主な市民の声と回答(令和3年7月20日更新)

更新日:2021年08月20日

質問 1.  新型コロナのワクチンは従来の私たちが知っているワクチンとは異なり、遺伝子ワクチン(mRNA)であり、どのワクチンも、WHO(世界保健機関)やアメリカをはじめ、まだ正式な認可は下りていない(緊急使用の許可が出ているのみ)というように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

【質問1の回答】

新型コロナワクチンは、臨床試験(第3.相試験)で、有効性と安全性に関して厳格な評価が行われた後に承認されています。その上で、効果の持続性等を確認するために、臨床試験が継続されています。

日本で承認され公的接種の対象となっているファイザー社と武田/モデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、臨床試験(第3.相試験)で、有効性と安全性に関して厳格な評価が行われた上で、薬事承認されています(※1、※2)。その上で、効果の持続性等を確認するために、現在も、臨床試験が継続されています。

米国FDAのガイダンスでは、安全性について、大規模な臨床試験を元にした緊急使用を許可するために、接種後観察期間の中央値が2ヶ月間あることを一つの要件としました。これは、従来のワクチンの副反応はほとんどが2ヶ月以内に認められることが分かっているためです(※3、※4)。これらの情報に加えて、日本国内でも、日本人を対象に臨床試験(第1./2.相試験)を実施し、安全性や免疫原性(抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質)があること等が確認された後、特例承認を受けています(※1、※2)。

このように、既に、有効性と安全性の評価は丁寧に行われましたが、一部の臨床試験の終了予定時期が、将来の日付になっている場合があります。これは、こうした臨床試験に参加した方々に、より長期に有効性や安全性が認められるかどうかについて、引き続き情報収集が行われているためです。臨床試験に参加した方々は、世界で最初に新型コロナワクチンを接種した方々ですので、情報収集を続けることで、免疫の持続期間など、大変重要な科学的知見が得られると考えられます。

(参考資料)

※1:PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)

※2:PMDAの審査報告書(武田/モデルナ社のワクチン)

※3:Emergency Use Authorization for Vaccines to Prevent COVID-19

※4:CDC.National Childhood Vaccine Injury Act: Vaccine Injury Table

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

 

質問2.  たった1年で作られ、長期毒性の検査は終わっていないこと(そのために正式な認可が下りません)というように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

質問3.  今回は動物実験を飛ばし、長期毒性の経過をみることも飛ばし(通常ワクチン製造まで5-10年ほどは経過を見るもの)、歴史上初めて人間の体に使われていること(人体実験の段階)。すべては試験管の中で実験されたものでしかないことというように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

【質問2,3の回答】

mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています。

その上で、いつまで効果が持続するかという長期の有効性を確認するための治験が継続して行われています。

衆議院議員 河野太郎公式サイトより

 

質問4.  過去にもmRNAワクチンは作られようとしてきましたが、実験した動物がすべて死んでしまい、失敗していたために今まで一度も認可が下りなかったことというように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

【質問4の回答】

新型コロナワクチンの実験動物がワクチンの毒性によって異常な死を遂げたという事実は確認されていません。

新型コロナワクチンの毒性試験において、ワクチンを投与された実験動物に、有害事象による死亡例はみられませんでした。通常の毒性試験と同様に、実験動物の各臓器の変化を調べましたが、ワクチンによる明らかな毒性は認められませんでした(※1、※2)。

医薬品開発に当たっては、動物実験において、実験動物に毒性が認められない用量を確認した上で、ヒトでの臨床試験が実施されており、動物実験で十分な安全性が確認されることが必須条件となっています(※3)。

なお、「ワクチン接種された実験用のネズミやネコが全て死亡した」等のSNS上の情報には、根拠となる事実は確認されていません。

 

(参考資料)

※1:申請資料概要(ファイザー社のワクチン)

※2:申請資料概要(武田/モデルナ社のワクチン)

※3:「医薬品の臨床試験及び製造販売承認申請のための非臨床安全性試験の実施についてのガイダンス」について

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

 

質問5.  接種後すぐに出る副反応のみならず、半年後、1年後、5年後、10年後に体にどんな変化を起こすのかこの世の誰も知らないことというように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

質問6.  体の中の遺伝子がどのようになるのかが予測不可能なため、それを元に戻す方法がないこと(一度打ったら元の体には戻せない可能性が非常に高い)というように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

【質問5,6の回答】

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで注射するmRNAは短期間で分解されていきます。人の遺伝情報(DNA)に組みこまれるものではありません。

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで注射するmRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます。また、mRNAは、人の遺伝情報(DNA)に組みこまれるものではありません。身体の中で、人の遺伝情報(DNA)からmRNAがつくられる仕組みがありますが、情報の流れは一方通行で、逆にmRNAからはDNAはつくられません。こうしたことから、mRNAを注射することで、その情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。

このような一般的な科学的な知見だけでなく、薬事承認に当たっては、動物試験や臨床試験の結果に基づいて安全性を評価し、審査を行っていきます。

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

 

質問7.  新型コロナに効いたとしても、自己免疫の働きを弱めてしまう可能性が非常に高いため、普通の風邪が重症化したり、がん細胞が活性化されてがんになる可能性も高いと言われていること(免疫低下によりあらゆる病気にかかる可能性が高まる)。また、ADEという自己免疫が暴走してしまう可能性が指摘されていることというように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

【質問7の回答】

デング熱ワクチンやSARSワクチンで起きたことがあります。しかし「ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンでは、高い中和作用がある抗体とバランスのよいリンパ球の動きが確認され、動物実験でもADEは観察されず、大規模な治験においてもADEの報告はないことから、新型コロナワクチンに関して、ADEの可能性は考えにくいとされています。

衆議院議員 河野太郎公式サイトより

 

質問8.  ファイザーのワクチン説明書に「現時点では感染予防効果は明らかになっていない 」と書かれていることというように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

【質問8の回答】

当初、mRNAワクチンは「発症を防ぐ」のであって感染そのものを防ぐかどうかは分かっていない、と言われていましたが、感染を防ぐ効果も分かってきました。

発症を防ぐことと、感染を防ぐことと、別に本人にとっては同じで何が違うのか、あまり大差ないのではと思われるかもしれませんが、ワクチン接種者が感染しにくくなる、ということは、接種者がその周りの人に感染を広げる可能性が低くなる、ということです。

若くて持病もない人の中には、感染しても重症化しないと思っていたり、接種しても意味がないと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の家族や周りの人を感染から守ることができるのであれば接種する意義は十分あると言えるのではないでしょうか。

ファイザー製のmRNAワクチン(BNT162b2)を世界でも率先して接種を行い高い接種率を達成しているイスラエルにおける研究では、実際の感染予防効果および発症予防効果が、性別、年齢、基礎疾患の有無でそれぞれ報告されています。

これによると、性別では大きな違いはなく、また年齢別でも高齢者を含めいずれの世代も軒並み90%以上と極めて高い予防効果を示しています。

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

 

質問9.  私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか?

 

【質問9の回答】

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンを接種することができます。mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません。

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方でも、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを接種することができます(※1)。妊娠後期に新型コロナウイルスに感染した場合に重症化リスクが高くなるという点においては、ワクチン接種のメリットが考えられます。

日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会は、特に人口当たりの感染者が多い地域の方、感染リスクが高い医療従事者、保健介護従事者、重症化リスクの可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方については、積極的に接種を考慮することとしています。産婦人科施設などでワクチン接種を行うことが望ましいですが、集団接種や産科のない診療所などで接種する場合、接種前後1週間以内の妊婦健診が勧められています。一方で妊娠している女性には、海外の実使用経験(※1)などから現時点で特段の懸念が認められているわけではないものの、安全性に関するデータが限られていることから、接種のメリットとデメリットをよく検討して接種を判断していただくこととしています。

また、妊娠を計画中の方については、接種後の長期避妊は必要ありませんが、可能ならば妊娠前に接種を受けるようにし、器官形成期である妊娠12週までは、偶発的な胎児異常の発生との識別に混乱を招く恐れがあるため、接種を避けていただくこととしています。授乳中の女性については、現時点で特段の懸念が認められているわけではなく、海外でも接種の対象とされています。 ワクチンを接種するかお悩みの方は、主治医にもご相談ください。

現在、ファイザー社等は妊婦を対象とした新型コロナワクチンの臨床試験を海外で実施しています。

また米国では妊娠中・授乳中・妊娠を計画中の方について、下記のような見解やエビデンスが示されています。

 

■妊娠中の方:

米国では、既に10万人以上の妊婦が新型コロナワクチンを接種しています(2021年5月3日時点)。妊娠中にmRNAワクチン接種をした約3万5千人の女性の追跡研究の報告では、発熱や倦怠感などの副反応の頻度は非妊娠女性と同程度であり、胎児や出産への影響は認められませんでした(※2)。妊婦中の女性に対するmRNAワクチンの安全性や有効性に関するランダム化比較試験も現在行われています。米国CDCは、妊婦にも接種の機会が与えられるべきだとしております(※3、※4)。これは、妊婦は同世代の妊娠していない女性と比べて、新型コロナウイルスに感染した場合に重症になりやすく、また早産や妊娠合併症、胎児への悪影響のリスクが上がることが主な理由です(※5)。

妊娠中にmRNAワクチンを受けた方の臍帯血(胎児の血液と同じ)や母乳を調べた研究では、臍帯血にも母乳中にも新型コロナウイルスに対する抗体があることが確認されています。こうした抗体が、産後の新生児を感染から守る効果があることが期待されています(※6)。

 

■授乳中の方:

授乳中の方も、新型コロナワクチンのmRNAワクチンを接種することができます(※3)。mRNAワクチンの成分そのものは乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています(※7)。

授乳中にmRNAワクチンを受けた方の母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されています。こうした抗体が、授乳中の子供を感染から守る効果があることが期待されています(※5、※6)。

 

■妊娠を計画している方:

これから妊娠を計画されている方もmRNAワクチンを接種できます。mRNAワクチンが生殖器に悪影響を及ぼす報告はなく、ワクチンのために妊娠のタイミングを変更する必要はありません(※3)。もし接種後に妊娠していたことがわかった場合も、ワクチン接種が妊娠に悪影響を及ぼすという報告はありません。

その他、海外の動向などについては、

https://www.cov19- vaccine.mhlw.go.jp/qa/uploads/45b092bfc345dc13ca36c41062b00d315e719612.pdf

をご覧ください。

(参考資料)

新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会)

※1:コミナティ筋注添付文書

※2:N Engl J Med.2021 April, Epub

(Preliminary Findings of mRNA Covid-19 Vaccine Safety in Pregnant Persons)

※3:CDC. Interim Clinical Considerations for Use of mRNA COVID-19 Vaccines Currently Authorized in the United States

※4:WHO. The Moderna COVID-19 (mRNA-1273) vaccine: what you need to know

※5:JAMA Pediatr. 2021 April, Epub

(Maternal and Neonatal Morbidity and Mortality Among Pregnant Women With and Without COVID-19 Infection)

※6:American Journal of Obstetrics and Gynecology. 2021 March, Epub

(Coronavirus disease 2019 vaccine response in pregnant and lactating women: a cohort study)

※7:Considerations for COVID-19 vaccination in lactation. ABM Statement.

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

 

質問10.  ワクチン接種後に血栓症が起きると聞いたのですが大丈夫ですか?

【質問10の回答】

海外で接種が行われているアストラゼネカ社のワクチンでは、稀に珍しいタイプの血栓症が起きるという報告がありますが、適切な診断・治療方法も報告されています。なお、ファイザー社や武田/モデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンでは、現時点では、同様の血栓症と関連性があると評価された事例は確認されていません。

海外で接種が行われているアストラゼネカ社のワクチンでは、稀に珍しいタイプの血栓症が起きるという報告があります。

 

■どのくらいの頻度で起こるのですか。

これまでの報告から、頻度にばらつきはありますが、極めて稀に起こるものであり、ワクチン接種約10万~25万回に1回程度といった報告があります。ワクチン接種後1ヶ月以内に生じ、男性に比べて女性、特に若い女性の方が頻度が高いと報告されています。一般的に見られる下肢静脈等の血栓症と比べて頻度は稀と考えられていますが、注意深く情報収集が行われています。

 

■ファイザー社や武田/モデルナ社のワクチンでも起こるのですか。

ファイザー社や武田/モデルナ社のmRNAワクチンでは、現時点では、同様の血栓症と関連性があると評価された事例は確認されていませんが、引き続き適切に情報を収集し、公表していく予定です。

 

■もし発症しても治療はできるのでしょうか。

海外で発生した事例において、適切な診断や治療法に関する報告が増えてきました。一般的な血栓症とは治療薬などが異なることから、専門的な診断や治療が必要になります。このような血栓症が起きた際の治療法について、日本血栓止血学会、日本脳卒中学会の両学会において「血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き」を取りまとめているところです。

 

■どんな血栓症なのですか。

ヘパリンという薬を使った後に稀に生じる「ヘパリン起因性血小板減少症」と似ていることが報告されています。これは、血小板第4因子とヘパリンの複合体に対して、抗体ができてしまうことで、血小板の減少とともに、様々な静脈や動脈に血栓ができてしまう病気です。

一般的な血栓症は、下肢の静脈等にできることが多いですが、アストラゼネカ社のワクチン接種後に生じた血栓症は、脳の静脈やお腹の中の静脈などにも生じ、脳静脈洞の血栓症を起こした方では、脳出血も同時に起きやすくなることが報告されています。このため、早期に診断して、適切な治療を行うことが重要になります。

 

■日本でもアストラゼネカ社のワクチンは接種されるのですか。

アストラゼネカ社のワクチン接種についての方針は、現在、厚生労働省の審議会において検討がなされています。治療法の普及状況や、海外での発生状況等を見ながら検討することになっており、検討の結果が得られ次第、速やかに公表していく予定です。

(参考資料)

N Engl J Med. 2021 April, Epub

(Thrombotic Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCov-19 Vaccination)

N Engl J Med. 2021 April, Epub

(Thrombosis and Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCoV-19 Vaccination)

アストラゼネカ社 COVID-19 ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き(日本脳卒中学会、日本血栓止血学会)

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

質問11. 新型コロナワクチンの接種が原因でたくさんの方が亡くなっているというのは本当ですか?

【質問11の回答】

日本において、新型コロナワクチンの接種が原因で亡くなった方がいるという事実は確認されていません。

「ワクチンを接種した後に亡くなった」ということは、「ワクチンが原因で亡くなった」ということではありません。人はワクチンの接種とは関係なく突然命を落とすことがあるため、ワクチン接種後の死亡事例が出た時は、ワクチン接種との因果関係を調査することが大切です。

新型コロナワクチンを含むあらゆるワクチンは、大規模な臨床試験で安全性が確認された後に承認されています。日本で使用されているファイザー社及び武田/モデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、いずれも臨床試験において、ワクチン接種者とプラセボ接種者で、重い病気を発症した人や亡くなった人の割合に差がないことが確認されています(※1、※2)。

また、接種が進んでいる米国では、ワクチン接種後の病気の発生率と、接種を行わなかった場合の予想される病気の自然発生率を比較するなどの評価が行われています。これらの調査の結果、米国CDCは2021年6月時点で「死亡事例とmRNAワクチン接種には明らかな因果関係がない」と評価しています(※3)。

日本においても、副反応疑い報告制度により、ワクチン接種後の死亡事例が報告されていますが、こうした事例をみたときに、現時点でワクチン接種との因果関係があると判断された事例はありません(※4)。

このような様々な調査の結果をまとめると、2021年7月時点で、日本で新型コロナワクチンの接種が原因で亡くなった方がいるという事実は確認されていません。

それでもなお、決して予断を持つことなく、個別の死亡事例をみたときに「新型コロナワクチンが原因ではないか」、あるいは、症例数などをみたときに「新型コロナワクチンの接種後に特定の病気による死亡が特に増えていないか」など、引き続き、国内外で慎重なモニタリングが行われています。

 

(参考文献)

※1:PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)

※2:PMDAの審査報告書(武田/モデルナ社のワクチン)

※3:CDC. Selected Adverse Events Reported after COVID-19 Vaccination

※4:接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点での考え方(第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料より抜粋)

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

質問12.  若者のワクチン接種、メリットとデメリットの考え方を教えてください。

【質問12の回答】

日常生活の中で、ワクチン接種のメリットに関するニュースよりもデメリットに関するニュースの方が、目にすることが多いかもしれません。このため、ワクチンのメリットよりもデメリットが大きく見えてきてしまう人も多いでしょう。

実際、これまでの新型コロナウイルスの感染者の報告では、若者における重症者や死者の報告は少なく、メリットは高齢者と比べれば相対的に小さくなります。

しかし、依然として若者がワクチン接種を受ける意義は高いと考えられます。それはなぜでしょうか。

 

ワクチンは若者の健康、命を守る

まず初めに、これまで10代でCOVID-19にかかった人の数は日本国内だけでも5万人(https://covid19.mhlw.go.jp/?lang=ja)を超えています。また、入院を要したお子さんも多く報告されています。

日本小児科学会データベース) 

大半が軽症で済んでいるとはいえ、38度を超えるような高熱を出し、咳が2週間続いても、「軽症」に分類されます。「軽症」の言葉からくるイメージと実際に感染した人の苦しみは大きく異なるでしょう。また、感染した若者の中には、今も嗅覚や味覚障害、疲労感、記憶障害などの長引く症状(いわゆる後遺症)に苦しんでいる人がいるのが現状です。

幸い現時点(2021年8月3日)で、日本での10代の死亡例は報告(https://data.cdc.gov/NCHS/Provisional-COVID-19-Deaths-Focus-on-Ages-0-18-Yea/nr4s-juj3/data)されていませんが、より感染が拡大した米国では、390人以上の18歳未満の子どもがCOVID-19で亡くなったことも報告されています 。この中には、基礎疾患の有無が明らかでない子どもも含まれています。19~44歳をみると実に1万6000人もの人が命を落としています。

また、厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf)の報告によれば、日本国内でも、10歳未満の重症例や30代の死亡例が報告されています。

これらは、現在までの統計に基づくものですが、今後新たな変異を獲得したウイルスが誕生すると想定される中、それらが若い世代にどのような影響をもたらすのかについては明らかではありません。

今後も新型コロナウイルスの根絶は難しいと考えられる中、ウイルスへの免疫がない場合、いずれどこかのタイミングでウイルスに感染してしまうことを想定していなくてはいけません。そして、免疫のない中で感染する人が増えれば増えるほど、これまでご紹介したような悲しい報告を聞く可能性は高まるでしょう。

 

しかし、私たちは臨床試験(https://www.nejm.org/ doi/10.1056/

NEJMoa2107456)でワクチンに高い有効性を確認できました。これは本当に幸運なことです。ワクチン接種を受け、免疫ができることによって、感染や発症の確率を大きく減らすことができるのです。また、仮に感染したり発症してしまったとしても、症状のある期間が短くなったり(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/

NEJMoa2107058?query=TOC&cid=NEJM%20eToc,%20July%201,%202021%20DM126402_NEJM_Non_Subscriber&bid=527418551)、重症化を防いだりする効果も期待できることがわかっています。

 

高齢者や持病のある家族を守る

また、ワクチンが守るのは、接種を受ける本人だけではありません。自分自身がワクチン接種を受けることで、感染しにくくなり、仮に感染してしまってもウイルスの量を低く抑える効果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2107058?query=TOC&cid=NEJM%20eToc,%20July%201,%202021%20DM126402_NEJM_Non_Subscriber&bid=527418551)が知られているため、同居する家族や日常的に接する友人、同僚を守る効果も期待できます。身近に重症化リスクの高い持病のある人や高齢者がいれば、なおさらワクチンが重要になると言えるでしょう。

逆に言えば、ワクチンを接種しないことで、あなただけではなく周囲の人を危険にさらしてしまうかもしれません。実際に、600人以上の子どもが参加したサマーキャンプで200人以上の感染者が出て、そこから48人に二次感染が広がり、4人の大人の入院が生じたという事例報告(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2031915)もあります。

隣の席に座った高齢者、持病のある人は、皆誰かの大切な人であることを忘れないでください。ワクチン接種は周囲の人を守ることにもなるのです。

 

安全で安心感のある学校生活を取り戻し、生活を正常化する

さらに、ワクチン接種を受けるメリットは、自分が生活する地域全体にももたらされます。地域でより多くの人がワクチン接種を受けることによって、その地域の新型コロナウイルスに対する防御は高まり、感染伝播が減っていくことになります。仮にウイルスが外から持ち込まれてしまっても、その地域からウイルスが消えていくようになります。

そうして感染流行が収まれば、2019年以前の学校生活や学校外での生活を取り戻すことができます。また以前と同じように、部活動や文化祭といったイベントも不安なくできるようになるでしょう。マスクを外し、友人と安心して集まることのできる日々がやがて戻ってくることにつながるのです。

 

変異ウイルスが誕生する確率を減らすことができる

また、現在はいつ新たに懸念すべき変異ウイルスが誕生するかという不安の中での戦いですが、感染者数が増えれば増えるほど、変異が起こるリスクは上がるという点も大切なポイントです。逆に、いち早くワクチンが広がり、感染する人が減れば減るほど、変異ウイルスが誕生する確率を減らすことができます。

より多くの人がより早い段階でワクチン接種を受けることで、新たな変異ウイルス出現のリスクという点でもより安心した未来を描くことができるようになるのです。

リスクはあるが軽いものにとどまる

しかし、ワクチンにはデメリットもあります。これらの症状はワクチンに対する免疫応答の結果です。若い方の方が、高齢の方より頻度が高い傾向にあるようですが、ほとんどが2~3日以内に回復しています。

 

1回目

2回目

注射部位の痛み

83~86%

78~79%

倦怠感

60%

66%

頭痛

54~55%

61~65%

筋肉痛

24~27%

32~41%

寒気

25~28%

40~42%

発熱

7~10%

17~20%

※N Engl J Med 2021; 385:239-250より作成

 

心筋炎のリスクをふまえてもメリットが圧倒的に上回る

加えて、日本で使用されているファイザー社、武田/モデルナ社のワクチン接種後の心筋炎が稀に報告(https://www.cdc.gov/vaccines/

acip/meetings/downloads/slides-2021-06/03-COVID-Shimabukuro-508.pdf)されています。男性に多く、12~39歳の人に報告されてきています。しかし、頻度は100万人あたり12~32人程度と稀であり、仮に心筋炎を発症した人でもほとんどが軽症で経過したことが報告されています。

こういった背景から、米国CDCは、心筋炎のリスクをふまえた上でも依然としてワクチン接種が推奨(https://www.cdc.gov/vaccines/

covid-19/clinical-considerations/myocarditis.html) されるとしていま

す。また、厚生労働省の特設サイト「新型コロナワクチンQ&A」でも次のように解説しています。

(2021年8月3日時点の掲載内容)

 

「ワクチン接種後に、急性心筋炎・心膜炎が国内外で報告されていることについて、心筋炎・心膜炎の専門家は以下のような見解を示しています。

・軽症の心筋炎・心膜炎は治癒する病気であり、仮にワクチン接種後にかかったとしても、循環器の通常の診療体制で対応できる。

・若年者では新型コロナウイルス感染症にかかった場合にも心筋炎になることがあり、新型コロナウイルス感染症にかかった場合には、ワクチンを接種した場合よりも、はるかに高い頻度で心筋炎がみられる。

・こうしたことから、ワクチン接種により感染の重症化予防を図るメリットの方が圧倒的に大きい。

心筋炎や心膜炎の典型的な症状としては、ワクチン接種後4日程度の間に、胸の痛みや息切れが出ることが想定されます。こうした症状が現れた場合は医療機関を受診することをお勧めします。」

長期的な副反応の可能性を懸念する声もありますが、ワクチンの成分が比較的短期間で体の中からなくなるという事実や、過去の様々な種類のワクチンの経験から、6週間までの観察で出現しないような新たな副反応が遅れて出現する可能性は極めて低い(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/safety-of-vaccines.html)と考えられています。

そのような根拠から、臨床試験では数万人の規模で最低2ヶ月間の安全性の確認が行われましたし、世界中で30億回を超える接種の経験からも、すでに高い安全性が確認されていると言ってよいでしょう。

 

ワクチンのリスクと感染症のリスクを比べる

ワクチンのリスクばかりを考えてしまう時、接種を受けてリスクをとるか、受けないでリスクを回避するかの選択と考えてしまいがちです。しかし、実際にはそうではありません。このウイルスは待っていればどこかに消えてなくなるものではありません。これからも共存していく可能性が高く、今後もこのウイルスによる感染症を患うリスクと隣り合わせで生活していかなければいけません。

ですから、ワクチン接種の選択は、ワクチンを受けるか、いずれ新型コロナウイルスに感染してしまうかの選択になるということです。また、感染のリスクは、重症化や長期にわたる後遺症のリスクでもあります。このように、ワクチンのリスクを考えるなら、ウイルスのリスクと比べる必要があります。ワクチンと新型コロナウイルス、どちらがより危険でしょうか。

そう考えると、若者がワクチン接種を受ける意義が見えてくるのではないかと思います。

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト

質問13.  ファイザーのワクチン有効率95%のデータをよく見ると、ワクチンを打つとコロナに感染するリスクが0.84%減ると示されており(厚労省のページより https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html#002)、接種しても、しなくてもその差は1%にも満たないのではないですか?

【質問13の回答】

新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験では、ワクチン接種群とプラセボ接種群で発症した人の数を比較していて、主に発症を予防する効果について調べています。

(※日本国内で医薬品を審査するPMDA=(ピーエムディーエー)医薬品医療機器総合機構は新型コロナウイルスのワクチンを審査する際の考え方として、原則として発症を予防する効果を評価する臨床試験が必要だとしています。)

つまり、評価されているのは『発症』を防ぐ効果になり、ワクチンの効果は、ワクチン接種群とプラセボ接種群を比較して評価します。

発症した人の割合が、ワクチン接種群がプラセボ接種群より少なければ、発症を予防する効果があったものと判断できます。

プラセボ群での発症割合を100%(162人/18,325人)』とした時の『ワクチン投与群の発症割合(8人/18,198人)』となりますので、

100:x=162/18,325:8/18,198

∴162x/18,325=800/18,198 ∴162x×18,198=800×18,325

∴2,948,076x=14,660,000 ∴x=約5.0%

『ワクチン接種群』では約5.0%の発症率となり、発症が約95.0%抑えられたという評価になります。

※そもそも通常試験や実験において、ある物質の効果を評価する際、「ワクチン接種群」と「プラセボ接種群」に有意差があるかどうかで判定します。評価したい物質の投与以外の条件は全て同じであると仮定されます。よってプラセボ群の結果を1=100%としたときに投与によって、事象が増えたのか減ったのかでその物質の効果を評価します。

 

よって、SARS-Cov-2に曝露される危険率は同条件(通常環境下)であるため、投与群でもコントロール群でも「非感染」であった場合は双方で消込がされるため、見えていないように見えるだけであり、実際は評価に入れなければなりません。よって、

実際には約1万8198人にワクチン、1万8325人にプラセボを注射しています。プラセボの何もしなかった場合に162人発症したのに対しワクチン接種で8人ですから、162−8=154人がワクチン接種によって発症が抑制されたことになります。154÷18,325=0.0084となり、ワクチンを接種した人のうち約0.84%の人がワクチンの効果が得られることになります。

という前述のロジックは誤りであり、前述の考え方で評価をするにしても、

{(162/18,325-8/18,198)/(162人/18,325人)}×100=95
∴95%の発症が抑制された
という計算になります。
よって質問にある154÷18,325=0.0084は誤りです。

新型コロナウイルスの感染歴   解析対象となった人数 うち、発症が確認された例数 総追跡期間(1,000人年)(※) ワクチン有効率 (参考)ワクチン有効率の計算方法
無し ワクチン接種群 18,198 8 ・・・A 2,214 ・・・B 95.0% {1-(A/B)/(C/D)}×100(%)
プラセボ接種群 18,325 162 ・・・C 2,222 ・・・D
問わない ワクチン接種群 19,965 9 ・・・E 2,332 ・・・F 94.6% {1-(E/F)/(G/H)}×100(%)
プラセボ接種群 20,172 169 ・・・G 2,345 ・・・H

質問14.  新型コロナワクチンの効果について教えてください。

【質問14の回答】

感染そのものを防ぐ効果

当初、mRNAワクチンは「発症を防ぐ」のであって感染そのものを防ぐかどうかは分かっていない、と言われていましたが、感染を防ぐ効果も分かってきました。

発症を防ぐことと、感染を防ぐことと、別に本人にとっては同じで何が違うのか、あまり大差ないのではと思われるかもしれませんが、ワクチン接種者が感染しにくくなる、ということは、接種者がその周りの人に感染を広げる可能性が低くなる、ということです。

若くて持病もない人の中には、感染しても重症化しないと思っていたり、接種しても意味がないと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の家族や周りの人を感染から守ることができるのであれば接種する意義は十分あると言えるのではないでしょうか。

ファイザー製のmRNAワクチン(BNT162b2)を世界でも率先して接種を行い高い接種率を達成しているイスラエルにおける研究(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2101765)では、実際の感染予防効果および発症予防効果が、性別、年齢、基礎疾患の有無でそれぞれ報告されています。

 

 

感染予防効果

発症予防効果

男性

91%

88%

女性

93%

96%

16~39歳

94%

99%

40~69歳

90%

90%

70歳以上

95%

98%

基礎疾患なし

91%

93%

基礎疾患1~2つ

95%

95%

基礎疾患3つ以上

86%

89%

肥満

95%

98%

2型糖尿病

91%

91%

高血圧

93%

95%

 

これによると、性別では大きな違いはなく、また年齢別でも高齢者を含めいずれの世代も軒並み90%以上と極めて高い予防効果を示しています。

 

接種者だけでなく、接種していない人にも恩恵が

実際にワクチン接種が進んでいる地域では、接種した人だけでなく、接種していない人でも感染者が減っているというデータも出てきています。

177の地域・集団を対象にワクチン接種率と感染者との関連を調査した研究(https://www.nature.com/articles/s41591-021-01407-5?fbclid=IwAR0UxECsfdwNGmnORrrNQuYk3wRZ1MfXQ7AdAsMgRHYH6tfyytyGTf_2fb0)によると、ワクチン接種率が高い地域では、接種を受けた人だけでなく、接種していない16歳未満も感染者が減っていることが分かりました。

接種率が20%上がるごとに、ワクチンを受けていない集団の新型コロナの感染が約2倍減少したとのことで、これらの結果は、ワクチン接種が、接種を受けた人を守るだけでなく、その地域の未接種者をも保護することを示しています。

お子さんがワクチンの接種対象年齢から外れており不安に思われている方も多いと思いますが、家族が接種することで間接的にお子さんを守ることにも繋がります。

 

感染したとしても重症化しにくい、周囲に広げにくい

さらに、ワクチン接種をしても新型コロナの感染をゼロにできるわけではありませんが、先ほどのCDCからの報告によるとワクチン接種後に新型コロナに感染した人は、ワクチン未接種で感染した人と比べて、

 

・排出するウイルスの量が少なく、排出する期間が短い

・無症候性感染者の割合が高い

・症状のある期間が短い

 

ということが分かっており、自身も重症化しにくく、周囲にも感染を広げにくいと考えられます。

 

変異ウイルスに対する効果は?

現在、世界中に広がっている変異ウイルスですが、今日本国内で主流となっているイギリス由来のアルファ変異ウイルス(B.1.1.7)については、ワクチンの効果はほとんど落ちないと考えられています。

ファイザーの接種後6ヶ月の解析結果(https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-confirm-high-efficacy-and-no-serious)では、変異株が大多数を占める南アフリカにおいても100%の予防効果を示したとされる一方、カタールから(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2104974)は75%まで低下したとの報告があり、まだ定まった見解がないところですが、少なくとも「ワクチン接種をしても変異ウイルスには効果がない」ということはないでしょう。

 

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A/WEBサイト