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大山窯(おおやまよう)

更新日:2017年08月31日

大山窯は、大字大山の福祉の郷用地内にあった明治時代の窯跡で、犬山焼に似た焼き物で「点ナシ犬山」と呼ばれていました。造成工事で壊れる前に、平成6年に発掘調査されました。

大山焼は篠岡村誌によれば、明治5年に開窯し43年に廃業したとあります。江戸時代には藩の許可がないと陶器生産はできませんでしたが、明治になると自由化され、各地に窯が築かれますが、そのひとつであったわけです。

発掘によって多くの新発見がありました。「古窯」と呼ばれる連房式登窯が3基見つかりました。

まず、2号窯・3号窯が築かれ、染付や赤絵などの磁器が焼かれていました。焼かれた製品の釉薬などから開業年代は明治10年代と推定されます。

2号窯で素焼きし、3号窯で本焼きしていました。磁器の赤絵では犬山焼の影響が、染付では美濃の影響が見られます。

1号窯は、2号窯・3号窯を埋めて作られ、少なくとも3回、改造されています。1号窯が築かれた年代は、明治20年代後半から30年代にかけての寺期と見られます。

1号窯は最初は3号窯と同じ3房で、磁器を焼いていましたが、2次窯から7房に大型化し、製品も陶器に変わります。犬山焼によく似た多色釉の陶器ですが、素朴な味わいのある陶器で「大山」の刻印が押されています。

この時期が大山窯の最盛期です。最終の4次窯では、3房に小型化して明治43年の廃業を迎えます。

大山窯1号窯全景

大山窯1号窯全景の写真

大山窯遺構概略図

大山窯 遺構概略図

大山窯年表

明治10年代

  • 窯:3号窯(3房)、2号窯(素焼窯)
  • 製品:磁器
  • 明治5年開窯(篠岡村誌)、明治21年記念銘施釉鉢

明治20年代後半から30年代

  • 窯:1号窯(1次窯(3房)、2次窯(7房)、3次窯(7房)、4次窯(4房))
  • 製品:陶器
    明治38年株式会社設立

明治43年

  • 窯:1号窯(4次窯(4房))
  • 製品:陶器
    明治43年廃業

出土品

出土磁器(赤絵・クロム釉・瑠璃釉)の写真

出土磁器(赤絵・クロム釉・瑠璃釉)

出土磁器(染付)の写真

出土磁器(染付)

出土陶器の写真

出土陶器

出土陶器・搬入品の写真

出土陶器・搬入品

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 文化財課 文化財係
小牧市役所 本庁舎3階
電話番号:0568-76-1189

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