活費から世帯の収入を引いた額を保護費として毎月5日(5日が閉庁日の場合は市福祉総務課が定める日)に支給します。
8.生活保護受給者の権利と義務
(1)権利(生活保護法第56条~58条)
- 正当な理由がなければ、すでに決定された保護を不利益に変更されることはありません。
- 保護金品に対し、租税その他の公課を科せられることはありません。
- 保護金品またはこれを受ける権利を差し押さえられることはありません。
(2)義務(生活保護法第60条~63条)
- 常に能力に応じて勤労に励み、健康の保持および増進に努め、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに、支出の節約を図り、その他生活の維持向上に努めてください。
- 収入、支出その他生計の状況に変動があったときは、速やかにその旨を届け出てください。
- 必要な指導または指示があったときは、これに従ってください。指導指示に従わない場合は、保護の変更、停止または廃止をすることがあります。
- 資力があるにも関わらず保護を受けたときは、その金額の範囲内で返還してください。
生活保護の要否と保護費について
保護は、一定の基準によって世帯の1か月分の最低生活費を計算し、これと世帯の収入とを対比してみて、その収入だけでは最低生活を満たすことができないときにはじめて行われます。
注意 世帯の収入とは、世帯全体が得る働きによる収入、各種の年金・手当、親族からの仕送り、その他貯金、保険金、財産等を処分して得た収入などです。
<保護が受けられる場合>
支出(最低生活費) |
収入 |
保護費 |
収入が最低生活費を下回るため、その不足分のみ保護が受けられます。
<保護が受けられない場合>
支出(最低生活費) |
収入 |
収入が最低生活費を上回るため、保護は受けられません。
生活保護費の不正受給対策への取り組みについて
小牧市では生活保護費の不正受給対策に取り組んでいます
生活保護制度は、生活に困窮している方の最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としています。
そのため生活保護費は、生活保護を受給している人にとり、自身の世帯が生活をしていくために、適正に活用する必要がある大事なものです。
1 不正受給とは
生活保護を受給している世帯は、世帯員に収入があったときや世帯員の増減があったときなど世帯員数に変化があったときは、すみやかに福祉事務所に届け出る必要があります。収入があったり、世帯員の人数に増減があったにも関わらず申告をしない、虚偽の申請をするなど不正な手段を使って生活保護費を受け取ることを「不正受給」といいます。
2 不正受給があると判断したら
もし福祉事務所が調査などの結果、不正受給があると判断したら、生活保護費の徴収を行うとともに、必要に応じて指導や指示、生活保護の停止や廃止などを行う場合があります。もし徴収に応じない場合や、不正受給の内容が悪質だと福祉事務所が判断する事案については、警察に相談したり、告訴する場合があります。なお、刑法による罰則を受けた場合でも、不正受給した生活保護費の返還義務は免除されません。
3 不正受給を防止するための取り組み
(1) 申告する義務があることの説明の徹底
生活保護の相談・申請時に口頭と書面で、世帯員に就労収入があったときは収入申告を行うよう、その必要性を説明しています。また、生活保護を受給中も、定期的に同様の説明を行っています。
(2)家庭訪問の折に確認と説明
生活保護を受給している世帯に定期的に訪問し、就労しているかどうかの確認や就労収入があった場合に収入申告をする必要があることを説明しています。
(3)課税調査など
就労先から市の課税担当部署に報告された給与・賞与額等と、生活保護受給者から報告のあった収入申告の額との差異などを調査し、未申告の収入を把握します。
- この記事に関するお問い合わせ先
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福祉部 福祉総務課 保護係
小牧市役所 本庁舎1階
電話番号:0568-76-1126 ファクス番号:0568-76-4595